【東京ゲームショウ2018】”幽霊の町”が舞台の少し不思議なノベルゲーム「ghostpia」がNintendo Switchに移植決定 そのデモ版をプレイしてみた
著者:篭谷千穂
9月20日~23日に千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2018のインディーゲームコーナーにて、物憂げな雰囲気とノイズや色ズレをあえて入れたレトロなアートワークが印象的な1本のノベルゲームが出展されていました。その名は「ghostpia」。
小・中学校時代の幼なじみを中心に4人で活動する創作ユニット「超水道」が開発しているタイトルです。
「ghostpia」の舞台は、溶けることのない雪に閉ざされた終着駅の町。メインキャラクターを含むここの住人はみな幽霊「のようなもの」としてこの町で暮らしており、短い昼が終わり日が暮れると活動を始めます。
この町の住人は朝日を浴びると体が溶けてしまいますが、一日経つとまた元通りになって復活し、決して死ぬことはありません。その姿はまさに幽霊。本作の主人公の一人である「小夜子」は町でたった一人の異邦人で、自分がどこから来たのか、そもそも自分が一体何者なのかも知りませんが、いつか町を囲む雪の砂漠を超えて故郷に帰ることを夢見て町を彷徨います。
今回の試遊版では、町の真ん中に謎のミサイルが落ちていたり、小夜子の足が朝日で溶けてしまったりなど、少々不穏な描写を交えつつも世界観の概要を知ることができる導入部をプレイできました。
本作は2014年にiOS向けタイトルとしてリリースされ、それ以降クラウドファンディングで開発費を調達しつつエピソードを追加し、現在は第4話まで公開中です。その淡い色彩のグラフィックと寂しげで不思議な空気感、謎だらけのストーリー、幻想的なBGMが相まって唯一無二の存在感を醸し出しており、既に多くのファンを獲得していますが、初の家庭用ゲーム機展開としてNintendo Switch版のリリースが決定。Switch版の移植開発とパブリッシングは、「サリーの法則」などモバイルゲームの良作のコンソール向け移植を手掛けるroom6が担当します。
超水道では、iOS版の開発にあたり独自のフレームワークを使用していたそうですが、Switch版では開発ツールをUnityに変更し、3D的な奥行きのある演出を加えてより豪華な視覚効果と共にストーリーを展開するとのこと。
また誰かが叫んだり、何かを殴ったりなどの衝撃をHD振動で再現したり、キャラクターが周囲を見回すシーンではジャイロ機能を使用して、ジャイロとキャラクターの視界を連動させて没入感を高めたり、BGMもただ録音された楽曲を流すだけでなく、その伴奏や音色がリアルタイムに生成され、ストーリーの進行にフィットする「インタラクティブ・ミュージック」を取り入れたりと、Switch版ならではの新要素も追加するそうです。
なお、オリジナルのiOS版は日本語と英語の2か国語対応ですが、Switch版ではそれらに加え中国語やフランス語などへのローカライズ対応を予定しており、全世界に向けてのリリースを予定しているとか。iOS版で既に海外ファンを獲得している本作、Switch版で多言語配信が行われたらさらに多くの海外ゲーマーを魅了することでしょう。
Switch版がリリースされた後もiOS版は引き続き無料でアップデート予定だそうなので、いち早く本作の世界観を体験したい人は先にiOS版で”予習”してみてはいかがでしょうか?