Tokyo Sandboxは新体制で再出発、その特徴と参加の意義について
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
4月28日の開催を予定していて急遽延期が発表されたインディーゲームイベント、Tokyo Sandbox。新たな開催日は6月22日に決まりました。
シンガポール出身のKevin氏が主催するTokyo Sandboxは、海外からの出展が多いインディーゲームイベントとして独自の立ち位置を確立しており、コロナ禍での中止期間を経て再度成長路線へ、という想定でしたが、実はKevin氏の事情から中止も検討されていました。
しかし、Tokyo Sandboxを存続させるために有志が手を挙げ、無事延期での実施が決まった、というのが今回の延期の裏側でした。
この記事ではその裏側の事情を語るのではなく、新たな体制で再出発するTokyo Sandboxの魅力と見どころについて少し説明をしたいと思います。
先に述べたようにTokyo Sandboxはシンガポール出身のKevin氏が主催しており、彼のネットワークを通じて海外出身者の出展が多いのが特徴です。
海外出身者が主催するインディーゲーム関係のイベントとしては、毎月秋葉原で開催される「Tokyo indies」と言うイベントがありますが、それなりの規模の展示会で、かつ、海外のインディーゲームに触れることができるイベントとしては、Tokyo Sandboxが随一でしょう。海外のインディーゲームに触れたいゲームファンにはとても良い場といえますし、出展者にとってもさまざまな国のゲーム開発者と交流できるという意味で貴重な場となっています。
ゲーム開発者が海外のゲームに触れ、海外のゲーム開発者と交流するというのは本当に大事だと筆者は考えています。
インディーゲームであっても世界に向けてリリースするのが当たり前になった現代を考えると、海外を知ることはゲーム開発者にとって本当に大切です。日本にいながらそれが実現できるTokyo Sandboxはその意味で優れていると言えるでしょう。
パブリッシャーにとっても面白い場で、日本のインディーゲームのみならず、海外のインディーゲームを知ることができます。出展しているインディーゲーム開発者は日本に元々興味のある方が多く、すでにパブリッシャーとコンタクトをとっているケースも多いのですが、それでもパブリッシャーにとってはイベントの場で複数の海外の開発者と直接の交流を持つことができるのはとても良いことでしょう。
海外のゲーム開発者の中には、日本をゲームの聖地のように捉えている方も多く、日本に来る理由があることはとても喜ばしいようで、東京ゲームショウ、BitSummitと並んで、Tokyo Sundboxはその理由の1つに育ってきていたようです。
そういったこともあり、今回Tokyo Sandboxが中止ではなく延期となったのはとても喜ばしいことです。
Tokyo Sandboxは諸々の事務手続きや公式発表が少し遅いという運営上の欠点がありましたが、今後は新体制でその辺りも改善してくのではないかと思います。
こうしたインディーゲーム系のイベントは主催側が多くの労力と、場合によっては費用を費やして実現しています。
良いイベントがなるべく継続して開催できるように、業界とファンとで良い雰囲気を作っていけると良いのではと思います。