「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

 ゲームレビュー 
  公開日時 

 著者:ちゃんたく 

台湾のインディーズゲームスタジオ「SIGONO」が、2021年9月1日にSteam向けに発売した「OPUS:星歌の響き」。

「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

「OPUS:星歌の響き」は、広大な宇宙を探検しながら秘められた謎を解いていくアドベンチャーゲームです。
幻想的な音楽と東洋の雰囲気を持ったSFの世界観が特徴で、日本語のローカライズにも対応しています。

この記事では、全編をクリアしたうえでのレビューをお届けします。

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シナリオベースで展開される、少年と巫女の宇宙旅

物語の舞台は、宇宙の彼方にある太陽系「山塊」。

この世界では、膨大なエネルギーが眠る未知の惑星「龍脈」を巡り、様々な勢力による争いが続いていました。

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物語は、一族の復興の為に龍脈を探す没落貴族の少年「リバク」が、市場で起きたいざこざをきっかけに、巫女の「エイダ」と出会うところから始まります。

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巫女と呼ばれる彼女は特殊な能力を持っており、未知の惑星である龍脈の座標を「歌声」で探し当てることができると言います。

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「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム二人は成り行きでトラブルに見舞われてしまいますが、なんとか協力して無事に解決。互いに友好的な関係となり、「龍脈を探したい」という共通の目的から宇宙の旅が始まります。

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ここからは、ゲームの遊び方について紹介していきましょう。

ゲーム本編が始まると、「宇宙探索パート」と「惑星探索パート」の2つを交互に繰り返していくことになります。

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「宇宙探索パート」では、プレイヤーは宇宙船を操作し、様々な惑星へ立ち寄ります。その道中でアイテムや情報を集め、龍脈を探します。

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惑星間を移動する際、主人公たちと敵対する勢力と出会い、時には戦闘が勃発することがあります。燃料や装甲が0になると展開次第ではゲームオーバーになるので、常に万全の状態で宇宙を探索しましょう。

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龍脈の座標が分かったら、いよいよ「惑星探索パート」に入ります。エイダの歌声で龍脈を見つけ出し、リバクが惑星深部を探索します。

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惑星の探索では、道を塞ぐ門を開けるなどのパズル要素があり、巫女の歌声を録音した「巫女龍鳴」などを上手く操り、謎を解いていきましょう。

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本作品はあくまでシナリオベースのゲームであり、ストーリーを読み進めていくのが主な楽しみ方となります。

探索パートやパズル的な遊びがあると言いましたが、「宇宙を舞台に難解なアクションや謎解きがやりたい!」という方は、その点を留意してください。

言い換えれば、宇宙探索やパズルを簡潔に楽しみつつ、メインとなるシナリオを思う存分堪能できるゲームとも言えます。

「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

なぜ命を賭して龍脈を探すのか 過去を背負う彼女たちの人生を見届けてほしい

シナリオベースのゲームである以上、ゲームの根底であるストーリーについても、大きなネタバレにならない程度に触れておきたいと思います。

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今まであえて伏せていましたが、このゲームは冒頭、すっかり老人となった「リバク」がどこかの惑星に降り立つシーンから始まります。
つまり、これまでゲームで体験してきた事は、この老人リバクによる
過去の回想なのです。

「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

ゲーム終盤、回想が終わり再びこの時間軸に戻ってきます。
リバクは杖を突きながら、弱々しく歩きだします。それはゲーム冒頭と同じシーンなのですが、プレイヤーの見方は最初とは違うものに変化しています。

ここまで彼らの旅を見届けてきた今、年老いたリバクがどんな想いでこの地に降り立ち、歩みを進めているのかが痛いほど伝わってくるからです。

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「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

「OPUS:星歌の響き」は、決して明るいとは言えない物語です。
厳しい現実が否応なしに襲い掛かる過酷な世界で、このゲームの登場人物は皆、たくさんの悲しみや苦しみを背負って生きています。徐々に明らかになるエピソードを観るたびに、胸が締め付けられます。

「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

それでも、このゲームは一貫して「温かい」と感じるのです。それは、世界がどれだけ非常であっても、彼らは常に優しさで溢れているからです。

決して大きな力を持たない少年少女たち。それでも命を賭して龍脈を追い求めるその姿は、筆者の心を掴んで放しませんでした。

「OPUS:星歌の響き」宇宙を旅する少年と巫女を巡る、悲しくも温かいSFアドベンチャーゲーム

広大な宇宙で運命的に出会った二人による、悲しくも温かい一時の旅路。皆さんもぜひ、自分の目で物語の結末を見届けてください。

公式トレーラー(日本語)

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著者:ちゃんたく
eスポーツシーンを追い続けるゲームライターで、今は「ストリートファイター」界隈に夢中。生粋のラブライバーで、推しは星空凛、津島善子。
著者のTwitter著者のPIXIV