2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

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 著者:ちゃんたく 

今回ご紹介するゲームは、2026年に発売予定の2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」です。現在、Steam向けにデモ版が配信されています。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

物語の舞台は、人工知能が現代よりも普及し、ロボットがより身近な「家族のような存在」になった近未来の地球。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

ゲームタイトルにもなっている「ロボットホスピス」とは、人間と共に生きてきたロボットたちが最期の時を過ごす終末施設です。
プレイヤーは、ロボットホスピスの新人スタッフ「ミドリ」として、この施設に預けられたロボットたちの最期を看取っていくことになります。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

施設には、小さくて可愛らしいロボットからどこか見たことのあるような犬型のロボットまで、5体のロボットたちが過ごしています。
しかし、ロボットとは言っても彼らは意思の無いただの機械ではありません。人間と同じように意思疎通ができ、感情もあります。
彼らは人間たちに愛されながら過ごし、そして役目を終えて家族と離れ、このロボットホスピスにやってきたのです。

そんなロボットたちと共に生活をし、時にはロボットたちと会話したり遊んだりして、彼らと最期の時を過ごしながら看取っていく。それがロボットホスピスでの仕事なのです。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

ゲームは1日に1人の利用者を訪問し、カウンセリングを行う事で進んでいきます。様々な交流を経て、ロボットたちの好きなもの、これまでどのような過去だったのか、さらには彼らの願いなどを教えてもらうことができます。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

ロボットの中には、人懐っこいロボットもいれば少し気難しいロボットもいます。彼らはみな「家族」と呼べる人間たちに愛されて育ってきたロボットたちで、それが何らかの理由でこの施設へとやってきたのです。
プレイヤーはあくまでも施設のスタッフで、言ってしまえばロボットたちにとっては他人にすぎず、家族の代わりになってあげることはできません。

簡単に心を開いてくれないロボットもいますが、それでも彼らと交流を続けて少しずつ信頼関係を築くことで、彼らの思いを理解できるようになります。そうして、彼らの最期を看取る者として責任をもって、出来る限り寄り添ってあげたいという気持ちにさせてくれるのです。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

「Robot Hospice」が筆者の心を掴んだのは、やはり「ロボットを看取る」というコンセプトそのものです。例えば、ロボットならばパーツを直したり初期化したり、いくらでも寿命を延ばすというアプローチもあったはず。
ただそうではなく、「Robot Hospice」はロボットも人間と同じような存在として扱い、「最期を看取る」という人間ならではの方法でロボットと向き合う。そのテーマに非常に心を打たれました。

2Dアドベンチャーゲーム「Robot Hospice」

ロボットとの別れが必ず訪れる以上、遊んでいくうちにどうしても切なくて悲しい気持ちになるでしょう。それでも、目を背けずに可愛らしいロボットたちと触れ合うことで、切なさの中にある確かな温かみがしっかりと伝わってくるゲームです。2Dのピクセルアートとレトロサウンドも、その優しい世界観と非常にマッチしています。

「ペットは家族」という認識が浸透している昨今ですが、もしこういった近未来のロボットたちがいたら、「ロボットは家族」と思う時代はやってくるのでしょうか。そんな思いを巡らせながら、ぜひ遊んでみていただきたいゲームです。

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著者:ちゃんたく
eスポーツシーンを追い続けるゲームライターで、今は「ストリートファイター」界隈に夢中。生粋のラブライバーで、推しは星空凛、津島善子。
著者のTwitter著者のPIXIV