台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

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 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

中華系のゲーム市場には簡体字圏と繁体字圏の2つがあります。簡体字圏は主に大陸中国のことで、繁体字圏は主に台湾、香港、マカオ等を指します。

繁体字圏は簡体字圏と比べると市場規模は小さいのですが、日本との親和性という意味では非常に価値の高い市場といえます。

さて、その繁体字圏での大きなイベントといえば台北ゲームショウですが、台北にはもう1つ勢いのあるゲームイベントがあります。それがこの記事で紹介する「G-EIGHT」です。

台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

G-EIGHTは毎年11月末から12月上旬に台湾の台北で開催されるインディーゲーム系の展示会です。今年で4回目の開催ですが、年々評判を高め知名度と共に規模も少しずつ拡大しています。

G-EIGHT公式サイト

台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

この記事では2025年12月12日(金)から12月14日(日)に開催されたG-EIGHTの様子をお届けしながら、その見どころをご紹介します。

まず会場について。
G-EIGHTの会場は台北の「圓山花博公園爭艷館」というところです。古い会場ですが台北駅から地下鉄淡水線で4駅という好立地。台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント 台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

週末には会場外の広場で市が開かれ、G-EIGHTのついでにそちらを楽しむこともできます。

そのような台北市民に人気の会場で開催されるG-EIGHTですが、特徴の一つとしてメディアへのホスピタリティーの高さは重要なポイントです。
G-EIGHTは台湾のインフルエンサーが中心となって立ち上げたイベントで、それもあってかメディアへの配慮が行き届いている印象です。
初日の金曜日は、一般の開場の前にメディアツアーが開催され、会場を一周しながら説明をしてくれます。なんと日本語担当もいて、日本のメディアにも対応しています。(メディアツアーに参加している日本のメディアは少なかったようですが…)

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そしてこの規模のイベントでは省略されがちなメディア専用のプレスルームもあり、専用のWiFiや飲み物も用意されていました。

さて、いよいよ展示ブースをご紹介しましょう。

日本からは、集英社、松竹、Grateekなどの常連のほか、レトロゲームぽいタイトルを展示していたキャット・ホイ商事、トークンを太ももで挟む移植ゲームを展示していたSKOOTA GAMES、わくわくゲームズからパブリッシュ予定の「星爆狂騒夜:スターバースト・フィーバーナイト」、見た目的に攻めたブースのINDIE GAME SUMMITなど、多数の会社&タイトルが参加しました。

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地元台湾のスタジオはどうかというと、老舗のMillo Gamesさんや、台湾で今大人気の「活俠傳」などに加えて、新規に参加した新しいゲームスタジオも多く見られました。

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台湾はインディーゲームの開発の土壌はありながらも、市場として繁体字圏だけでは小さく、インディーに特化したパブリッシャーも少ないことからここ数年は勢いが落ちていると感じていましたが、今年になってかなり勢いが戻ってきている様子。

これは台湾のゲームデベロッパー界隈が中心になって立ち上げた「GAMEWORKS」の支援によるところが大きいと思われます。

そのほかにも中国からは人気パブリッシャーの2PGames、東南アジアからはフィリピンのBashika Gamesなども出展しており、アジア地域を中心にG-EIGHTは国際的なイベントに成長したといえます。

台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

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G-EIGHTは日本からも参加しやすい海外のインディーゲームイベントで、新しいインディーゲームを発掘したい方には間違いなくお勧めのイベントです。

ここから先はG-EIGHTで見かけた気になるゲームをご紹介します。

Immune Simulator Type Z

台湾で注目のインディーゲーム系イベント「G-EIGHT」は新しい台湾ゲームが見つかる宝箱のようなイベント

台湾のMillo Gamesさんの新作「Immune Simulator Type Z」はレトロなブラウン管を模した画面でゾンビを倒していくパズルゲーム。カードを動かすシンプルな操作性ながら、武器や防具、敵の強さなど様々な要素を組み合わせて先を読む必要があり奥が深いゲーム性になっている。

ルビナイト

敵を普通に攻撃するのではなく、観察してゲージを貯め、タイミングを見極めて攻撃を叩き込む、という変わったシステムのアクションゲーム。
こういった変わったシステムは操作性に慣れるのに苦労するものが多いが、ルビナイトは操作がわかりやすく、初心者でも簡単に大ダメージを与えられるように工夫されている。
それでいて歯応えがある難易度に調整されており、やりごたえは十分。

アニマロイドガール

ケモナーにはたまらないビジュアルの「アニマロイドガール(獣人化少女)」がG-EIGHTのTOKYO INDIE GAME SUMMITブースに出展されていました。
日本と台湾は色々なところで文化が近いのですが、癖という点でも近いところがあり、おそらく台湾のケモナーの皆様にも刺さるでしょう。

MONOWAVE

こちらは韓国のStudioBBBが手がけるタイトル。
感情を使い、伝播させることでステージを攻略していく2Dアクションゲーム。
独特の色使いと、感情をテーマとしたテキストのないゲームの構造が独創的です。
G-EIGHTではUKIYO STUDIOが代理出展していました。

夢幻桜楼閣

松竹ゲームズからパブリッシュ予定の日本のインディータイトル「夢幻桜楼閣」。
可愛いルックと小気味良いアクション、和風の世界観でリリースが期待されるタイトルです。
猫耳ギャルとローグライトの組み合わせがどのような完成系になるのか楽しみです。

