中華系のインディーゲームイベント、WePlayとG-EIGHTは日本タイトルも出展すべいいイベントだった!
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
9月以降はアジアのインディーゲーム業界は忙しい。特に今年は忙しい秋になった。東京ゲームショウが終わると、東京ゲームダンジョン、デジゲー博が東京で開催され、そのあと上海のWePlay、同時に釜山のG-Star、そして台北のG-EIGHT。
インディーゲーム界隈のマーケター、パブリッシャーにとっては参加必須のイベントが多く、少なくとも筆者は東京ゲームショウから息つく暇もなく年末を迎えつつあります。
ちなみに来月2025年1月には台北ゲームショウがあり、2月には東京でまた東京ゲームダンジョン、3月は大阪でゲームパビリオンと吉祥寺でインディーゲームサミットなどなど、日本近隣だけでこれだけ多くのゲーム系のイベントが開催されます。
この記事では、上海WePlayと台北G-Starの様子について、2つの中華系インディーゲームイベントを比較するでその様子をお届けします。
中国最大のインディーゲームイベントWePlay
毎年上海で開催されるWePlayは、2017年にインディーゲームのイベントとして発足し、今年で8年目を迎えます。もともとはインディーゲームのイベントとして始まったWePlayですが、現在はインディーに限らずゲーマーに寄り添ったゲームイベントとして成長したいという姿勢が伺えます。しかし、依然インディーに寄り添ったイベントとしてゲームファン、インディーゲーム関係者の双方からの人気を獲得しています。
同じ上海では大型のゲームイベントとしてChinaJoyがあり、そこにもインディーゲームコーナーがありますが、WePlayはインディーゲーム界隈のメンバーが運営しているとあって、雰囲気がとても良い感じです。
日本からもファミ通や集英社、松竹、Neos、Asobism、SmileBoom、G-MODE、Wakuwaku Games、インディーゲームサミット、などなど、色々な団体から様々なタイトルが持ち込まれていました。
意外と日本勢も頑張っているという感じですが、主催側に聞いたところもっと参加してほしいとのことで、中国の市場の規模を考えると確かにもう少し日本のタイトルがあってもいいな、という感じがします。
ちなみにスイスやカナダのゲームブースもあり、出展タイトルは国際色豊かで、WePlayが国際的なイベントに成長しつつあることが分かります。出展されていたブースはどこも多くの人を集めていて、中国に向けたインディーゲームのPRの場としてはとても良いのではないかと思います。
ちなみにSQOOLは前夜祭的なパーティーで登壇させていただき、SQOOL GAME AWARDの宣伝をしたところ、中国から30を超えるタイトルが殺到しました。曰く、日本市場に興味を持っているゲーム開発者やパブリッシャーは多いものの、日本で露出するきっかけをなかなか掴めずにいるところが多く、オンラインのゲームアワードなどはとても需要があるとのことでした。
このような状況を踏まえ、来年のWePlayではSQOOLもメディアとしての参加だけではなく、何かサービスと共にブースも出せないかな?と考えています。
3年で急成長した台北の人気イベントG-EIGHT
こちらも初めての参加となった台北のインディーゲームイベント、G-EIGHT。
今年3回目の開催となるG-EIGHTですが、筆者と同じく特に日本人は今回が初参加という方が多かった様子。一昨年前の1回目が非常に好評で昨年その噂を聞き、今年初めて参加した、というパターン。日本から来やすい台北ですが、イベントの規模としてはWePlayよりも少し小さいため日本の参加者もまだまだ少なく感じました。
このイベントは実は主催がゲーム関係者ではなく、台湾のインフルエンサーという珍しいイベントです。それゆえ、ゲームイベントとしてのPRはまだ限定的のようで、現地のゲーム関係者からその点に不安があるという言葉も聞かれました。しかしイベントとしては非常に良いもので、各ブースではゲームを熱心にプレイするゲームファンが多く見られました。
G-EIGHTが開催されるのは、台北の花博という古い展示会場で、かつてSUMMER GAME SHOWが開催されていた会場でもあります。
どことなく牧歌的な雰囲気のある会場では、週末はお出店が並ぶお祭りのような感じになっており、その中でのゲームイベント開催はちょっと他の国のイベントとは雰囲気が違います。
出展タイトルは台湾現地のタイトルがメインで、日本からはPLAYISMや集英社、BitSummitなどが参加していました。
こちらも日本勢はちょっと少ないかなぁという感がありましたので、今後の増加に期待したいところです。
台湾は日本との親和性も高く、そこに良質なインディーゲームイベントが誕生したのは非常に良いことのように思われます。メディアの参加数などを考えると、インディーゲームだけを対象にしたとしても台北ゲームショウに取って代わるほどではないと思いますが、今後、インディーゲームが繁体字圏を狙うなら台北ゲームショウとG-EIGHTには出展しないとね、という流れは十分にあり得るのではと思います。
ちなみにこのイベントでは私一人のために日本語でメディアツアーを開いてくれました。台湾のゲームイベントは特にメディアに対して手厚いと感じています。
またこのイベントはゲームイベントとしては珍しくアダルトゲームエリアも設置されていています。アダルトゲームエリアは完全に隔離されていますのであまり意識する必要はないと思いますが、参加をご検討される場合は一応認識しておくと良いと思います。