2020年10月の中国モバイル市場概況、カジュアルゲームのDL数は前月比で11%増、Ohayooは今月も中国1位
※本記事はOhayooの許可のもと、Ohayooの月次ニュース記事を日本語に訳したものです
1.中国市場アップデート
1.1 市場概要
2020年10月の中国におけるiOSによるカジュアルゲームのダウンロード数は4,170万件で、前月比11%の増加。モバイルゲーム市場全体のダウンロード数は7,741万件で、前月比4%の増加となりました。中国国慶節による連休期間のモバイルゲーム市場の活況を反映した形となりました。
1.2 ゲームトレンド
新作ゲーム3タイトルが初登場でトップ10入り
PapaBoxによりリリースされた『Internet Cafe Simulator』が中国のダウンロードリストで1位を獲得。シミュレーションと放置系のプレイ要素を融合させたゲームであり、中国国慶節の連休期間にユーザー獲得のための広告戦略を積極的に採ったことが功を奏した形となりました。
5位にランクインしたのは『Mr. Bone』。カジュアルシューティングゲームにローグライクの要素を加えたゲームで、Douyinで592万人以上のフォロワーを持つ有名なMr.Boneによるオフィシャル公認を受けています。
換金機能を持つゲームである『Idle flower』が10月に7位を獲得。
シミュレーション系が人気のトレンドに
ダウンロードリストでランクインした3つのゲームタイトル『 Internet Cafe Simulator』(第1位)、『Homescapes』(第8位)、『Gardenscapes』(第10位)、および増分ダウンロードリストでランクインした『Idle Prison』 (第4位)、『Idle Ants』(第5位)、『Foil Turning 3D』(第6位)はすべてシミュレーション系ゲームでした。
カジュアルゲームのダウンロード数トップ10(2020年10月)
ゲーム | ジャンル | ダウンロード数[1]/百万 | 成長率[2] | パブリッシャー |
Internet Cafe Simulator | シミュレーション | 1.44 | 28359% | PapaBox |
Draw Defence | ハイパーカジュアル | 0.81 | 27% | JP Games |
Anipop | パズル | 0.71 | 5% | Happy element |
Pin Rescue | ハイパーカジュアル | 0.68 | -12% | Ohayoo |
Mr. Bone | カジュアル&シューティング | 0.65 | 391% | Ohayoo |
Happy Poker | カジュアル&カード | 0.57 | -1% | Tencent |
Idle Flower | 放置&換金 | 0.56 | 321% | Yerui Chen |
Homescapes | パズル&シミュレーション | 0.49 | 12% | Playrix |
Plants Zombies 2 | カジュアル&タワーディフェンス | 0.47 | 10% | PopCap |
Gardenscapes | パズル&シミュレーション | 0.47 | -22% | Playrix |
*注
[1]:iOSのみのダウンロード数を集計。 [2]:カジュアルゲーム市場の平均(11%)よりも増加率が高いものを緑、増加率の低いものを赤で表示。新規でリリースされたゲームにおいては増加率の算出は不可。 |
カジュアルゲームの増分ダウンロード数トップ10(2020年10月)
ゲーム | ジャンル | ダウンロード数[1]/百万 | 成長率[2] | パブリッシャー |
Internet Cafe Simulator | シミュレーション | 1.44 | 28359% | PapaBox |
Mr. Bone | カジュアル&シューティング | 0.65 | 391% | Ohayoo |
Idle Flower | 放置&換金 | 0.56 | 321% | Yerui Chen |
Idle Prison | シミュレーション | 0.43 | 495% | Ohayoo |
Idle Ants | 放置&シミュレーション | 0.27 | - | Madbox |
Foil Turning 3D | ハイパーカジュアル&シミュレーション | 0.24 | 836% | Gismart |
Beat Monster nb | タワーディフェンス&換金 | 0.22 | 1444% | Wen Lian |
Park Master | ハイパーカジュアル&パズル | 0.33 | 155% | KAYAC |
Hurry Up! | ハイパーカジュアル&.io | 0.21 | 2409% | Bingshi |
SudoCube - Block Puzzles Games | パズル | 0.21 | 922% | ReJoy Studio |
*注
[1]:iOSのみのダウンロード数を集計。 [2]: カジュアルゲーム市場の平均(11%)よりも増加率が高いものを緑、増加率の低いものを赤で表示。 |
1.3 トップパブリッシャー
トップパブリッシャーの順位はこの数ヶ月の間かなり安定
10月も8社のパブリッシャーが、7月以来のダウンロードリストのトップ10をキープ。
新たなパブリッシャーであるPapaBoxは『Internet Cafe Simulator』の成功により3.8%の市場シェアを獲得し、成長率は756%を記録。しかしながら、このゲームがPapaBoxの全ダウンロード数の91%を占めているため、トップ圏内を維持できるかを依然1タイトルのみに頼るという状況である。
トップ10パブリッシャーのダウンロード数は緩やかに減少
トップ10パブリッシャー全体の10月のダウンロード数は1441万件で、前月比9%の増加となり、カジュアルゲーム市場の増加率とほぼ同じ水準だった。
