ところにょり氏新作、2人プレイ専用の不穏なパズルアドベンチャー「違う冬のぼくら」【Bitsummit2022レポート】
著者:ちゃんたく
8月6日~7日、国内最大級のインディーゲームイベント「BitSummit X-Roads」が京都のみやこめっせで開催されました。
この記事では、講談社ゲームクリエイターズラボブースで展示されていた「違う冬のぼくら」を紹介したいと思います。
「違う冬のぼくら」は、2人プレイ専用のパズルアドベンチャーゲームです。
「ひとりぼっち惑星」などの作品を手掛けたところにょり氏の最新作で、インディゲーム支援プロジェクト「講談社ゲームクリエイターズラボ」の支援を受けて開発されています。
プレイヤーはそれぞれ家出をした少年となり、ある目的のために山の頂上を目指します。画面は2人共通ですが、それぞれ別の端末でキャラクターを動かしていきます。
2人プレイ専用というだけあり、道中は高い壁や崩れる橋などの障害物が行く手を阻んでおり、2人で協力しなければ乗り越えられないステージになっています。
ゲーム中に必須となるのは、相方とのコミュニケーションです。2人の役割をしっかり決めた方がいい場面が多いので、「ここは私が先に行く」「僕はここで支える」といった掛け合いが自然と生まれます。
2人で知恵を出し合い、成功の喜びを共有しあうことで、いつしか物語へ没入していました。協力する過程を経ることで、「2人で一緒に家出をしている」という世界観が自然に馴染んでいるのです。
(注:ここから先、序盤の物語のネタバレを含みます。ここからのネタバレは展示ポスターにも描かれており、ネタバレをしても大丈夫という確認も取っていますが、これ以上は予備知識なしでプレイしたいという方はバックしてください。)

さて、ここまでは良質なパズルアクションゲームを遊んでいるだけにみえます。しかし、ステージを進めていくと何やら鹿の死体のようなものが画面に映ります。
死体を初めてみたという少年たち。すると少年たちは途端に意識を失い、その場に倒れこみます。なんだなんだと焦っていると、なんとも形容しがたい奇妙な生物が現れます。
さっきまでのほのぼの協力プレイとは打って変わって、なにやら不穏な空気が漂い始めました。
そのまま次のステージに移行し、今の生物は何だろうと思っていると、一緒にプレイしてくれた講談社の方が「こっちの画面を観てください」と一言。
すると、衝撃の事実が発覚。なんと、自分とお相手の画面に映っている世界がまるで違うではありませんか。
同じシーン、同じ発言のはずなのに、見えている世界がまるで違います。
片方の画面は少年たちが可愛らしい動物の姿になっていますが、もう片方は退廃的な雰囲気が漂う怪しい生命体です。背景や色合いもまるで真逆。
思わず筆者も「え!?何が起きた!?」と感想が漏れたところで、体験版が終了。
ところにょりさんの作品がこのままパズルをしていくだけで終わるわけがないとは思っていましたが、あまりにも続きが気になる謎を残していきました…。
ここから先、「2人の見えている世界が違う」という要素が、どのようにストーリーやパズルに影響していくのか、今から楽しみでなりません。
「違う冬のぼくら」はSteam、iOS、Android向けに2022年内に発売予定とのことです。