Peacemaker: Bloody Emperor

本格的なJRPGを踏襲した「Peacemaker: Bloody Emperor」。スーパーファミコンで育った世代には刺さるであろうタイトルです。
残念ながら日本語版がないのですが、それでも頑張って遊んでみたいと思わせるビジュアルです。
日本への対応を期待しましょう。

Lover Interface

台湾のインディーゲームクリエイターが1人で開発しているBLをテーマにしたビジュアルノベル。
独特の艶感があるグラフィックは必見。
日本の腐女子の為に是非日本語版が欲しいところですが、一人で開発している為ローカライズ対応は今のところ限定的。
理解のあるパブリッシャーの出現が求められます。

OPUS: Prism Peak

都市伝説解体センターをヒットさせた集英社ゲームズが次に力を入れているタイトル。
OPUSは台湾のSIGONOが手がける人気シリーズで、その最新作のOPUS: Prism Peakが集英社とのタッグでどのような物語になるのか、非常に楽しみな一作です。

ハイパー・ユーフォリア

ファミコン実機が置かれたレトロ感あふれるブースに展示されていた「ハイパー・ユーフォリア」は、本格的なミステリーアドベンチャー。
懐かしい90年台の雰囲気のビジュアルと、どんどん読めてしまう筆力の高いテキスト、そして百合。
色々なものが詰め込まれたタイトルで開発側の情熱が感じられるタイトルです。きっと台湾でもウケるでしょう。

Coffee Talk Tokyo

名作、Coffee Talk の続編、Coffee Talk Tokyo。
こちはなんと、パブリッシャーのコーラスワールドワイドがデベロッパーからの開発許可を得て自ら開発するという異色の座組で開発が実現したタイトル。
喫茶店付きの筆者としてはプレイ必須のタイトルです。
日本人チームが手がけるCoffee Talkがどのような形になるのか、とても楽しみですね。

病能探偵

台湾のインディーチーム「PHOSEPO」が開発する本格的なミステリー推理ゲーム。
台湾インディーは様々な名作アドベンチャーを産んできましたが、これも期待のタイトル。
嘘がつけない、左が見えない、顔が消える、などの登場キャラクターそれぞれの特性を利用して推理を行う必要があり、この世界ならではの不思議な感覚ががあります。
認知障害と殺害現場、そしてプレイヤー側まで侵食するミステリーを是非堪能しましょう。

超増税都市

どんどん増える税金に対抗できる街を育てる、パズル型ローグライトゲーム。
シンプルで奥の深い作りになっていて、電気ビルド、肉ビルド、動物ビルドなど、攻略方法の幅が広く何度も遊べる中毒性の高いゲームになっています。

日本のインディーらしい遊びやすいゲーム。

ストリッキュー:リズム・ラット・ランページ

フィリピンの開発チームが手がけるヴァンサバ系のローグライクアクションゲーム。
様々な派生系が存在するこのジャンルで、このゲームはリズムとの融合がユニークなポイント。
リズム系のヴァンサバは他にもある、と思ったかもしれませんが、ビート連動型コンバットという、「ビートに乗り続けたときだけ、攻撃や必殺技を繰り出せる」というシステムになっていて、ヴァンサバライクの爽快感がさらに増しています。

リズムウィッチ ビートオブデス

こちらもヴァンバライク+リズム系のローグライクアクション。
自キャラの周りに現れるノードをリズムよくクリックしていくことで攻撃をすることができ、ゲージを貯めればフィーバーモードで攻撃を乱打することができたりととにかく気持ちのいい作り。
音楽も非常に良いものが揃っているので是非音楽を楽しみにプレイしてもらいたい。

Cult of the Lamb

今や言わずと知れたインディーの名作。
教祖となって教団の勢力を拡大し、それによって能力を獲得。その能力で様々なステージを踏破し、教団の教えを広めていきましょう。
可愛い見た目ながら本格的なローグライクで、終わりなき教団の拡大に、気づけば時間が溶けてしまう危険なタイトルです。

文字遊戯

漢字だけで表現された世界で勇者として世界を救う本格派RPG。内容としてはよくあるものかもしれませんが、この世界は本当に漢字しかなく、でもその圧倒的な表現力に、感じの力と作者の執念を感じるタイトル。
ローカライズ不可能と言われた本作を日本語に対応させたのもまた執念。漢字を使う文化圏でしか遊べないタイトルで、これを遊べる数少ない言語圏のゲーマーであることに感謝しましょう。

City God Alice:城隍アリス

外国人が神として祀られた台湾の民俗伝承を元にしたゲーム。「ただ過去の歴史にアリスが登場するだけではありません」と開発者が語る通り、内容には深みがありかみごたえがあります。

脱出ゲームのような探索パートと、コマンド式バトルのようなボス戦があり、どちらも演出や設計にこだわりが感じられます。

スルタンのゲーム

アラビアンナイトの世界観で繰り広げられるターン制のリソース管理ゲーム。
毎週引いたカードの命令を達成しなければならないという名目の元、あらゆる行為が正当化されるので、真っ当な善人にもなれるしとんでもない悪人にもなることができます。シナリオ展開の自由度が非常に高く、毎回自分が思いもよらない選択肢が提示されるので、リスクと興味を天秤にかけたスリルを毎回味わうことができます。

夜明けの笛吹き者

不思議な世界で畑を育て、そこで育った作物や加工品を売って店を大きくしていく、農園+店舗経営シミュレーション。
しかし問題はその不思議な世界観で、ただのシミュレーションゲームとは言えないほどの膨大なテキスト量で描かれる絶望や死、錬金術。
その裏に潜んだ世界観が徐々に脳炎や店舗経営にも影響してくるのですが、どのように完結するのかが全く想像できないゲームです。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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