ウザイ広告排除でゲームメディアはキレイになるのか?5月10日からChromeが「Better Ads Standards」非準拠サイトの広告をブロック
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
ゲームメディアといえばウザイ広告。
そのような状況が一変しつつあります。
Googleは、
「Better Ads Standards」に準拠しない広告をGoogle Chromeでブロックする
と宣言しました。
これが日本では5月10日から開始されるのです。しかもどうも広告単位ではなく、サイト単位で適用されるようです。
何を言っているかよく分からないという方が大半だと思いますが、すごく要約して説明すると、
5月10日以降Chromeはウザイ広告を掲載しているサイトの広告は表示しないようになる
ってことです。
ウザイ広告というのは「Better Ads Standards」という国際的なルールで決まっていまして、例えば
こんな感じで前面に出てくる広告。
※インタースティシャル広告といいます
出し方にもよりますが、これはほぼダメ。
だいたいこのバツボタン、小さすぎて押せないだろうというね。
その他には、
これとか。
スマホ画面の下部に、すぅ~って浮かび上がってきて動く広告もダメ。
原則、動いたり、浮かび上がったり、点滅したりしてはダメ。
※動かないタイプのものは引き続きOKです
他にもいろいろあって、「広告が多すぎたらダメ」とか、「カウントダウンタイプはダメ」とか。ちなみにスマホだけでなくPCもダメです。
こういう「Better Ads Standards」に準拠していないダメなウザい広告を置いていたら、Choromeでは広告がブロックされるようになります。ユーザーにとっては超朗報ですよね。
アドネットワーク、SSPから一斉に、ウェブのオーバーレイ広告関して
『広告の位置を移動させる』、『クリック領域を改変する』、『広告を透過させた状態から浮き上がらせる』など、
規定フォーマット以外での掲載はすべて禁止となります。という通知が届いた。各社同じ文言。適用は5月10日から
— Kenji Kato加藤賢治@SQOOL (@kenjikatou) 2018年4月2日
メディアにとってみれば、ブラウザシェアの半分以上を占めるChromeでの広告ブロックは致命的ですから、従わざるを得ない、というわけです。
既に現時点でかなりの程度、ウェブの広告は大人しくなって来ていると思います。ウザい広告が多く実装されがちだったゲームメディア界隈は、特にその清浄化の傾向が顕著なように感じます。自発的な改善ではなかったのが残念ではありますが、外圧であれ何であれ、ディアを見に来るゲームファンにとって見やすい環境が整うのは良いことです。
さて、問題はここからです。
ウザイ広告は収益性が高いのです。おそらくChromeの広告ブロックをすり抜ける技術が出てきます。「Better Ads Standards」の穴を突くウザい広告フォーマットも出てくるでしょう。
ソーシャルゲームのピークアウトなどもあり、一昨年、昨年と多くのゲームメディアが閉鎖しました。ビジネスですから儲かっていれば閉鎖しません。ゲームメディアに多くのウザい広告が実装されていたこととソーシャルゲームのピークアウトは実は無関係ではなく、そしてその状況は今後も継続します。
一旦清浄化した後、また元に戻ってしまうのか、或いはそうはならずにより良い収益源を見つけ進化していくのか。ゲームメディア界隈は今、一つの岐路に立っているのではないかと思います。