リアルタイムで進行するアクション系ローグライクRPG「ダンジョンに捧ぐ墓標」
著者:ちゃんたく
今回ご紹介するゲームは、一風変わったローグライクRPG「ダンジョンに捧ぐ墓標」です。
「ダンジョンに捧ぐ墓標」は、もともとはスマートフォンアプリゲームとしてリリースされていましたが、2021年のゴールデンウィークにSwitch、PS4、Xbox One、Steam向けに配信が開始されました。
この記事ではSteam版をプレイしたレビューをお届けします。
アクション性が求められるローグライクゲーム
「ダンジョンに捧ぐ墓標」はいわゆるローグライクですが、アクション性が重視されているのが特徴です。ローグライクはターン制がほとんどですが、このゲームはリアルタイムで進行していきます。
プレイヤーが動かなくても敵は絶えず動き続け、プレイヤーを見つけたら攻撃してきます。一度戦闘になれば待ったなしで進行するため、どう倒していくかという熟考はできません。
一瞬一瞬で的確な操作や判断が求められるため、これまでのローグライクゲームとはまったく違う力量が問われるのです。
またこのゲームの体力システムも、プレイヤーに多くの思考時間を与えないような仕組みになっています。
このゲームの体力は、青色のHPゲージと赤色のブラッドゲージが存在します。HPゲージの方は基本的なもので、敵から攻撃を受けると減り、0になると死亡します。
一方、赤色のブラッドゲージも0になると死亡するのですが、こちらのゲージは何もしていなくてもリアルタイムで減り続ける厄介なゲージとなっています。
ブラッドゲージはポーションで回復させるか、階層ごとに点在する回復ポイントで補給するしかありません。
ブラッドゲージは「リアルタイムの腹減り」となり、プレイヤーの思考時間と平常心を奪っていきます。ダンジョンは敵の他にも謎解きやトラップが用意されており、プレイヤーをさらに焦らせます。
これらの徹底したリアルタイム進行が、今までのローグライクゲームとはまた種類の違う緊張感を生みだしています。
「少しでも進むか、地上に戻るか」 プレイヤーの心を揺さぶる絶妙な設計
このゲームでは、ダンジョン内で手に入れたアイテムを持ち帰ることができます。持ち帰ればそのアイテムは自身の所有物として確定し、死んでもロストすることはありません。
ただしそれは「無事に帰還すれば」の話です。帰還しないまま死んでしまうと、そのダンジョン内で手に入れたアイテムは全てロストします。
つまり、手に入れたアイテムを自分のものにしたければ、一度帰らなければならないのです。
このシステムがプレイヤーの心を惑わせます。少しでも先の階層に進むのが目的ですが、先に進めば進むほど魅力的なアイテムがたくさん手にはいります。
当然、先に進むほど難易度は上がります。敵は強くなり、マップは複雑になり、1階層進めるだけでも大変になってきます。
アイテム惜しさに一度帰るか、全ロストを覚悟してダンジョンを進むか、選択を迫られる時がやってくるでしょう。
ダンジョン内では、一定の階層ごとにプレイヤーを街に帰してくれるNPCがいます。機会を逃すと、街に帰れるタイミングをしばらく失うかもしれません。
帰還するか先に進むかの判断は、このゲームの醍醐味なのです。
何度も挑戦して、少しずつ強くなっていく過程が楽しめる
総評として、「ダンジョンに捧ぐ墓標」は、これまでにない新たな面白さが味わえるローグライクゲームだと感じました。
始めたばかりのうちは、よほど上手くない限りすぐに死んでしまいます。それでも諦めずに挑戦し続けると、装備やスキルが少しずつ整い強くなっていきます。何度も挑むうちに、敵や罠の対処法も分かってくるでしょう。
遊んでいけば必ず「前よりもダンジョン攻略が楽になった!」という実感が得られるので、気づけば何度もダンジョンに潜ってしまうのです。
このゲームにはアクションや謎解き、リアルタイム進行など、従来のローグライクゲームにはない新しい要素がたくさん盛り込まれています。「新しいローグライクゲームを遊びたい」という方には本当にオススメできる作品なので、興味が惹かれた方はぜひ遊んでみてください。