ChinaJoy2025はAIや国際協業の強化などがポイント、公式発表に見るChinaJoyの現在地
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
2025年6月24日、「第22回中国国際デジタルエンターテインメント博覧会(ChinaJoy)」の記者会見が上海・浦東のケリーホテルにて開催されました。会見では、本年のChinaJoyが8月1日〜8月4日にかけて上海新国際博覧センターにて開催されることが正式に発表されました。
その中で、ChinaJoy運営としての今年のポイントが発表されましたので、要約して掲載いたします。
1.AI技術の革新
世界を席巻するAI技術ですが、ChinaJoyもAIに注目していることを正式に発表。
かつては決済サービスやブロックチェーン、メタバースなど、世界の潮流にある程度沿う形で市場のトレンドが起きてきていた中国ですが、独自の市場特性を持つ中国では各トレンドもまた独自の変形を遂げることがあります。
AIがどのように中国で浸透していくかは筆者としてもとても興味があります。
2.ComicJoy クリエイターランド
ComicJoy クリエイターランドが初めて登場するという発表がありました。
ステージ、招待フォトグラファー撮影エリア、アーティスト&コスプレイヤーサイン会エリアなどの複数の機能エリアを設け、ライブパフォーマンスやクリエイター交流、物販委託を通じて若年層の参加と創作意欲を刺激する、とのこと。
日本と同じく、作り手側にもっとフォーカスする、という流れが起きています。インディーゲームの潮流が影響を与えているのだろうと考えられます。
3.デジタルエンタメ製品の発表プラットフォームの構築
具体てきたところはこれからのようですが、プラットフォームへの言及がありました。
Steamのようなゲームプラットフォームなのか、あるいはChinaJoyとしてのビジネスハブをより強化するということなのか。
いずれにしてもなかなか興味深い発表です。
4.国際協業の強化とビジネスマッチング
この領域はChinaJoyの価値の本懐でもありますが、今年はBtoBエリアにおいて過去最高を記録する、とのことです。
中国においてはBtoCのイベントの役割が変遷しつつあり、その中でChinaJoyが再びBtoBへのリーダーシップを取ることは、私のような日本のゲーム業界関係者にとっても良いことと言っていいでしょう。
中国全体のゲーム市場を俯瞰的に見ることができるChinaJoyにおいて、ビジネスマッチングのしくみは間違いのない強みでしょう。
5.Alipay(アリペイ)との連携
Alipay(アリペイ)との連携によるサービスの提供を開始とのことです。決済以外にもさまざまな情報をAlipay(アリペイ)と連携させることによって、管理の負荷軽減を図り、出展者や来場者にとっても利便性を高める、というものでしょう。
外国人のAlipay(アリペイ)アカウントでも利用できるのかはまだ不明ですが、Alipay(アリペイ)は日本のクレジットカードとも連携できるなどここ数年で外国人にとっての利便性も大きく向上しており、実際どうなのかが楽しみですね。