【レポート】第19回ゲームライターコミュニティセミナー ゲームライターの「収入アップ大作戦」とは!?
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
ゲームライターにとって避けては通れない「収入」との付き合い方。
多くのゲームライターはフリーランスとして活躍していますが、彼らはいったいどうやって収入を確保し、そしてどうやって収入を増やしているのでしょうか。
ゲーム攻略本が全盛の頃、ゲームライターの収入はちょっとしたものだったといいます。
しかし今やゲーム攻略本の規模は大幅に縮小し、同時進行で雑誌もその数を減らし、ゲームライターの活躍の場は紙からウェブへと移ってきました。
仕事の発注元であるクライアントが紙雑誌からウェブメディアへと変わる中、ゲームライターはどのように立ち回っているのでしょうか。彼らの収入はどのように確保されているのでしょうか。
なかなか聞くことのないゲームライターの収入事情。
10月16日に東京渋谷で開催された「第19回ゲームライターコミュニティセミナー」では、ゲームライターの収入事情について、ベテランライター3人から赤裸々な現実が語られました。
この記事では「第19回ゲームライターコミュニティセミナー」のパネルディスカッションから、やり取りを抜粋してご紹介します。
登壇者紹介
小野憲史(オノケンジ)
ゲームジャーナリスト。
NPO法人IGDA日本名誉理事・事務局長。
「ゲーム批評」(マイクロマガジン社)編集長などを経て現職。
ウェブニュース媒体を中心に取材記事などを寄稿しており、E3・GDCなど海外取材も多数経験。「小野憲史のゲーム時評」(まんたんウェブ)などのコラム連載や、教育機関などでの授業・講演もこなす。東京ネットウェイブ非常勤講師。
主な著書・編著に「ゲームクリエイターが知る97のこと(2)」(オライリージャパン)などがある。
岡安学(オカヤスマナブ)
デジタルライター/Allaboutデジカメガイド
ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランス・ライターに。攻略本の執筆は50冊以上。
現在は、デジタル機器を中心にWebや雑誌、Mookなどで活躍中。アニメ、マンガ、ゲームなどにメディア関係もこなす。近著に『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。
鴫原盛之(シギハラモリヒロ)
1993年に「月刊ゲーメスト」(新声社)で攻略ライターとしてデビュー。その後、ゲームセンター店長やメーカー営業などの職を経て、2004年よりフリーライターに。
これまでにゲーム関連・攻略書籍を多数執筆し、現在ではゲーム関連の学会にてゲーム史の収集・記録なども手掛ける。
主な著書は「ファミダス ファミコン裏技編」「ゲーム職人第1集」(共にマイクロマガジン社)など。
2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表を務めている。
Twitter:@m_shigihara
司会
加藤賢治(カトウケンジ)
株式会社SQOOL代表取締役。IGDA日本正会員。
2013年1月にSQOOLを創業し、ゲーム系ウェブメディアを開設(https://sqool.net/)。紙媒体を経験せずウェブからゲームメディア業界に入る。
モバイルゲームの攻略情報を軸に、最近ではゲームニュースの発信や海外ゲームイベントの取材などメディアとしての事業展開を拡大中。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「FF零式」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」「リネージュ」などなど。
twitter:@kenjikatou
原稿料の相場は以前と比べて変わっていますか?
単価としても多少下がりました。特にWeb発祥のサイトだと単価がかなり低いですね。
ただ全体としては下がっているという認識ですね。ですので自分の場合は徐々にライター以外の業務での収入を増やしている状況です。
仕事の取り方で気を付けていることは?
内容的な側面はどうですか?
好きな仕事というのも色々ありますが最近では海外取材などですね。
ゲームライターデビューにおススメのジャンルは?
攻略って野良サイトに適わないんですよね。ですので、僕の場合はゲームの魅力を伝える方をやっています。
レビューもゲーム、アニメ、マンガ、映画、テレビ番組、小説とジャンルを変えてもいけたりします。
そういうことを少しずつでもやっていった方が良いと思います。
昔は攻略本でとても儲かったという話ですが、小野さんいかがでしょうか。
小野さんは攻略はやりますか?
ゲームライターはどうやって仕事を取っているのか
僕の場合はゲーム以外の仕事の割合が多くて、実はゲーム専門のメディアとの付き合いは今はほとんどありません
その他にはeスポーツとか。
今はどんな感じで仕事を取っていますか?
ちなみにレギュラー案件ってどうやって取ったんですか?
人より詳しいことは仕事にもつながりますよね。
ゲームライターのキャリアプラン
この辺りを踏まえてそれぞれのキャリアプランを伺いたいと思います。
岡安さんはゲームのライティングはライター業の一部で、広い分野でやっていく、というのが岡安さんのスタイルかと思いますが、キャリアプランとしてはどうですか?
例えばロボット産業とかも良いかも、と思っています。
若手ライターへのアドバイス
加藤の感想
今回のセミナーでは、司会進行役として3人のベテランライターに色々と質問をさせていただきました。
ここに全ては書ききれませんでしたが、紙の時代から筆を執ってきたゲームライターは、様々な変化を乗り越えて今に至っているんだなということをしみじみと感じました。
私のようにウェブから入ったメディア編集者、ライターさん、そして若い読者の皆様には感覚的に分かりにくいエピソードがあるかも知れませんし、時代的にもはや参考にし辛いというエピソードもあると思います。
それが時代の流れというものですが、しかし今一度3人のベテランライターの言葉を振り返ってみると、様々な要素にどう対応していくのかという方針やテクニックも当然大事ですが、大げさに言えば今回のセミナーでの話は「どのように生きてきたのか」という内容だったように感じます。
ゲームメディアを運営していると、ゲームライターとは本当に難しい仕事だと感じます。
この記事を読んでくださった皆様が、ゲーム雑誌を手に取ったときに、またはウェブの攻略記事を見たときに、記事の裏のゲームライターの頑張りに少しでも想いを馳せていただたら嬉しく思います。
ゲームライターコミュニティではこのようなセミナーを定期的に開催しています。
最新の開催情報はウェブサイト、Facebook、Twitterで発信していますので、興味をお持ちの方は是非お気軽にご参加下さいませ。