ゲーム温故知新!第1回「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」
著者:東
「懐かしさ」というのはどのぐらいの時間が経てば感じるものなのでしょうか?
3年? 5年? それとも10年?
感覚は人それぞれかもしれませんが、20年や30年も経てば多くの人が「懐かしさ」を覚えることでしょう。
テレビゲームの登場は、1978年に登場した「スペースインベーダー」から数えてそろそろ40年。テレビゲームも懐かしさを覚える時代に突入したといえそうです。
このコーナーでは約40年の歴史を持つテレビゲームの中から、今日でも親しまれている「傑作ゲーム」をチョイスしてご紹介します。
傑作の持つ魅力とはノスタルジーだけにあらず!
ゲームの歴史に名を刻んだ作品は、今でも復刻版やリメイクがリリースされており、古参のゲームプレイヤーたちを楽しませてくれています。最近ではスマホゲームでも旧作のリメイクをよく見かけるようになりました。
人によっては「懐かしさ」を覚えることもあるでしょう。しかし「懐かしさイコール古さ」ではありません!
名作といわれる過去のゲームは今でも十分に楽しむことができます。
今のゲームにはあまり見られないシステムを楽しむこともできますし、もちろん懐かしみながらプレイする人も多いでしょう。
さてさて、前段が長くなりましたがここからが本コーナーの本題!
今回取り上げるのは歴史的名作ゲームのひとつである「マッピー」のリメイク版、「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」というタイトルです。
本作はバンダイナムコエンターテインメントが主催している「カタログIPオープン化プロジェクト」作品として発表されたもののひとつで、初代「マッピー」を手がけたメンバーが再集結して開発したことも特筆すべき点。
いうまでもなく懐かしく、それでいてオリジナルとは違う面白さがある。
正統後継作にふさわしいゲームということができるでしょう。
原点回帰ながらも斬新さもあり!
「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」を紹介する前にそのベースとなる「マッピー」について説明します。
「マッピー」とはナムコ(現バンダイナムコゲームス)が1983年にリリースされたアーケードゲームで、それが初出。
初登場から33年も経つのですから読者の中にはまだ生まれていない方もいるのではないでしょうか。
プレイヤーはネズミの警官「マッピー」となり、窃盗団の親玉のニャームコとその手下のミューキーズたちの屋敷に乗り込んで盗品を取り返していきます。このストーリーはオリジナルと同じ。
「マッピー」は、トランポリンでの移動やニャームコたちを倒せるパワードアなど、数々の仕掛けを上手に活用しながら攻略していくステージクリア型のアクションゲームで、ちょっとした頭脳ゲーム的な楽しさがあり、見た目の可愛さとは裏腹にかなり手応えのあるゲームとして当時のプレイヤーたちを唸らせました。
その後は数々の続編やリメイク作が登場していますので、どこかで「マッピー」のシリーズ作に触れたことのある方もいるかと思います。
今回登場した「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」はそれらの作品とは異なって、初代のゲーム性をかなり踏襲した原点回帰的な内容に仕上がっています。
加えて本作には、スマホゲームならではの趣向が凝らされています。
本家譲りの頭脳的なプレイが楽しい!
