「言葉」の力で道を切り拓け!英単語の学習にもなるアクションワードパズル「TYPOMAN」
著者:篭谷千穂
「Typoman」は、「英単語」を操って状況を変化させ、ステージをクリアしていくアクションパズルゲームです。何らかの理由で荒廃した世界の中、「言葉」の力を知る主人公が敵から逃れながら世界を変える旅に出ます。
ゲームシステムそのものだけでなく、随所にちりばめられた言葉遊び(ダジャレ)も面白く、プレイしているうちに英単語も覚えることができる学習的なタイトルでもあります。
まずプロローグ。無造作に捨てられた文字の山から、不意に「O」がコロコロと飛び出してきました。この荒廃し殺伐としたアートワークからだけでも本作の世界観をうかがい知ることができます。
ただ一人自分の意志を持つ「O」はそのまま荒廃した世界の中を進んでいきます。
ここで「PROLOGUE(プロローグ)」という看板から「G」が抜け落ち、「O」と組み合わさって「GO」になった!こうしたダジャレ的なアルファベットの組み換えと組み合わせによる英単語作りが本作の基本的なギミック発動の仕組みとなっています。
「O」の行く手に溝が!しかしそこには「DR P」と書かれており、ここに「O」がはまることで「DROP(落ちる、下降)」に。ということは、ここは落ちても大丈夫な溝のようです。
大きな溝には「PLANK(板)」を渡して橋にして進み…
上下に動く「PLATFORM(プラットフォーム)」に乗ってまた上にある道へと戻ります。こうして先に進みながら、「O」は体となる「E」、足となる「H」、手となる「R」を拾い集め、自由に動ける体を獲得しました。
なお、どんどん先に進むだけでも各チャプターをクリアできるのですが、ステージ内の随所に隠しアイテム「”」が配置されており、これを発見することで本作のストーリーが少しずつ明らかになり、より深く本作の世界観を知ることができます。
ちなみに先ほど主人公「O」が見つけた体のパーツは「E」「H」「R」、全て組み合わせると「HERO」になるという言葉遊びが隠されていたんですね。
数々のギミックを乗り越え、有刺鉄線で覆われたフェンスに到達しました。ここは「MOVE(動く)」そうなのですぐに突破できそうですが、その先にある昇降式プラットフォームを動かさないと先に進めません。さてどうするか?
よく見るとプラットフォームの脇に「N」があります。というとは、「MOVE」から「O」を動かして「N」にくっつけ「ON」にすれば起動するのでは?
予想的中!昇降式プラットフォームが動くようになり、タイミングを見計らって飛び乗ることができました。
それにしても本作、ギミックや言葉遊びも面白いのですが、背景のグラフィックも退廃的かつ美しく、アート性の高い雰囲気ゲーとしても楽しめます。荒れ果ててしまった自然の中に有刺鉄線や歯車といった人工物が現れる無骨な組み合わせも良いし、「TRUST(信頼)」が絞首台からぶら下がっている等の意味深な描写もプレイヤーの想像力を掻き立てます。
こうしてステージを進んでいると、突然背後から謎の敵「DOOM(破滅、死、悪い運命、最期の審判)」が襲ってきました。しかしHEROは反撃することができず、ただ「RUN(走る)」ことしかできません。
なんとかDOOMから逃れたHERO、その先には「CRAFT NEW WORD(新しい言葉を作れ)」という試練が待ち受けていました。
ここから新たに、その場にあるアルファベットを組み換えて新しい単語を創り出すミニゲームが始まります。「NEWWORD」を材料に作ることができる単語は…
とりあえず適当に「END」を作ってみましたが…
残念ながら行く手を阻む「GATE(扉)」には何も起こらず。ただ適当に単語を作ったところで文字通り無意味で、その場の状況やギミックの仕組みに合った単語を作らなければならないようです。
閉じた「GATE」を開けるならこれかも?
やった!「GATE」の仕切りが下に降りて(DOWN)、先に進めるようになりました!
こうして行く手を阻むギミックを突破していくHEROでしたが、背後からまたもやDOOMが襲来!しかも今度は複数!
行き止まりに阻まれて万事休す!…と思われたその瞬間、目の前に天使のような人が現れてDOOMを追い払ってくれました。この人は一体誰なのでしょう?どうしてHEROを助けてくれたのでしょう?
ステージを進むごとに陰惨な雰囲気が増していき、新しいギミックや敵も登場するようになります。これは谷間に潜んで突然飛び出す敵「GORGE(谷間)」。近くに寄っただけで舌に絡めとられて食べられてしまうので要注意!
このように英単語が見事にギミックおよびその表現に落とし込まれており、プレイを通して自然と英単語とそのスペルを覚えることができるタイトルです。序盤は簡単な単語から始まるので子供がプレイしても大丈夫でしょう。
もともと本作はドイツのインディーゲームスタジオのBrainseed FactoryによりWii U向けにリリースされましたが、学習的なギミックと秀逸なアートワークを融合させた内容が高く評価され、以後あらゆるプラットフォームに移植されました。ご覧のとおり日本語もサポートしており、日本国内ではSteam版(PC)、Nintendo Switch版、PlayStation 4版、iOS版、Android版が配信されています。是非お好きなプラットフォームでプレイしてみて下さい。