GoogleがGoogle Playのポリシーを改定 リワード広告によるランキング操作の排除が目的か

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 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

Googleは6月22日、デベロッパー向けの情報提供サイト、「Google Developers Japan」にて、GooglePlayのポリシー変更を発表した。

Google Play における報酬に基づく評価、レビュー、インストールに関するポリシー

それによると、GoogleはGoogle Play の信頼性と安全性の確保を最優先事項の 1 つとし、既に告知していた「スパムインストール」や「偽の評価やレビュー」への対策強化をさらに強化し明確化するために、報酬に基づく評価、レビュー、インストールに関するデベロッパー プログラム ポリシーをアップデートしたとしている。

ポリシー(https://play.google.com/about/storelisting-promotional/ratings-reviews-installs/)には

デベロッパーは、いかなるアプリについても、Google Play での掲載順位を操作しようとしてはなりません。たとえば、不正な手段でアプリの評価やレビュー、インストール数をつり上げること(捏造や報酬付与によって、インストール数を増やしたり、好意的なレビューや高い評価を得たりすることなど)がこれに該当します。

と明記され、今後、ユーザーに金銭やポイントなどを与えてアプリのダウンロードを促すいわゆる「リワード広告」「ブースト広告」と呼ばれる手法や、報酬を与えて好意的なレビューを意図的に量産する行為などへの対応が厳しくなることが予想される。

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GoogleがGoogle Playのポリシーを改定 リワード広告によるランキング操作の排除が目的か

日本では多くのユーザーがアプリストア内の人気ランキングを参考にアプリをダウンロードすることから、ユーザーに金銭やポイントなど何らかの報酬を与えてアプリのダウンロードを促し、一時的に大量のダウンロード数を稼ぐことでアプリストア内のランキングを上昇させる「リワード広告」「ブースト広告」と呼ばれる手法が広く浸透している。
しかしこれは、品質の低い、本来はランキングの下位にあるべきアプリが上位にランクインできてしまうことを意味するため、ストア内の表示の信頼性を脅かす行為としてGoogleはかねてより規約違反としてきた。

今回のポリシー改定告知には

Google Play のアプリの配置を変えることを意図したインストールは、検知されて除外されます。

と明記され、Googleは従来よりも厳しい姿勢でアプリストア内のランキング不正操作に対処することが予想される。

今回のポリシー改定がどこまで効果を奏するかはまだ不明だが、Googleは検索エンジンの分野においても検索結果のランキング不正操作に対して長年向き合ってきた実績があり、そのノウハウをもってアプリストア健全化の促進が期待される。

今回のGoogleの発表は、「リワード広告」「ブースト広告」をサービスとして取り扱ってきた企業や、「リワード広告」「ブースト広告」に頼ってアプリから収益を上げていた一部のアプリ開発事業者にとっては危機的な事実だが、その他多くの事業者にとっては正常な競争環境の再生という意味で歓迎すべきことだろう。

スマートフォン黎明期によく目にしたように、小さな事業者が優れたアイデアで作り出した光るアプリが、ランキング上位に駆け上がり多くのユーザーの支持を得るというシーンが、今後はより頻繁に見られるかもしれない。

Google Playストアの正常な進化に期待したい。