インディーゲームデベロッパーのための国際イベント「TOKYO SANDBOX」ってどんなイベント?主催者にイベントの趣旨を聞いてきた
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
4月13日(金)~4月15日(日)、浅草橋ヒューリックホールにて、インディーゲームの国際イベント「2018 TOKYO SANDBOX」が開催されます。
「TOKYO SANDBOX」は、ゲーム会社やゲーム新興企業と国際的な投資家やパブリッシャ―を結びつける事を目的としたイベントで、2015年に「Tokyo Indie Fest」という名前の小さなゲームショウとしてスタートしました。
東京で開催される国際的なインディーゲームイベントとして国内外の起業家、投資家、パブリッシャーから、高く評価され、3回目となる今年は規模を拡大して開催することとなりました。
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日本から海外へという機運がインディゲームでも高まる中、海外展開のノウハウの共有や海外とのコネクションを持てる場はまだまだ国内では少ないというのが現状です。そのような状況もあり、TOKYO SANDBOXはインディーゲームデベロッパーにとって非常に重要な場になりつつあると感じます。
TOKYO SANDBOXはどのような趣旨で開催され、インディーゲームデベロッパーは出展することでどのようなメリットを得らえるのでしょうか。主宰するkulabo株式会社の創業者、Kevin Lim氏(以下 Kevin)にTOKYO SANDBOXの理念や、これからのビジョンなどについて伺いました。
筆者:「まずTOKYO SANDBOXのイベントとしての趣旨について伺えますでしょうか」
Kevin:「TOKYO SANDBOXは2015年に小さなゲームショウとしてスタートしましたが、私たちはそれ以来、大手のゲームメーカーではなく小規模のゲームメーカーにフォーカスしてきました」
Kevin:「既存のゲームショウは大手のメーカーにフォーカスする傾向にありますが、私たちはTOKYO SANDBOXを中小のゲーム会社にとって有益な場にしたいと考えています」
TOKYO SANDBOXは、インディーゲームデベロッパーを支援することが第一の目的、とKevin氏。
筆者:「ゲーム産業を持つ国は多いと思いますが、その中でどうして日本を選んだのでしょうか」
Kevin:「日本は多くのゲームファンにとって特別な国です。世界中のほとんどの人は、ゲームは日本の主要な文化産業の1つと考えています」
Kevin:「同時に日本のインディーゲームは、西洋の状況と同じですが、まだ完全には成功していません。私たちはこれを注目すべき点だと考えました」
つまり、日本のインディーゲームはもっと飛躍する可能性があるとKevin氏は考えているというわけです。
筆者:「日本のインディーゲームの現状についてどう考えているかをもう少しうかがえますでしょうか」
Kevin:「日本のインディーゲームは海外のものと比べてとても個性的ですね。これは日本のガラパゴス症候群のメリットともいえます」
Kevin:「しかしこのガラパゴス症候群は、日本の起業家がマーケティングや財務、税理、提携契約などを軽視する原因にもなっているのではないでしょうか。本来起業家は家族にとっての父や母のような存在で、自身のビジネスにおける全てを考えるべき立場です」
Kevin:「日本の起業家は日本国内のネットワークや顧客に余りに頼りすぎていますが、本当は国際的なネットワークからもっと多くの利益が得られるはずです」
日本のゲーム市場の特異性や日本独自の商文化などにより、日本のゲームデベロッパーは国内市場で守られてきた、というのは筆者も感じるところです。それゆえに日本ゲームの海外展開はまだ本格的な動きができていないように感じますが、ゲームの品質自体は高いだけに、海外で成功するデベロッパーが今後増加していく可能性は十分にあります。
インディーデベロッパーにとって、TOKYO SANDBOXは海外展開への具体的なきっかけの1つになりそうです。
筆者:「TOKYO SANDBOX今年で3回目の開催となりますが、今回のポイントはどういったところでしょうか」
Kevin:「今回はライブストリーミング配信を利用して多くのゲームファンにイベントの様子を届ける予定です。日本トップのインフルエンサーを招待し、イベントやゲームの様子を配信してもらうように呼びかけました。ゲームクリエイターにとって、絶好のマーケティングの機会になるでしょう」
Kevin:「アニメや漫画のクリエイターも招待しました。ゲームはIPを用いた収益化との相性がとても良いので、SANDBOXがIPとゲームのコラボレーションを生み出す場になればと思っています」
筆者:「今年から会場が変わりましたね」
Kevin:「SANDBOXは2015年の発足当初と比べて大きく成長し、今年は多くの展示コーナーが設置されます。VRゲームのコーナーにも大きなスペースが必要です。ストリーミング放送もありますから、高速なネット回線も必要になりました。ですから、今年は新しい会場を見つける必要がありました」
Kevin:「浅草橋ヒューリックホールは秋葉原から徒歩10分で、近くに良いレストランもあります!」
筆者:「大きく成長したSANDBOXですが、インディーゲームデベロッパーにとってどのような場になりますか?」
Kevin:「TOKYO SANDBOXは草の根イベントのままです!イベントが成長したからといって、インディーゲームデベロッパーは無視される心配をする必要はありません」
Kevin:「会場を訪れるゲームファンは、SANDBOXはインディーゲームのイベントだとすぐに気づくはずです。SANDBOXには海外のゲームも出展されますが、70%は日本のゲームです。大規模ゲームが訪問者を奪い取ることもありません」
TOKYO SANDBOXはあくまで日本のインディーゲームデベロッパーに焦点を当てたイベントだと強調するKevin氏。
Kevin:「ゲームクリエイターとゲームファンの皆様のご支援に感謝します!私たちは良いゲームイベントにすることに全力を尽くします。4月14日と15日に浅草橋でお会いできることを楽しみにしています!」
日本のインディーゲームデベロッパーを支援する目的で開始され、それを継続しているTOKYO SANDBOX。日本のイベントでありながら国内外の起業家、投資家、パブリッシャー、そしてインディーデベロッパーやゲームファンと繋がれる貴重な場となるでしょう。
インディーデベロッパーの皆様は、是非出展を検討してはいかがでしょうか。
※出展申し込み締め切りは2018年2月28日12:00まで
出展エントリーURL
http://tokyosandbox.com/front/2018-exhibitor-application/
Tokyo Sandbox公式情報
日本語/英語:http://tokyosandbox.com/