初代リリースから10年、元祖”動物積みゲー”の「つみネコ」がARになって登場!細部までこだわりを感じるAR版は特に猫好きにオススメしたい
著者:篭谷千穂
今からちょうど10年前の2008年頃、スマホ向けゲームアプリはまだ有料の売り切り型のものが主流でした。とはいえ当時App Storeで配信されていたアプリの最安値は100円を切る85円。現在のアプリ内課金の金額に比べたら実に気軽に支払える額で、有料であっても皆サクサクとダウンロードしていたものです。
そんな中、(おそらく)日本のゲームアプリ史上で初めて本格的なグッズ化な、どゲームを超えて多方面に展開するまでの人気を獲得したタイトルが出現します。それが今回ご紹介する「つみネコAR」の”初代”にあたる「つみネコ」です。
「つみネコ」は、ひたすらネコを積み上げていくだけの至ってシンプルなカジュアルゲームです。しかし物理挙動の設定が絶妙で面白く、またプレイに合わせて端末が振動したり、端末自体の傾きを検知してそれをゲーム画面に反映させたりと、かなり早くから端末との連動を取り入れていました。
やがて「つみネコ」はゲームを超え、カプセルトイやぬいぐるみが発売されたり、ゲーセン向けにプライズ展開されたり、LINEスタンプが発売されたりとゲームの「外」へ出て活躍するようになりました。
その初代のヒットから10年、今年「つみネコ」はAR機能を得て新たなゲームとして生まれ変わりました。その名も「つみネコAR」。
「つみネコAR」は、大きさの異なるネコたちを、端末を傾けてバランスをとりながら1列に積み上げて高さを競うというゲームの内容そのものは従来作と変わりませんが、AppleのAR(拡張現実)プラットフォーム「ARKit」で開発されており、垂直の壁やポスターなどを背景に「つみネコ」をプレイできるようになっています。ゲーム内には、端末の傾きを検知する「ノーマルモード」と、敢えて端末の傾きをゲームに反映させず、スクリーンショット撮影に最適化した「つみフォトモード」の2種類がありますが、いずれも「延々とネコを積み上げていく」ゲームの内容は変わりません。
「ノーマルモード」でも「つみフォトモード」でもまずやることは、端末のカメラを周囲の風景にかざしてネコたちを表示させたい「壁」を認識させること。上手く認識できると、上のスクリーンショットのように表示される面が緑色で示されます。ここをタップすると…
ネコを積み上げる切り株が壁に沿って登場しました!積むネコは画面右上の気球からドラッグすることで出現します。
このようにネコを気球からドラッグして切り株の上に置いて…
どんどん積み上げていきます。どのタイミングでどんなネコが出てくるかは完全にランダム。土台にぽっちゃりした大きなネコを置きたいところですが、そう都合よくは出てくれず、だいたい小さいネコや痩せたネコの後に大きなネコが出てきたりします。
こうしてどんどん積み上げていくと、当然徐々にバランスが崩れて傾いてくるのですが、そこで端末を左右に動かして上手くバランスを取ります。高く積み上げるごとにどんどん自動的に画面がスクロールしていくのですが、遂にバランスが崩れるとネコが一気に逃げ出して…
ゲームオーバー…。最後にどんなネコを何匹積んだが、合計何メートル積み上げられたか等の成績が表示されます。
こちらはこのスクリーンショット撮影のためにプレイした「つみフォトモード」。ご覧の通り自動スクロールはせずに、ピッタリと画面内に積み上げたネコたちが収まっています。よく見ると下になったネコのサイズによってネコたちの足のポーズが異なっているんですよね。細かい!
なお、かわいいネコをもっとよく観察したいという方には、これの3D版にあたる「つみネコAR 3D」がオススメです。
ご覧の通り、ネコたちが雰囲気そのままにフル3Dモデルとして再現されています。ゲームは2Dの「つみネコ AR」と全く同じ。端末のカメラで空間を認識して切り株の上に様々なネコを積み上げていくだけですが、3Dだからこそプレイしやすいところもあり、逆に難しいところもあるタイトルです。また同じ空間を複数のプレイヤーで認識し、複数人で一緒にネコを積み上げることもできます。
プレイの仕方も2D版と全く同じで、気球からネコをドラッグして積み上げていきます。摘ままれているポーズもいい感じに3Dになってる!
3Dなので物理設定もあるのですが、すぐには崩れずに良い感じに踏ん張ってくれるので意外と結構高く積めます。大きなネコの後に小さなネコが続いたので、横に2匹並べて安定感を出したのは我ながら良いプレイでした。
一旦崩れるとそれまで積んでいたネコたちがバラバラに走り出すゲームオーバー画面も2D版とほぼ同じですが、やはりフル3Dでアニメーションが付いているとかわいいですね。
一定数以上のネコを積むなど特定条件を満たすと新しいネコが解放され、それ以降のプレイに登場するようになります。
あとこれは3D版ならではの要素ですが、ゲームオーバーになった後も一匹一匹のネコを360度好きな方向から眺めることができます。これがもう何とも言えないかわいらしさ!他にも、3Dモデルにちゃんと影が付いていたり、サイズ感やそれぞれのネコの特徴が作り分けられていたりと細部にこだわりを感じるタイトルです。
2D版と3D版、いずれも独特のかわいらしさと難易度を兼ね備えたタイトルとなっており、従来作を知っている人はもちろん、今回初めて知ったという方も十分楽しめるでしょう。特にネコが好きな人は是非プレイしてみて下さい。