ぷよぷよでeスポーツ ?「ぷよぷよカップ」と「ぷよぷよチャンピオンシップ」って何?eスポーツとしてのぷよぷよを徹底解説!
著者:岡安 学
8月18日、浅草橋ヒューリックホールにて、『ぷよぷよ』のeスポーツイベント、「ぷよぷよカップ」と「ぷよぷよチャンピオンシップ」が開催されました。
ぷよぷよは知らない人はいないと言っても良いほどの人気パズルゲームですが、ぷよぷよでeスポーツ と言われると少し違和感を覚える方もいるのではないでしょうか。
eスポーツといえばバトルロワイヤルゲームや格闘ゲームが概評的です。しかし、ぷよぷよも対戦型のゲームとしてeスポーツに適したタイトルなのです。
この記事ではeスポーツとしてのぷよぷよついて、詳しく見ていきましょう。
プロへの登竜門「ぷよぷよカップ」と、プロ同士のトーナメント戦「ぷよぷよチャンピオンシップ」
まず、冒頭に出てきた「ぷよぷよカップ」と「ぷよぷよチャンピオンシップ」についてご説明します。
「ぷよぷよカップ」は、プロアマ問わず誰でも参加でき、ベスト4まで進出するとJeSU公認のプロライセンスが与えらるというぷよぷよのeスポーツ 大会です。
ぷよぷよのプロ選手になるための登竜門的大会であり、アマチュアのプレイヤーが気軽に参加できる大会でもあります。
8月18日に開催された「ぷよぷよカップ」でも、1人がプロ認定されました。
対して「ぷよぷよチャンピオンシップ」は、プロライセンス保持者が年間を通じてランキングを争うツアー形式の大会です。トッププロがしのぎを削って争う様はまさにeスポーツ。10連鎖以上が連続して繰り出される攻防は圧巻です。こちらの大会には賞金も出されます。
ぷよぷよは優れたeスポーツ タイトル!
ぷよぷよは言わずと知れたパズルゲームの代表格で、誰もが知るメジャータイトルです。そのため多くの人が見て楽しむことができるという特徴があり、そのハードルの低さからeスポーツ 大会のタイトルとして非常に優れていると言えます。
例えぷよぷよを知らなかったとしてもルールが非常にシンプルであるため、しばらく見ているうちに対戦の楽しさを味わうことができようになります。初心者でも十分に楽しむことができ、誰でもトップ選手の凄さを感じ取ることができるのがぷよぷよのeスポーツ大会です。
更にぷよぷよは競技性においても、技術、運、戦略などのバランスが良いという長所があります。つまり運だけで勝ったり負けたりすることが少なく、戦略に長けた選手やスキルの高い選手が順当に勝つゲームだということです。
これによって勝敗に理不尽さが無く、実力が反映しやすいことから、プレイする側から見てもeスポーツに相応しいタイトルだと言えます。
特に運要素の少なさはパズルゲームの中でも格別で、例えばぷよの出る組み合わせと順番は、対戦するプレーヤーによってランダムに異なるのではなく同じものが出てくるようになっています。そのため、ぷよの組み方、連鎖の起動タイミングなどによる戦略で勝敗が決まるわけです。将棋のようにターン制でもないので、先手後手による有利不利もなく、条件的にはまったく変わらない平等さがあります。
対戦する際には使用するキャラクターを選ぶことができますが、演出が変化するだけで、どのキャラクターを選んでも能力的な差がありません。『ぷよぷよクエスト』のようにキャラクターに能力を持たせることで戦略性を持たせることもできなくはないと思いますが、そうなると技術や知識によるガチな勝負から、キャラ性能による得手不得手により勝敗をが決することも考えられ、平等性が薄れるとも言えます。現在のぷよぷよはキャラクターの能力を同一にすることで、競技としての公平性を保っています。
ぷよぷよが非常にわかりやすく、かつ公平な対戦ゲームであることをご理解いただけましたでしょうか。これからeスポーツの観戦を始める方にとっても、ぷよぷよはおすすめできるタイトルです。
ぷよぷよの歴史
『ぷよぷよ』がはじめてリリースされたのは1991年ですが、リリース初期から対戦熱が高く、ぷよぷよのゲーム大会も数多く開かれていました。現在のようなeスポーツとしての佇まいとは違いましたが、多くの人が大会に集まり、技を競い合っていたのは変わりません。
現在19人いるぷよぷよのプロ選手の中には、ベテラン選手も多く、プレイ歴が20年を超える選手がざらで、中には24年を超える選手もいます。しかも、ただ古豪の強いレガシーなゲームではなく、高校生プロ選手や、ぷよぷよ歴5年未満のプロ選手も存在します。19人のプロ選手の中には、女性プロ選手も2人りおり、eスポーツタイトルとしても女性プレーヤーの多さが目立っています。
フィジカルに依存しないeスポーツは、老若男女の区別なくプレイすることができるタイトルが多いことから、基本的にリアルスポーツのように男女を分けて大会を開いていません。eスポーツは女性が男性と渡り合えるスポーツとも言えます。実際ぷよぷよチャンピオンシップ8月大会では、女性プレーヤーのtema選手とめいせつ選手が共に1回戦を勝ち抜いており、その実力を示していました。
eスポーツイベントと言うとゲームメーカー主催か、ゲームファンによるコミュニティ主催がほとんどですが、ぷよぷよに限ってはどちらも尊重しあい、それが融合しているシステムを構築しています。「ぷよキャン」コミュニティでは、セガゲームスが主催でありながら、プレーヤーやサークルなどコミュニティが主導しているコンテンツがメインとなっており、個人や団体で開催しているぷよぷよ大会の掲載もしています。
また、プレーヤーやコミュニティが主催する大会でも、セガゲームスの「ぷよぷよキャンプ」のアカウントを取得したうえでレギュレーションに同意すれば、プレイヤーランキングのポイント対象の大会を開催することができます。
ゲーム大会を開くにはIPホルダーの許諾が必要な場合が多く、開催するには高いハードルをクリアしなくてはいけないのが通常ですが、簡易な手続きでポイント対象の大会まで開けてしまうというのは、今後のeスポーツイベントのあり方のひとつとして重要な試金石になるのではないでしょうか。
ぷよぷよのeスポーツ化はまだ始まったばかりですが、大会やタイトルそのもの歴史、大会への参加や大会開催のハードルの低さなど、プレーヤーもオーディエンスもイベント運営もどの方面から見ても注目すべきタイトルであることは間違いありません。