超シンプルなゲーム「ハイパーカジュアルゲーム」を個人で作って儲けることはできるのか?

 ビジネスニュース 
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 SQOOLNET編集部 

数年前に一世を風靡したハイパーカジュアルゲーム。今は昔、という感じですが、その市場がなくなったわけではありません。

超シンプルなゲーム「ハイパーカジュアルゲーム」を個人で作って儲けることはできるのか?

ハイパーカジュアルゲームは今はビジネスとしてはどうなのか、をこちらの動画にまとめましたので、ぜひご覧くださいませ。

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SQOOL加藤のゲーム研究室

ここからは動画の中で語っていないことについて、少し補足的に書いていきたいと思います。

広告で集客して広告で儲けることが最近は厳しくなった、ということを動画の中でも述べていますが、さてその原因は何でしょうか。

最も大きな原因は、広告に対するプライバシポリシー遵守の厳密化、でしょう。

ハイパーカジュアルゲームの集客はほとんどがアドネットワークと呼ばれる広告システムに頼っています。
Google、Meta、Unity、AppLovin、Mintegral、Pangleなどなど、世界的なアドネットワークがハイパーカジュアルの広告出稿枠を取ろうと営業にしのぎを削っていますが、昔に比べると、その広告の精度が落ちてきました。

これはすごくざっくりいうと、「スマートフォンの利用履歴などから個人の趣味嗜好を想定して広告を出したりするのは、その人の同意がないとダメだよね」という思想が世界的に広まりまして、その結果、これを許可しないユーザーに対しては精緻な広告ターゲティングができなくなった、というものです。

例えば、車に興味がある人には車の広告を出す、転職サイトをよく見る人には転職系の広告を出す、という感じです。

興味がありそうな広告を出すことによってアドネットワークは効率的に広告予算を振り分け、広告主にとっても「見込み客にアプローチできる」というメリットがありました。

しかし、「なんか自分の行動を監視されているようでキモい」という人も多くいるわけで、勝手にそういうデータを分析されるのはいかがなものか、ということになってきたわけです。

そうすると、個をターゲットした広告配信が以前ほどの精度ではできなくなり、ユーザーを集める方法としても、そしてゲーム内の収益としての広告掲載としても、その両面で精度が下がり、つまり資金効率が悪くなり、ハイパーカジュアルゲームは儲かりにくくなってしまったのです。

動画内で、「1億円広告を出して2千万円の利益」と言っています通り、ハイパーカジュアルゲームの利益率はそれほど高くなく、1割から2割程度の利益率というのはよくある話で、そうなるとアドネットワークの精度の低下というのは本当に致命傷なわけです。

これ以外にも、これもポリシーの問題で、モック(テスト版のゲーム)によるテストローンチができなくなったこと、ハイパーカジュアルゲームへのユーザーの飽き、などもあり、ハイパーカジュアルゲームの市場は停滞気味という感じです。

ただ大きく縮小しているわけではなく、その市場規模は維持されています。

個人的には大手は徐々にミドルコアのカジュアルゲームに寄っていくでしょうから、従来の、本当の意味でのシンプルなカジュアルゲームは個人開発者の手に戻ってくるのでは?と思っています。

とはいえ、広告頼みのマーケティングとマネタイズが今後通用しないのは間違いなく、ハイパーカジュアルといえども、ブランディングやファンマーケティングが必要になってくるでしょう。

例えばパズルゲームに特化する、物理エンジンを使ったゲームに特化する、などが考えられます。
同じようなゲーム、は今後ますます通用しにくくなるかもしれませんね。
ただゲームエンジンやスマートフォンの進化によりその表現の幅も広がっていますし、今後必ずAIもハイパーカジュアルゲームに開発に用いられるようになるでしょう。
今後どうなっていくのか、楽しみに見守りたいですね。

著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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