eスポーツは日本で普及するのか?「プレイヤーありき」で進んで行けるかどうか
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
eスポーツは日本で普及するのでしょうか。
「ゲーム」で対戦する「競技」としてのeスポーツ。「スポーツ」という運動を想起させる単語があるだけに違和感を感じる方も多く、かくいう筆者もeスポーツという言葉の響きに慣れるまで少し時間がかかりました。
言葉の響き的なハンデを最初から持つ「eスポーツ」ですが、内容的には要するに囲碁や将棋と同じようなものともいえます。盤面での頭脳戦が画面内での頭脳戦になった、と考えると分かりやすいと思いますが、「各ゲームタイトルには囲碁や将棋ほどの普遍性が無い」「反射神経や思考のスピード、操作の正確性などのアクション要素がある」点が囲碁将棋とは異なるところ。
前者の「各ゲームタイトルには囲碁や将棋ほどの普遍性が無い」につては深い検討が必要な課題です。例えば筆者はeスポーツが日本でも野球やサッカーくらいの人気になると良いなぁと思っているわけですが、誰のものでもない共通の競技としての野球やサッカーと、企業が開発し営利目的でリリースしている1つのゲームタイトルとでは、周辺の様々な事情が異なります。
とはいえ面白さとしては囲碁将棋と同じような要素を持つ「eスポーツ」は、うまくブランディングしていくことで日本でも人気を獲得する可能性は十分にあると思います。
プレイヤー、ファン、大会主催者、メディア、などの様々な関係者でより良いeスポーツのブランディングができればなぁと願ってやみません。
それは決して「俺らが認めない大会に出たら罰則を課すからな(参考)」というようなことではなく、エンターテインメントとしてどうすればより楽しく、よりスゴイ大会が開催でき、「プロゲーマーになりたい!」と子供たちが思うような、シューマッハやイチローやナダルみたいなそんな存在がどうやったら出てくるのかを一生懸命に考えて堅実に積み上げることではないかと思います。
本当に絶対にここは間違えてはいけない。
黎明期である今は特に、プレイヤーありき、プレイヤー主体であることが大事。
この辺はプレイヤーの皆様や大会運営サイドの方のお話も聞いてみたいですね。
明日から「闘会議2018」がいよいよ開催。一般社団法人日本eスポーツ連合発足後の初の大規模イベントであり、パズドラやモンストのeスポーツ大会の実施など、eスポーツの話題が詰まったものになっています。
様々な意見が飛び交うeスポーツ界隈ですが、まずは明日の「闘会議2018」を楽しみにしたいと思います。