NFTゲームに未来はあるのか?稼ぐ系のゲームの今後について考えてみる

 コラム 
  公開日時 

 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

ゲームをして稼ぐ、と聞くと、プロゲーマーなどが思い浮かぶかもしれません。が、今回はそうではなく、もっとカジュアルにゲームをして稼ぐ、NFTゲーム、の話です。

NFTゲームとは、プレイすることで仮想通貨がもらえるゲームを指します。例えばミニゲームをプレイしたり、特定の距離を実際に移動することで、その報酬として仮想通貨がもらえる仕組みになっています。

NFTゲームに未来はあるのか?稼ぐ系のゲームの今後について考えてみる

例えば、走ることで仮想通貨を得ることができる「STEPN」というランニングアプリは日本でも過去に話題になったことがありますので、実際にやったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ランニングをゲームとみなすか、という小さな疑問もありますが、ゲーム性があるという点で、NFTゲームということはできるでしょう。

さて、このNFTゲームですが、日本では下火感があるものの、世界的にはまだまだ注目されています。

実際にSQOOLの関連会社があるベトナムではAXIE infinityとうう、NFTゲームで世界的に成功した会社があることもあり、まだまだ投資資金の投入先としての引き合いも多く、社会的な関心も高い状態です。

NFTゲームに未来はあるのか?稼ぐ系のゲームの今後について考えてみる

今後多くの投資資金が継続的に投入されていくことが想定されており、市場としては少しずつ拡大していくのではないかと思います。

ただ、今はNFTゲームであれば良いという状況ではなく、今後の成長のためには乗り越えなければならない課題もあります。

まず1つ目は、ゲーム性の低さです。
NFTゲームは、ゲーム内で、あるいはゲームをプレイした結果として仮想通貨を得られるということが第一の目的に設定されているため、ユーザーの関心も、そして開発者の関心も、より良いゲームではありません。最も大事なことは、ユーザーが現金をゲーム内のNFTに投資し、そしてそれを売却して利益を得る場であることです。
そうなると、リッチなゲームを遊ばせるのは効率が悪く、ゲーム性という意味では低くならざるを得ません。

本当に面白いゲームを遊びたいユーザーは通常のゲームを遊ぶでしょうから、ゲーマーを取り込むというのは今のところ仕組みとしては難しい状況です。

NFTゲームに未来はあるのか?稼ぐ系のゲームの今後について考えてみる

2つ目の問題点として、稼ぐ手段としては効率が悪いということです。本当に仮想通貨で稼ぎたいのであれば、ビットコインなりを仮想通貨取引所で購入した方が効率的です。わざわざゲームをするのは時間のロスでしかありません。
つまり、投資家層は、仮想通貨や、株や、外貨(FX)を既存の取引所で取引するでしょうから、投資家層をNFTゲームに巻き込むのは難しそうです。

となると、NFTゲームの価値はどこにあるのでしょうか。
筆者は、日本で流行っているポイ活のようなものになるのではと思っています。
ポイ活も収入を増やしたり投資をしたりという行動としては非常に効率の悪い行動です。しかし、日常の買い物などのついでに少しポイントがもらえるのは人としては嬉しいもので、楽しみとしてポイ活をする気持ちはよくわかります。筆者もやっています。

それと同じモチベーションで、楽しみながらどうせなら何か利益が得られれば良いな、という人たちが世界中にいれば、それは大きな市場になるでしょう。

問題は、楽しみながら、というところで、NFTゲームの課題はそこに集約されます。
日常のちょっとした時に、と考えた時に純粋にゲームで良いのかというところから、ランニングや睡眠などの健康と紐づけたNFT関連アプリが多く生み出されています。これは自然な流れでしょう。

このような仕組みに、これとは別に投資としての取引所があって、仮想通貨自体の価値がゲームの外でインフレしていくのであれば、ポイ活としてNFTゲームを楽しんでいる層にとっては嬉しいことです。

結局は仮想通貨が今後どうなるかということも重要で、楽しみながら仮想通貨が得られるNFTゲームが成立した後は、仮想通貨の社会的な立ち位置が重要、ということになります。

ここには可能性があると筆者は考えています。
純粋なゲームとして、というのは性質上難しいですが、ちょっとした楽しみとしてNFTゲームがより普及する未来はあり得るのではないでしょうか。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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