「マッピー」の特色であるトランポリンやパワードアなどの仕掛けやゲームの視覚的なイメージはまさに初代そのもの。
ネズミの警部(初代の保安官から出世したようです)のマッピーを操って、トランポリンやパワードアなどの仕掛けが施されたニャームコとミューキーズの館に再び乗り込んで盗まれた宝を奪い返す…と、ゲームのシステムもまんまオリジナルを踏襲しています。
今作では、スマホならではのタップをメインとした操作が実装され、より頭脳的なプレイを楽しむことのできるパズルゲーム要素が加わるなど、スマホゲームとして最適化されていることに大きな特徴があります。
ゲームの目的は、トランポリンで跳ねているマッピーをステージにあるお宝に導いていくというもの。ここはオリジナルと同じですが、大きく異なる部分が前述したパズル的要素。
上のスクリーンショットはスマホ版のゲーム画面です。
フロアの半透明になっているところをタップすることで床が現れ歩くことができるようになりますが、一定時間が経過すると消えてしまって歩けなくなります。
半透明のフロアのうちタップできるのは一箇所に限られるため、次々と半透明のフロアを指定してお宝回収ルートを作ってマッピーをうまく導いていかなければなりません。
マッピーをどう動かすのか、パズル的な先読みがこのゲームの重要な要素になっています。
さらにステージクリア時の達成項目としてスコアが設けられています。そのスコアを上回るためには、単にお宝をゲットしていくというだけではダメ!
同じお宝を連続で取ってスコアアップを狙ったり、ニャームコがお宝の裏に隠れている時にゲットしてボーナスポイントを獲得するなど、初代でもお馴染みのテクニックを用いて攻略していかなくてはなりません。
様々なクリアパターンを構築していくという楽しさ&難しさも実感することができるでしょう。
筆者がプレイした感触は
「初代マッピーでありながらも初代マッピーにあらず!」
というもの。
冒頭で述べた「懐かしさと新しい面白さ」を内包した、まさにリメイクとして理想的な内容に仕上がっていると断言できます。
やり込むほどに新しくも懐かしい不思議な楽しさに惹かれる
筆者は初代「マッピー」もプレイしていたクチですが、ゲーム性が一新された本作でも十分に楽しくプレイできました。
今作で新たに付け加えられたパズル要素、ステージごとに手応えのある達成項目などにより、リピートプレイ&やりこみ度はかなり高めです。
達成項目をこなすと、あるイラストをバラしたカケラが手に入るのですが、この元絵については往年のゲーマーでしたらきっと「おっ!」と思うことでしょう。
それが一体何かについてはプレイしてみてのお楽しみです。
また3Dゲーム全盛の今日でありながら、全画面ドット絵と80年代スタイルのチープながらも耳に残るBGMなど、随所にゲームクリエイターとしてのセンスやこだわりが光る点も見逃すことはできません。
「マッピー」を知らない方でも十分に楽しむことができ、「マッピー」を知っている人でしたら十二分に満足のゆくプレイを満喫することができる本作。
もし今回初めて「マッピー」をプレイして楽しむことができたのでしたら、歴史を遡って他のシリーズ作にトライしてみることもオススメします。
新しいものばかり面白いわけではないのです。
これは特にゲームにこそ当てはまることといえるでしょう。
名作と呼ばれるゲームはまだまだたくさんあります。
これを機に故きを温ねて新しきを知ってみるというのも良いかもしれませんよ?
「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」はこちらからダウンロードできます。
カタログIPオープン化プロジェクトとは?
「カタログIPオープン化プロジェクト」とは、バンダイナムコエンターテインメントが有する「パックマン」「ギャラクシアン」などのカタログIP(がこれまで展開したオリジナルIP)21タイトルを日本国内のクリエイターへ開放し、幅広い発想でスマートフォンアプリなどデジタルコンテンツの領域で広く活用してもらうために企画されたものです。
対象タイトルに登場するキャラクター、音楽、ストーリー、設定などを二次創作することができます。
なお作品の公開は日本国内での配信に限定し、日本国内の法人並びに日本国内に在住のクリエイターを対象としています。
バンダイナムコエンターテインメントは、自社カタログIPを用いて多くのクリエイターと共に、ネットワークエンターテインメントのさらなる事業領域の拡大を目指していきます。
「タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団」も同企画によるもので、鈴屋とコスモマキアーが2016年6月13日よりスマホアプリとして配信を開始しました。
ネズミとネコの抗争を描く原作「マッピー」の操作性をスマホ向けに最適化し、ストーリーやデザインを15年未来のものにリニューアルしたアクションゲームです。