【デジゲー博2019】湖に生えてくる「触手」を育成・収穫・販売する香港ゴシックな放置育成ゲーム「触手を売る店」
著者:篭谷千穂
2019年11月17日(日)、東京・秋葉原UDXにて開催された同人&インディーゲーム展示即売会「デジゲー博2019」。
SQOOL.NETゲーム研究室では、会場内で試遊して「これは!」と思ったタイトルに「SQOOL GAME AWARDS 2019」と称したアワードを勝手に贈らせていただいたのですが、中でもアートワークと世界観が秀逸だったのがこちらの「触手を売る店」でした。
「触手を売る店」は、湖に生えてくる様々な触手たちを収穫したり、幼い触手に別の触手を共食いさせて成長させたりしながら収穫した触手を“店頭”にいる店主に引き渡し、図鑑の完成を目指すスマートフォン向けの放置&育成ゲームです。
なぜ湖から触手が生えてくるのか?触手を買い取ってくれる店って何?次々と疑問がわき上がってきますが、それは一旦脇に置いておいて、まずは独特の世界観と細密なアートワークを楽しみましょう。
こちらがゲームの主要モチーフである触手の一つ。触手には植物のような形をしたものや、虫っぽいもの、人体の一部を模したものと多種多様な種類があり、どれ一つ似たものがありません。
しかも一つ一つ細かい部分まで描き込まれており、まるでアート作品を鑑賞しているかのような気分も味わえます。確かにこれなら集めるのが楽しくなりそう!
前述のとおり、触手は”共食い”させることが可能。幼い触手に別の触手を食べさせることで異なる姿の触手へと成長させることができます。どれとどれをかけ合わせればどんな姿に変化するのか?その組み合わせパターンを試行錯誤して探る楽しみもあります。
触手が生えてくる湖の中心には、どうやら触手の発生に関係のある「御神木」が生えており、これも触手を店主に売った際にもらえる「霊酒」で育てていきます。
触手の収穫・育成→店主に販売→霊酒と交換→御神木も育成…が本作の一連の流れで、これを繰り返すことで、触手たちの生態や情報、作品世界の背景となるストーリーが少しずつ開放されていきます。
こちらが触手の図鑑。一つ収穫するとイラストと情報が開放され、触手それぞれの生態や属性、レア度といった情報を見ることができるようになります。
触手を買い取ってくれる店主はなぜか主人公(プレイヤー)のことを「人形」と呼びます。主人公と店主の背景や関係性も気になりますね。
本作は、個人クリエイターのAchamothさんがストーリーやアートワークなど全て1人で手掛けているタイトルで、テーマは「香港ゴシックな残酷童話」とのこと。
赤と黒を基調とし、敢えて色ずれを多用したちょっとレトロな雰囲気が漂うカラー配置、香港の街を彷彿とさせる雑多な看板群が見える風景、繊細な線画で描かれた妖しくも美しい世界観は、アジアンゴシックテイストが好きな人ならハマること間違いなしでしょう。
リリースは2020年初頭の予定だそうなので、興味のある方は今から公式サイトやPixivFanBoxをチェックしてみて下さい。