台北のデジタルコンテンツ産業を支援する「Digi+デジタルコンテンツ産業推進オフィス」、日本企業との連携も積極的に推進
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
日本から近く、東南アジア、中国への入り口である台湾。台北ゲームショウには毎年日本からたくさんのゲーム関係者やゲームファンが参加し、台北や高尾には日本のゲーム系企業も多く進出している。
台湾はゲームを含めたデジタルコンテンツ産業を熱心に支援しており、その一環として台湾政府が主導する「Digi+デジタルコンテンツ産業推進オフィス」という施設がある。
「Digi+デジタルコンテンツ産業推進オフィス(以下Digi+)」とは、台湾の経済部工業局(日本でいう経済産業省)の依頼を受けて財団法人資訊工業策進会(日本でいう日本貿易振興機構)が設立、運営している施設で、デジタルコンテンツ産業に対する様々な支援を実施している。
Digi+は「法人設立及び国際投資支援」「産業技術支援」「ビジネス交流及びマッチング」「人材育成」の4項目が重要ミッション。
これらのミッションは台北進出を希望する日本企業も対象で、例えば「法人設立及び国際投資支援」については、日本企業も館内オフィススペースの利用相談などが可能だ。
またイベント用スペースも無料で使用することができ、これも日本企業も相談可能。(※ただしデジタルコンテンツ産業に属する企業である必要はある)
「ビジネス交流及びマッチング」についても日本企業との積極的な交流が模索されており、Digi+のスタッフによるニコニコ超会議などの日本のイベントの視察が予定されている。
筆者が訪れたのは、コロナウイルスの影響で台北ゲームショウが延期になった直後で、館内には消毒用スプレーが置かれ、人もまばらだった。
「台北ゲームショウの期間に合せた交流会イベントも準備していたが、それも延期になってしまいました」
とは、孩雅多氏と一緒に館内を案内してくれた資訊工業策進会のCarrie氏。
今回は延期になってしまったが、このように官民一体となった産業促進の試みが継続的になされているのが、台湾デジタルコンテンツ産業の特徴と言えるだろう。
台湾は日本と比べるとゲーム産業の規模は小さいと言える。しかし、丁寧で温かみのある支援は非常に魅力的だ。加えて日本とのコラボレーションに積極的な台湾は、日本から東南アジア、大陸中国を見据えたときに、ベースとして有力な候補と言えるだろう。
SQOOLでは引き続きDigi+の活動に注目していく予定だ。