SQOOL GAME AWARD大賞の「深夜のラーメン」はどうやって生まれたのか!?開発スタジオにインタビュー
公開日時:
著者:ちゃんたく
深夜のみ営業するラーメン屋の見習いスタッフとして、訪れるお客さんと交流していくナラティブダイアログゲーム「深夜のラーメン」。
2024年7月24日にSteam版がリリースされ、死や別れといった重いテーマを扱いながら、優しく温かみのあるストーリーが多くの共感を呼んでいます。また、SQOOLが開催するインディーゲーム表彰イベント「SQOOL GAME AWARD 2024 WINTER」では大賞にも選ばれました。
SQOOLでは、「深夜のラーメン」を開発したCointinue Gamesにインタビューを行ない、ラーメンをテーマに選んだ理由から「深夜のラーメン」の続編の構想まで、様々なお話を伺いました。
「深夜のラーメン」開発スタジオ Cointinue Gamesにインタビュー
日本のゲームメディアのSQOOLと申します。よろしくお願いします。
まずは「SQOOL GAME AWARD 2024 WINTER」大賞、おめでとうございます!
早速ですが、最初はどのような考えで「深夜のラーメン」を開発されたのでしょうか?
私たちは非常に小規模なスタジオでして、現在正社員は1人だけです。美術やシナリオは協力体制で進めています。
さまざまなジャンルのゲームを試してみたい気持ちもあったんですが、開発リソースが限られていることと、最初のゲームの開発期間を長引かせたくなかったので、ビジュアルノベルというジャンルを選んで挑戦することにしました。
小規模ならではの戦略として「深夜のラーメン」が生まれたんですね。
「深夜のラーメン」は、ラーメン屋台が物語の舞台になっていますよね。
日本出身ではないにもかかわらず、日本のラーメンをテーマに選んだ理由は何でしょうか?
開発メンバー全員がラーメンが好きだったからかもしれません(笑)。
ナラティブ系ゲームを作る方向性が決まった際に、真っ先に思い浮かんだのが「深夜食堂」シリーズや「Coffee Talk」シリーズといった、私たちが大好きな作品でした。
開発コストを抑えるために、物語の舞台を店舗内に限定すれば、美術のリソースを大幅に削減できるという考えもありました。
関東煮(おでん)、ラーメン、居酒屋などで悩んだ結果、視覚的にわかりやすいラーメン屋台を選びました。
開発に向けて店舗のリサーチもたくさん行い、その結果、メンバー全員少し太ってしまいました(笑)。
ラーメンは美味しいですからね!
良いゲームを開発するためには、少しぐらい太るのも仕方ありませんね…!
「深夜のラーメン」の開発過程で最も困難だった点は何ですか?
おそらくプログラミングの作業でしょう。現在スタジオの正社員はプランナーだけで、プログラミングの基礎知識はありませんでした。
「深夜のラーメン」を開発するために多くの努力を重ね、新しいことをたくさん学びました。
技術的な制約もあったため、最終的にこのゲームの内容は現在の形でしか表現できませんでした。
多くのプレイヤーがこのゲームをレストランシミュレーションだと誤解しているようですが、それについてはどう捉えていますか?
確かに、それについては少し困っています。現在このゲームはSteamで販売していますが、ゲームのジャンルとして「ビジュアルノベル」や「対話型」のタグを明確に設定しています。
それでもストアページのスクリーンショットやを見ると、ラーメン屋台の経営ゲームのように見えるため、純粋にラーメン作りを楽しみたくて購入されたプレイヤーが少なくありませんでした。
プレイヤーの誤解を招いてしまい、本当に申し訳なく思っています。次回は、このような誤解を避けるための工夫をしっかり行いたいと思います。
「深夜のラーメン」の背景となる世界観は非常に複雑そうですが、シリーズ作品として続編は考えていますか?
はい、引き続き開発を進める予定です。「深夜のラーメン」の世界観は、物語を書く前の段階で既に決まっていました。
プレイヤーの皆様に、さらに多くのストーリーをお届けできればと考えています。
次作のシナリオの準備は既に開始しています。異なるゲームプレイを試す予定で、店舗経営や対話に限定されない内容になります。どうぞご期待ください。
分かりました。続編の制作が今から楽しみですね!
他にも「締切ヒーロー」を制作されているようですが、こちらはナラティブ系のゲームではないんですか?
はい、「締切ヒーロー」は少し違った試みをしたいと思っています。
「締切ヒーロー」は放置型ゲームで、生産性ツールのポモドーロタイマーと組み合わせたものです。
このアイデアは、「深夜のラーメン」を開発している時に陥った「締切症候群」(笑)から着想を得ました。
このアイデアは、「深夜のラーメン」を開発している時に陥った「締切症候群」(笑)から着想を得ました。
このゲームを通じて、PC作業者の効率を上げつつ、楽しく取り組めるツールを目指しています。
「締切ヒーロー」もとても楽しみですね!
私たちはまだ若いチームで、リソースも決して十分ではありませんが、自分たちが好きなゲームだけを作っています。
これからも私たちの作品を皆さんと共有できるよう努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします!