台湾の相当選挙は与党民進党が圧勝、ゲーム業界への影響は
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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
台湾の相当選挙が本日11日に投開票され、与党民進党の現職、蔡英文氏が6割近い支持を集めて圧倒する形で再選した。
蔡英文氏は中国共産党の「一国二制度」を拒否する姿勢を示しており、香港で長期化する民主化デモを追い風にして当選した形だ。
台湾と中国の政治的な問題はゲーム業界も無縁ではない。例えば昨年2月に台湾のゲームスタジオ「Red Candle Games(赤燭)」が手掛けたホラーゲーム「還願(DEVOTION)」がPCゲームプラットフォーム「Steam」で販売停止となる事件があったが、これはゲーム内に「習近平くまのプーさん」などの、中国共産党にとって好ましくない表現があったことが原因の一つと見られている。
Steamでの「還願」の販売が停止された直後に、台湾の国会議員がYouTubeの生動画配信で「還願」をプレイしてみせるなど、「還願」の問題はゲーム業界の枠を超えで政治に関連する話題となった。
また毎年春節明けに開催される台湾最大のゲームの展示会「台北ゲームショウ」には大陸中国からも多くのゲーム関係者が訪れていたが、昨年夏頃から実施されている中国から台湾への個人旅行の停止措置などが影響し、今年2月6日から開催される台北ゲームショウ2020への大陸中国からの参加者は減少が予想されている。
この個人旅行の停止措置は今回再選した台湾の蔡英文総統による香港デモへの声明などが理由の一つと考えられる。
ゲーム業界を含め経済的には緊密な関係を維持してきた台湾と中国だが、今回の選挙結果を経てそれがどの様に推移していくのかは、予想が難しい状況だ。