闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

 コラム 
  公開日時 

著者:KK

様々なゲームタイトルの対戦ステージが並行して実施された「闘会議2018」。様々なeスポーツタイトルの大会が会場内の色々なステージで同時進行し、タイトル同士を見比べられる場となりました。

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eスポーツとはゲームで対戦し勝敗を競う競技のことで、海外では大きな市場が既にありますが、日本ではまだこれからという感じ。

闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

現在eスポーツについての様々な議論が各所で巻き起こっていて、その中にスマホタイトルのいわゆる「ソシャゲ」のeスポーツ参入の是非がありますが、この記事では筆者が闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツの課題」について、前向きな姿勢でざっくりと語ってみたいと思います。

競技に求められる「厚み」の問題

闘会議2018では、パズドラ、モンストなど、国内で圧倒的な知名度を誇るソーシャルゲームがeスポーツ大会を開催。その他にもフィンランド発の「クラッシュロワイヤル」の日韓戦など、複数のスマホタイトルのeスポーツ大会が開催されました。

闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

実際にステージを見てみると、スマホのタイトルもかなり健闘しているといった感じで、多くのファンが対戦の行方に歓声を上げていました。

しかし同時進行で開催されていたPCやコンシューマのゲームと比べると、やはりボリューム的に見劣りがした、というのも事実。
小さな画面でプレイできるように構成されているスマホゲームは複雑な操作が許容されないため、ゲーム性としてもシンプルにならざるを得ません。
eスポーツの面白さの1つは選手の優れたテクニックを見ることにありますが、その部分がスマホゲームでは今のところ不足している感があります。

グラフィック面でも、スマートフォンを縦に持つタイプのモバイルゲームは、ステージ上の迫力という点でPCゲーム、コンシューマゲームと比べると劣っていました。大会での熱狂という側面から見ると、ステージ上の迫力で劣るというのはかなり大きなデメリットです。

闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

この辺りの問題はゲームの構造的な工夫や、大会ステージ上の進行演出次第で改善できると思われ、今後に期待したいところです。

既存タイトルの改造で「Pay to win」から脱却できるのか

スマホタイトルは元々のタイトルが課金やガチャを前提にしていますが、その点がeスポーツ化を考えたときの1つの大きな問題となります。

eスポーツにおいては「課金した方が強い」というわけにはいきませんのでゲームのルールをeスポーツ仕様に改編しますが、元々が課金前提で作られたゲームであるだけに、ゲームバランスの調整が難しいと感じます。

闘会議2018で感じた「スマホでeスポーツ」の課題をざっくりと語る

ソーシャルゲームではレアなキャラクターやアイテムを手に入れて使用することがゲームの面白さに内包されており、そこを排除して平等にした場合、その他のゲーム性などの部分でeスポーツとしての魅力を追求していく訳ですが、もともとPvPを前提に作られているクラッシュロワイヤル以外はこの調整でかなり苦労しているな、という感じがしました。

モンストは使えるキャラ(モンスター)を順番に選択していく仕様で平等性と戦略性を担保していましたが、選択後の実際のバトルステージでは、配置の運以外に何が勝敗に影響したのかは分かりにくいと感じました。

文化に依存する要素はeスポーツタイトルとしてはどうか

スマホゲームならではの要素で気になったのは「萌え」。

日本的な萌えキャラや萌え声はスマホゲームとの相性も良いため、闘会議のステージでもそのような要素を持つスマホゲームが見られました。しかしプロゲーマーが腕を競い合う真剣勝負の場での萌えキャラ、萌え声はちょっと、というのが筆者の感想。

日本的すぎる、西洋的すぎる、或いは特定の層だけをターゲットにしているなど、特徴が強すぎるタイトルはeスポーツタイトルとしての天井が低くなるのではないかと思います。

この辺りは、「日本国内だけでeスポーツが市場として成り立つか」ということにも関連していますが、筆者は今のところ世界に出ていけるタイトルに注力した方が、日本のeスポーツの普及は促進されるのではないかと考えています。

進行ノウハウの蓄積はこれから

その他気になったのは、スマホタイトルの大会ステージは若干進行が拙いように見えたこと。

身内やコアなファンにしかわからない内輪ネタでの司会進行や、「あー!」「えー!」のような叫び声がメインの解説など、「YouTubeのゲーム実況の様な」といえば想像しやすいかもしれませんが、プロっぽくないものも目立ちました。

運営スタッフのタレント化が一般的なソーシャルゲームでは、PCゲームやコンシューマゲームと比べると身内向けになってしまいやすいのかもしれません。
解説に関してはゲーム性の「厚み」とも紐づいていると思います。

この点はタイトルとしての熟成と共に、今後大会ステージ進行に関するノウハウが蓄積されることで良くなるだろう、と期待しています。

それでも事前期待値よりは高かった!「スマホでeスポーツ」には引き続き期待

このように、「スマホでeスポーツ」はまだまだ熟成に時間がかかりそうだなという感じですが、それでもメディア関係者の間では「思ったより面白かった」という声が多く聞かれました。

筆者も、もう少ししょぼい感じになるかな?と思っていましたが、少なくともイベントとしては成立しており、観衆が大きく盛り上がる見せ場もあり、会場でもオンライン配信でもスマホゲームの大会ステージを楽しんだファンは大勢いたと思います。

今後スマホゲームでのeスポーツが普及していくためには、競技としてどのようにゲーム自体を熟成させていくのかということと、大会ステージの運営ノウハウの蓄積、が肝要だろう、と感じました。