ゲームと教育性の融合?スマホゲームでの「学習」「教育」からシリアスゲームの発展へ
著者:KK
今週の土曜日と日曜日、いよいよ「第6回シリアスゲームジャム 」が開催されます。
http://www.mediadesignlabs.org/SGJ6/
シリアスゲームとはエンターテインメント性のみを目的とせず、教育や社会問題の解決を主目的とするゲームのこと。
筆者は子供のころ、ファミコンゲームの「桃鉄」で日本の形と都市の名前を覚えた経験があり、ゲームと教育は非常に相性が良いものだと考えています。
しかし、日本ではいろいろな理由からゲームと教育との融合は進んでいません。
一昨年、フィンランドで教育ゲームアプリビジネスをやっている経営者と話したとき「日本はゲームも教育も一流で社会的関心も高いのに、なぜゲームと教育が融合しないのか」と言われたな。ゲームは教育を阻害するってのは本当に悪しき固定観念だと思いますよ。 https://t.co/giffZsvzUw
— Kenji Kato加藤賢治@SQOOL (@kenjikatou) 2017年2月19日
理由の1つは教育が神聖視されているという文化的土壌、もう1つは日本における学習がまだまだ受験に寄っているためゲームはどうしてもそれを阻害してしまうという一般的な認識、これらがゲームと教育の融合が進まない原因ではないかと思います。
ではシリアスゲームの、ゲームを社会問題解決に生かすという側面はどうかというと、例えばそれはVRによるバリアフリー体験などがありますが、日本においては「ゲーム脳」という言葉があったように「ゲームこそが社会問題を生む」という考えが少し前までは一般的で、こちらもまだまだ文化的な認知の改善には時間がかかりそう、という感じがします。
とはいえ徐々に状況は変わりつつあります。今週末に開催さ入れるシリアスゲームジャムでは
1. 2020年の学習指導要領改訂による小学校の英語学習の導入に伴う、家庭における親子で行う英語学習の機会の必要性向上
2. 核家族化が進み、両親の共働きによる親子のコミュニケーション時間の減少
という日本における2点の課題について考え、それを解決する手段としてのゲーム開発が行われます。
シリアスゲームジャムは主催がDiGRA Japan、会場は(株)ジェイ・クリエイション、実行委員は日本大学生産工学部と、産学連携の取り組みとしても意義深いもので、今後の動きにも期待したいところです。
ゲームの基本的な面白さは、「自身の価値が上昇」することにあり、これは例えばアクションゲームであればスキルの向上により難しいステージをクリアできるようになったとか、RPGであれは敵を倒してレベルを上げてボスに勝てるようになるとかそういうものですが、まさにこれは「英語が少しずつ話せるようになる」という「自身の価値の上昇」という体験と同じです。シリアスゲームジャムで、参加者がこの「面白さ」をどこまで表現できるかが非常に楽しみです。
筆者はゲームと英語学習の組み合わせについては、スマホと相性が良いのではないかと考えています。手元のスマホで空き時間にいつでもプレイできるという特長は継続的な学習が必要な英語学習に向いているでしょう。
まもなくリリースされる予定の「waken」のスマホゲーム、「もぐらたん - 英単語探索パズルアクション -」はまさにこの相性の良さを直接的に体現したものといえます。
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また12月12日には学研からも、「アルファベットストーンズ」というスマートフォンの英語学習ゲームがリリースさています。
https://gk-zemi.jp/alphabet-stones/
当面日本では、「アプリゲーム」と「学習&勉強」の融合から、シリアスゲームの発展へと向かっていくのではないかと思います。