【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」

 イベント取材 
  公開日時 

著者:篭谷千穂

まだ日本ではあまり知られていませんが、オランダは人口約1700万人の小国ながら、エンターテイメント面だけでなく学習や社会問題解決を種目った社会問題の解決を目的としたゲームジャンル「シリアスゲーム」の開発が盛んな国で、毎年東京ゲームショウにパビリオンブースを出展し、まだ日本で知られていない同国のシリアスゲームを展示しています。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」

今回はその中でも特にテーマが尖っているタイトルがありました。それはAbbey Gamesが開発する「Godhood」。
「神様」になって自分の原始宗教を作り、信者を増やして一大コミュニティを形成し、世界最大の宗教になることを目指す「宗教シミュレーションゲーム」です。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」まず最初に「神」としての自分の見た目を決定します。性別のあるなしや姿形もかなり自由に選択でき、羽や角を付けたり、帽子をかぶったり、武器を持ったり、体のパーツごとにマッチョ・ポッチャリ・ガリガリのどれかを選択して組み合わせたり、顔の造型を選択したりと、自分好みの”オリジナル神様”を作ることができます。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」適当にパーツを選んだら南米文明あたりにいそうな感じの神様になりました。
本作は原始宗教を作るゲームなので、ヨーロッパ人の感覚だと特にフォークロア(民俗)なデザインになるのかもしれません。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」神様の見た目を決めたら、次に教義を決めます。好戦的で異教徒を打ち負かす宗教にするか?それとも平和を第一とする宗教にするか?欲望に正直になるか?禁欲を旨とするか?寛容さを重視するか?貪欲に利益を追求するか?どれを選ぶかは自由ですが、実在した/する宗教を振り返って考えるとなかなか皮肉が効いています。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」ゲームは基本的にはターン制で、プレイヤーが神様になると最初の信者である原始的なNPCが小さな村を作り始めます。最初のうちは、宗教的儀式といってもせいぜいシャーマンの先導のもと焚火を囲んで踊る程度ですが…

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」レベルアップするごとに少しずつ村が大きくなり、住民(信者)も増え、宗教施設やモニュメントを作るようになります。
また、レベルアップすると影響力のある「宣教師チーム」を結成するため、信者それぞれのクラスやアビリティを決め、レベルを割り振ることができるようになります。

ここら辺のシステムは箱庭シムとだいたい同じですが、経済規模や人口ではなく、「宗教」を主軸に何もかもが動くのが本作の特徴です。

【東京ゲームショウ2019】とんでもねぇあたしゃ神様だよ!神様になって信者を増やすオランダの宗教シミュレーションゲーム「Godhood」ある程度のレベルになると、信者たちは他の宗教の信者たちとターン制バトルを行うようになります。ここで面白いのは、神様であるプレイヤーは信者のクラスやアビリティ、レベルには手出しできるのに、バトルそのものには一切手出しできず高みの見物をするしかないこと。まさに「神の視点」というわけですが、これもまた皮肉が効いています。異なる宗教を信じている者同士が、神の意志とは関係ないところで勝手に戦っているのですから。
このターン制バトルで勝つと、他の宗教の信者たちは減り、その中から改宗してプレイヤーの宗教のコミュニティに加わる者も出てきます。

なお、さらにレベルが上がると、ただ武力という実力行使で戦うのではなく、「畏怖」や「説得」という非武装なアビリティを使えるようになったり、欲望に忠実な宗教になると「浮気」アビリティを使って敵の信者を改宗させることもできるようになるとか。

世界最大の宗教になる攻略法は一つではなく、むしろ”これが最強!”と思って作った宗教が意外にもアッサリなくなることの方が多いとのこと。例えば戦闘力の高い「異教徒絶対許さない教」を作れば、確かに序盤は好戦的な性格からバトルに勝ち続け、順調に信者を増やしていきますが、徐々にコミュニティ内で諍いが絶えない所謂「内ゲバ」状態になってしまいます。一方、異教徒にも寛大で欲望もOK、バトルの勝ち負けにもこだわらない「ゆるゆる教」を作れば、内ゲバ状態にならず適度なコミュニティを維持できますが、いつまで経っても世界最大の宗教にはなれず、ゲーム本来の目的を達成できません。

本作は、ただちょっと変わったシミュレーションゲームとしてプレイしても楽しめるでしょう。しかし、実在の宗教をモデルにしてその行く末を観察したり、自分なりに良いと思う宗教を考えて試してみたりと、「宗教」に対し一歩引いた視点で物事を考え、そもそもコミュニティに於いて「宗教」とは何なのか?を冷静に考察する教育的ツールとしても非常によくできていると思いました。高校の倫理の授業にも使用できるのではないでしょうか。

この「Godhood」はWindows/Mac/Linux向けタイトルとして現在Steamにてアーリーアクセス版が配信されており、正式版のリリースは2020年の2月の予定だそうです。興味のある方は今からチェックしておきましょう。

「Godhood」Steam Storeページ

https://store.steampowered.com/app/917150/Godhood/

著者:篭谷千穂
Techブログメディア「vsmedia」を個人運営していたり、英字新聞「The Japan Times」にガジェットとアプリのコラムを書いているライター。
他にも特殊メイクや特殊造型、アクセサリー製作、仮面作家としても活動しています。