台北ゲームショウにブースを展示した講談社ゲームクリエイターズラボのインディゲーム支援の取り組み
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
2月2日から5日の日程で台北で開催された台北ゲームショウ2023。コロナ禍の沈静化を受けて、久しぶりの海外からの参加が可能になり、多くの海外ブースも出展されていました。
その中で、インディーゲームコーナーに変わったブースがありましたのでご紹介します。
といってもこのブースは一部SQOOLのサポートで出展されました。
自己を誇るようで少し申し訳ないような気もしますが、しかし取り組みとして素晴らしいものだと思いますのでご紹介させてください。
さて、ご紹介したいのは、講談社が2020年から実施しているインディゲームクリエイターへの支援プロジェクト「ゲームクリエイターズラボ」のブース。
今回は、ところにょり氏開発の「違う冬のぼくら」が展示されていました。講談社と聞くと日本人なら誰でも知っている大企業ですが、インディゲームクリエイターの支援というミッションに沿った、インディー規模のブースでの出展となりました。
さて、「ちがう冬の僕ら」についても少しご紹介しましょう。
「ちがう冬の僕ら」は「ひとりぼっち惑星」で知られるインディーゲームクリエイター、ところにょり氏が開発中のタイトルで、2月14日にSteamでアーリーアクセスが開始される予定です。
2人同時プレイモードのみという「It takes two」のような仕様になっていて、プレイヤーはそれぞれが違う景色を見ながら協力して謎を解いてステージを進んでいくというもの。
遊ぶシーンが限られるこのタイトルですが、展示ブースには多くの台湾のゲームファンやゲーム業界関係者が訪れ、プレイに熱中していました。
台湾と日本はゲームにおける好みが非常に近く、「ちがう冬の僕ら」の台湾での可能性も見出せる展示となりました。
講談社は「漫画家と一緒に漫画を作ってきたように、ゲームクリエイターに編集担当が寄り添って歩んでいく仕組み」を作ることを本気で目指しており、この台北での小さなブースの出展もその一手でしょう。
個人のゲームクリエイターではなかなか攻略が難しい海外市場を視野に、出版社がそのノウハウでゲームクリエイターを支援する。
新しいこの形には本当に可能性が溢れいていると感じます。