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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のサイバーセキュリティ市場を調査し、参入企業やユーザー企業の動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
これまでセキュリティ分野への投資は、平時を維持するための費用、すなわち負担(コスト)と認識されることが多かった。また、中堅・中小企業においては、その規模ゆえに攻撃者に狙われる可能性は著しく低いと認識する傾向が強く、セキュリティ分野への投資に消極的な姿勢を採る企業も散見された。
しかし攻撃の民主化(生成AI等により必ずしも専門性を有してなくとも一般人が容易に攻撃できるような状況)や、低コスト化(専門的技術や高価なハードウェアは必ずしも要件とされないこと等)が進んでいること、クラウド化やIoTの進展、また働き方の変化によって、自社内だけでなく、社外におけるリモートワークで利用されるモバイル端末やネットワーク環境等が多様化したことで、攻撃の入口が増加していることなどから被害は拡大している。被害を受けた企業の報告から、攻撃手法や感染経路などが明らかになり、日常業務の継続困難、復旧までにかかる時間の長さなどから企業におけるサイバーセキュリティと事業継続(BCP)の重要性が改めて認識されることとなった。こうしたことから、経営層のサイバーセキュリティに対する意識は、IT部門が担う技術的な業務から、事業を継続するための経営基盤そのものにかわり、セキュリティ分野への投資は拡大傾向にあり、2025年度の国内のサイバーセキュリティ市場規模は事業者売上高ベースで前年度比9.2%増の1兆9,471億円と推計した。
2.注目トピック~サイバーセキュリティの成熟度の平均値は3.0
本調査では2025年6月末~9月初に国内民間企業(プロセス製造業、加工組立製造業、サービス業、流通業、金融業)495社を対象にサイバーセキュリティの成熟度に関する法人アンケート調査を実施した。
本調査結果から、レベル1やレベル5の企業は1割未満となっており、多くの企業がレベル2~4にあることが示された。また、レベル1~5の回答の平均を算出すると3.0となり、「サイバーセキュリティについては、会社が定めた文書化されたプロセスや手順に基づいて部分的に取り組んでいる」(レベル3)程度の成熟度といえ、やや不安が残る結果になった。
3.将来展望
2026年度の国内のサイバーセキュリティ市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比9.0%増の2兆1,220億円を予測する。
今後、AIは重要なキーワードのひとつである。中長期的にみればAIエージェントを製品(ハードウェア/ソフトウェア)に搭載することが想定され、運用にもAIエージェントが組み込まれることから、AIによるセキュリティ分野における運用の自動化が進むと予測する。
また近年は、日本市場ではあまり進んでこなかったマーケットプレイス経由での販売が増加傾向にある。大手外資系企業などのマーケットプレイスの活用が見込まれ、こうした傾向は続くと考える。
こうしたなか、2030年前後には量子コンピュータによる暗号解読リスクへの対応なども検討しなければならない可能性がある。ベンダー企業各社は、備えるべき機能、エコシステム(ユーザー企業を中心に、パートナー企業(ユーザー企業のシステム構築や運用維持に係るシステムエンジニア企業)、ベンダー企業の関連する経済圏)の方向性について考える必要がある一方、パートナー企業はユーザー企業のシステム環境に即時対応できる技術やノウハウを強化していくとともに、進化するセキュリティトレンドに追随できるベンダー企業を見極める必要がある。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4130
調査要綱
1.調査期間: 2026年3月~5月
2.調査対象: サイバーセキュリティ関連事業者、民間企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング調査、法人アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2026年5月28日
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