気分は映画「ベイビー・ドライバー」執拗に追ってくるパトカーから逃げ回るカーアクションゲーム「PAKO Forever」
著者:篭谷千穂
どうもフィンランドのインディーゲームディベロッパーは、「ローポリ、でもそれがスタイリッシュ」というグラフィックの「カーアクション」もののゲームをたくさん開発する傾向にあるようで、マーケットを覗いて「これいいな」と気になったものは大概がフィンランド製だったりします、筆者の場合。
フィンランドは「Flying Finn」と呼ばれるほど世界的に優れたF1ドライバーやラリードライバーを数多く輩出しており、国内での草レースも盛んなモータースポーツ強国。そうしたお国柄はやはりゲーム開発にも影響を与えるのでしょう。
この「PAKO Forever」もその一つで、プレイヤーが強盗を逃がすドライバーとなり、執拗に追ってくる大量のパトカーを避けてハイスピードで逃げ回るカーアクションゲームです。
例えるならちょうど2017年公開の映画「ベイビー・ドライバー」みたいな世界観です。
ゲームの前にまずは使用するマシンを選びます…が、最初に使えるのは足回りが不安定でスピードも大して速くはない地味な車。ただ、マシンは計19種類あり、ゲームを続けて特定条件をクリアするごとに新しいマシンが解放されていきます。
操作方法は、画面左右をタップしてハンドルを切って走るだけという簡単なものです。ブレーキはなく、建物や駐車してある他の車、追ってくるパトカーなどにぶつかったら即ゲームオーバー。 ところが最初の車は足回りが不安定で、クセをつかむまではカーブをちゃんと曲がるのも一苦労。パトカーに追いつかれるか否か以前に障害物をちゃんと避けられるかドキドキの逃走劇が味わえます。
開始数秒でもうこんな状態に。パトカーにもタイヤ痕が付くのでローポリゴンながらも緊迫感があります。ステージには「外側」の概念はなく、ただひたすら逃げ回るだけ。かなり広そうですが、このとおり逃げ回るのでいっぱいいっぱいなので、最初のうちは10秒生き残るのも難しいくらいです。
絶妙なのは、初期のマシンだとパトカーの方がスピードが速く安定していて小回りがきくこと。つまり、普通に走っているだけではすぐに上のスクリーンショットのようにパトカーに追いつかれて追突事故を起こしてしまいます。
うまくちょこまかと動き回ってパトカー同士を衝突させ「自滅」させるコースを考えて走らなければなりません。
しばらく走っていると、ランダムにフィールド上にこのようなプレゼントボックスが現れることがあります。これは様々なスキルを一定時間使うことができるボーナスアイテムで、これが出たら確実にGETしてマシンをタップし、その効果をどんどん使っていきましょう。
例えばこれはスキルのうちの一つで、一定時間マシンが巨大化し、1回や2回何かに衝突してもすぐにはゲームオーバーにならなくなる機能。大きくなった分小回りがきかなくなりますので、このスキルを使う際はできるだけ幅の広いコースの上を走るか、逆にパトカーに向かって突進し敵となるパトカーを一台でも多く爆発させるようにするとよいでしょう。
なお、本作は最初こそ普通(?)のカーアクションですが、長く生き残れば生き残るほど世界観がどんどんカオスになっていきます。
突然竜巻が発生したり…
戦車が出てきたり…
隕石が墜落してきたりと、パトカーとの逃走劇云々以上にヤバい敵が次々と現れます。しかしこれらは基本の敵役であるパトカーを始末してくれることもあるので、動きをうまく見極めて、それぞれの破壊力を自分の走行に上手く利用しましょう。まあそれをやる前に1分以上生き延びられるようになるのがまず難しいんですけどね。
ちなみに現時点での私の最高記録は1分42秒62です。たったこれだけ?とお思いかもしれませんが、もうここまでくるのに100回以上は確実にプレイしました。
要するにこのゲームはは死にゲー&無理ゲーなんですが、ゲームバランスの設定が絶妙で、「無理じゃないかも?」と思わせる程度の無理ゲーで、ついつい「あともう一回!」とプレイし続けてしまう中毒性があります。
実はPAKO Foreverはシリーズもので、他に「PAKO - Car Chase Simulator」(有料・お試し無料版あり)と「PAKO2」(有料)があります。PAKO Foreverはシリーズ初のF2P(基本プレイ無料)タイトルで、他2作を紹介するガイドアプリ的な存在でもあるので、もしこれが気に入ったら、是非他のシリーズもプレイしてみて下さい。