2019年の「ストリートファイターV AE」シーンを振り返る!

 コラム 
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 著者:ちゃんたく 

カプコンの人気格闘ゲーム「ストリートファイターV AE(アーケードエディション)」を使用した大規模な大会群、「カプコンプロツアー2019」が今年も無事終了しました。すでに次シーズンの「カプコンプロツアー2020」も発表されており、来年以降もますます盛り上がりそうです。

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この記事では、2019年の「ストリートファイターV AE」シーンの中から、筆者が印象に残ったトピックスを紹介したいと思います。

2019年の「ストリートファイターV AE」シーンを振り返る!

プレミア大会4連勝とEVO優勝!偉業を成し遂げた「ボンちゃん」選手

今年のシーンを振り返る上まずで欠かせないのが、日本のボンちゃん選手です。今年は「かりん」や「サガット」といった複数のキャラクターを駆使し、多くの大会で優勝を収めました。

2019年の「ストリートファイターV AE」シーンを振り返る!

プロツアーの最終順位は世界2位、日本人勢では最高位の1位でフィニッシュし、今年最も活躍した日本人選手と言えるでしょう。

【東京ゲームショウ2019】エントリー総数1000人超え!「CAPCOM Pro Tour 2019 アジアプレミア」フォトレポート

ツアーの中盤では、誰も手が付けられない強さだったアメリカのPunk選手(プロツアー順位1位)について、「大会で勝負したい、いけると思う」と強気のコメントをするなど、調子の良さを伺わせていました。その後7月にイギリスで開催された「VSFighting 2019」の決勝戦で、Punk選手との試合が実現。前述の発言もあり注目を集めましたが、結果はボンちゃん選手の勝利。有言実行で見事Punk選手を討ち取りました。

ボンちゃん選手の勢いはその後もとどまる所を知らず、8月に行われた世界最大級の格ゲー大会「EVO2019」でも優勝、さらにはプレミア大会4連勝という前人未到の記録も打ち立て、今年の顔となりました。

「EVO2019」ストリートファイターV AE部門、日本のボンちゃん選手が5年越しの初優勝

私生活の方も順調で、つい最近双子が産まれたボンちゃん選手。来年以降も「パパゲーマー」としての活躍に期待したいところです。

EVO2017の悪夢再び、格ゲー星人「Punk」選手、カプコンカップ優勝に届かず

「ストリートファイターV AE」は日本人選手が多く活躍していますが、海外の選手も負けてはいません。中でもアメリカの若手、Punk選手は頭一つ飛び抜けており、世界中の強豪プレイヤーが「世界最強はPunk」と答えています。

今年も3月のプロツアー開幕からトッププロが集まるプレミア大会を荒らしまくりました。4回のプレミア大会で優勝3回、準優勝1回と驚異的な成績を残し、もはや「誰がPunkを倒せるのか」と絶望感すら漂うシーズンとなりました。

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ポイント上位者が出場できるカプコンカップのボーダーラインは935ポイントでしたが、Punk選手は最終的に4,815ポイントを稼ぎ、プロツアーは堂々の1位フィニッシュ。

カプコンカップでも、日本でトップクラスの強さを誇るまちゃぼー選手やふ~ど選手を捻じ伏せ、圧倒的な強さで決勝に進出しました。

決勝戦の相手は、同じアメリカのiDom選手。普段から対戦している間柄で、試合はPunk選手が優勢に勝ち進め、2-0のスコアで優勝に王手をかけます。

世界中の誰もが「今年こそはPunkが優勝だ」と確信する中、なんとここからiDom選手が猛反撃。その勢いに飲まれてしまったのか、Punk選手はその勢いを止めることが出来ず、結果はiDom選手が逆転優勝。誰も予想だにしなかった展開となりました。

2019年の「ストリートファイターV AE」シーンを振り返る!

世界最強と謳われるPunk選手ですが、実はこれまで「EVO」や「カプコンカップ」といったビッグタイトルでは優勝できていません。

過去の「EVO2017」では、あと1回勝てば優勝となるウィナーズ側で、王手をかけたところでルーザーズから上がってきた日本のときど選手にまさかの逆転負け。今回の「カプコンカップ2019」も、まさにこの「EVO2017」と同じ結末を迎えてしまったのです。
2019年の「ストリートファイターV AE」シーンを振り返る!

今年もあと1歩の所で届かなかった、無冠の帝王、Punk選手。日本人選手が強いゲームながら、日本が越えなければならない壁として君臨し続けるその姿は、「ストリートファイター」のシーンに欠かせない存在です。

来年こそはビッグタイトルを勝ち取り、これまでの雪辱を果たしてほしいと思います。

奇跡の光景!日本の大舞台で「TOPANGA」組が全員壇上に!

今年のシーンを振り返る上で、筆者が最もエモーショナルだと感じた光景、それは、9月に「東京ゲームショウ2019」で開催されたアジアプレミアです。

というのも、この日本開催の大舞台は、ときど選手、マゴ選手、ガチくん選手、ももち選手ら「新旧TOPANGA組」がトップ8に進出するという奇跡的な展開を迎えたのです。

「TOPANGA」とは、格闘ゲームの配信や企画運営をしている団体。毎週水曜日に動画配信サイトOPENREC.tvで配信されている「TOPANGA TV」には、ときど選手、マゴ選手、ガチくん選手の3人が出演しています。実はももち選手も数年前まで出演していました。

【東京ゲームショウ2019】エントリー総数1000人超え!「CAPCOM Pro Tour 2019 アジアプレミア」フォトレポート

【東京ゲームショウ2019】エントリー総数1000人超え!「CAPCOM Pro Tour 2019 アジアプレミア」フォトレポート

トップ8の座をかけた前日予選では、今年中々結果が出ず苦しい思いをしていたマゴ選手が覚醒。一足先にウィナーズ側でトップ8に進出し、その大躍進に会場は大いに盛り上がりました。

そんなマゴ選手の活躍に発破を掛けられたのか、仲間でありライバルでもあるももち選手、ときど選手、ガチくん選手は、トップ8をかけた試合でそれぞれ劇的な勝利を収めました。

というのも、3人の試合はいずれも、もう後がない状況から勝ちを掴んだ逆転の連続だったのです。まるで「マゴが勝ったなら絶対に負けたくない」という思いが勝利を引き寄せたような、ドラマチックな前日予選となりました。

【東京ゲームショウ2019】エントリー総数1000人超え!「CAPCOM Pro Tour 2019 アジアプレミア」フォトレポート【東京ゲームショウ2019】エントリー総数1000人超え!「CAPCOM Pro Tour 2019 アジアプレミア」フォトレポート

当日の決勝は、旧知の仲であるマゴ選手とももち選手が激突し、ももち選手が優勝。最後は制限時間も迫る中、ももち選手らしい待ちからのバックステップでタイムアップまで逃げ切るという結末になりました。ただ、筆者はこの「前日予選」にこそ、彼らの魅力とストーリーが詰まっていたのではないかと思います。

今年も数々のドラマを生み出した「ストリートファイター」シーン。来年もまた新しいシーンがみれると思うと、今から楽しみですね。

参考動画

アジアプレミア 前日予選

カプコンカップ2019 最終日

EVO2019  決勝戦

 

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著者:ちゃんたく
eスポーツシーンを追い続けるゲームライターで、今は「ストリートファイター」界隈に夢中。生粋のラブライバーで、推しは星空凛、津島善子。
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