しかしながら、トップパブリッシャーによる10月の市場シェアは34.6%と、9月の37.1%に比べて微減が続いている。
カジュアルゲーム市場の中国系パブリッシャートップ10(2020年10月)
パブリッシャー | 代表作 | ダウンロード数[1]/百万 | 成長率[2] | マーケットシェア[3] | シェアの変化[4] | パブリッシャー |
Ohayoo | Pin Rescue | 3.35 | 16% | 20% | 8.0% | 0.3% |
Tencent | Happy Poker | 2.05 | -24% | 28% | 4.9% | -2.2% |
PapaBox | Internet Cafe Simulator | 1.58 | 756% | 91% | 3.8% | 3.3% |
Voodoo | Scribble Rider | 1.30 | -6% | 25% | 3.1% | -0.6% |
Lion Studios | Pull Him Out | 1.26 | 4% | 15% | 3.0% | -0.2% |
Playrix | Homescapes | 1.10 | -11% | 44% | 2.6% | -0.7% |
Crazy Labs | Foot Clinic | 1.07 | 4% | 28% | 2.6% | -0.2% |
Outfit7 | My Talking Tom 2 | 1.01 | 9% | 23% | 2.4% | -0.1% |
Happy Element | Anipop | 0.85 | 2% | 83% | 2.0% | -0.2% |
SayGames | Stealth Master | 0.84 | 2% | 25% | 2.0% | -0.2% |
カジュアルゲーム全体 | 41.70 | 11% | - | - | - | |
モバイルゲーム全体 | 77.41 | 4% | - | - | - | |
*注
[1]:iOSのみのダウンロード数を集計し、各パブリッシャーのダウンロード数はカジュアルゲームの上位1,000タイトルのみを集計。 [2]: カジュアルゲーム市場の平均(11%)よりも増加率が高いものを緑、増加率の低いものを赤で表示。 [3]: 市場シェアはカジュアルゲームの上位1,000タイトルのみを集計。 [4]: 市場シェアの推移は10月の前月比における絶対値で、増加が緑、減少が赤で表示。 |
2.Ohayooアップデート
2.1 Ohayooの実績
10月はOhayooが中国でトップのパブリッシャーに
Ohayooは、中国におけるカジュアルゲームのパブリッシャーリストで再び1位を獲得し、総ダウンロード数は前月比16%増の335万ダウンロードを記録。ヒットタイトル『Pin Rescue』が好調であることと、健全なゲームの製品ポートフォリオを持っていることで、Ohayooによるトップの地位は安定しています。市場シェアでは、10月におけるOhayooのシェアは8%で、中国第2位のパブリッシャーによるシェアを3.1%上回っています。
2.2 ケーススタディ - Mahjong Supreme
『Mahjong Supreme』は、8月中旬よりプロモーションが開始されたカジュアル麻雀ゲームです。プロモーション開始以来、無料ダウンロードリストでは7位にランクインし、iosのダウンロードリストでは20位以内をキープし続けています。ユーザーパフォーマンスが抜群に良く、注目に値するほどの利益をもたらしています。
プロジェクト立ち上げ段階
まずユーザーの性質を理解することから開始
私たちはまず、最も素朴な疑問である「誰が、いつ、カジュアルゲームをプレイするのか」について調査を開始しました。調査の結果、カジュアルゲームを遊ぶ人は、ゲームを始める時に特別な理由やモチベーションを持たないことが多いことがわかりました。余暇時間を充実させるために遊ぶ人が半数近くを占めていて、プレイ時間の長さについても4割近くの人が「退屈な時にカジュアルゲームをプレイしている」との回答を得ました。そのため、プレイヤーが比較的短い時間で快適なゲーム体験を得られることをカジュアルゲームの設計目標とするのは、さほど難しいことではありませんでした。
カテゴリー選択 - アクティブ時間に注目
チェスやカードゲームのサブカテゴリーである麻雀には、オンラインプレイヤーがたくさんおり、トップ50の麻雀ゲームのMAUは7000万人に達しています。チェスやカードゲームのユーザーはゲームの定着率が高く、さらに一般的にアクティブ時間が長いため、広告収益化を図るための優良なベースが形成できます。
COVID-19の影響により、チェスやカードゲームをオフラインで遊ぶ多くの人々のニーズがオンラインに移行し、チェスやカードゲームを遊ぶのに時間を使うユーザーの割合は、2019年1月の31.4%から44.1%へと急上昇しました。
バージョン最適化段階
ユーザーが真に望むゲームを開発
開発者が初期の段階で提出した最初のバージョンは換金要素が組み合わさった麻雀ゲームでしたが、テストにおける結果は平凡でした。プロジェクトチームと深いコミュニケーションを重ねた末に私たちは考え方を改め、換金を通じてユーザー価値を得るという発想から、プレイヤーに高品質な麻雀ゲームを提供する方向へとシフトしていきました。方向性が決まった後は、この目標に向かってゲームの最適化を進めていきました。そしてテスト上の数値は急上昇を続け、ついに業界最高水準にまで達することとなりました。
ニーズに合わせて難易度を低減
ユーザーの性質を理解し、これらに「暇つぶし」「ストレス発散」「ワクワク感」というようなシンプルなタグ付けを行いました。これらの性質を持つユーザーはゲーム内であまり失敗しすぎることを好まず、コンテンツに対する強いニーズと要求度が高いフィードバック持つことが分かりました。
牌を配ったり引いたりする時の駆け引きを絶えず最適化していくことで、麻雀を遊ぶ難易度を大幅に下げ、短時間で何手でも打てるようにしました。