京都BitSummit2024参加レポート、気になったゲームを一気に紹介!!
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
京都で毎年開催される、日本最大のインディーゲームの祭典、BitSummit。今年は酷暑の中での開催となりましたが、その気温に負けない盛り上がりを見せました。
日本のインディーゲームの展示会の中では古参のBitSummitですが、今やインディーの枠を超えた展示会に発展しました。
この記事では、筆者が気になったブースをご紹介しながら、会場の様子をお届けいたします。
まず目に入ったのは、1階の会場に広く構えられていたアナログブースのコーナー。
このような展示のスタイルは台湾などでよく見られ、デジタルゲームとアナログゲームが融合したような雰囲気で羨ましく思っていましたが、日本でもBitSummitでこのように実現しました。
市場規模的にもゲームイベントの展示はどうしてもデジタルに寄りがちですが、ゲーム自体の価値としてアナログがデジタルに劣るということはなく、むしろ文化としてのゲームの土台とも言えるもので、このようにピックアップされることはとても喜ばしいことだと思います。
同じく1階の様子をご紹介しますと、NHKが実施する「神ゲー創造主エボリューション」が大きなブースを構えて多数のゲームを展示していました。
各ブースには多くの来場者が集まっていて、熱心にゲームを遊ぶ様子が見られました。
こちらは台北ゲームショウのブース。台北ゲームショウは日本からのゲームの誘致に熱心で、東京ゲームショウにもブースを出していますが、BitSummitにもこのようにブースを出しています。
台北ゲームショウは筆者おすすめの海外ゲームイベントの1つで、日本から近く、治安も良く、物価もまだ比較的安く、親日で、そしてゲーム性も日本に近いので、興味のある方は是非行ってみていただきたいと思います。
こちらは「にゃんこ大戦争」で知られる京都のゲームメーカー、ポノスのブース。
BitSummitの常連で今年も多くのファンを集めていました。
こちらはバンダイナムコが運営するインディーゲーム支援プロジェクト、「GYAAR Studio」のブース。
支援しているタイトルを多く展示していましたが、その中でも気になったタイトルをいくつか。
こちらは実力派のゲーム開発者、NukeninのWaken氏が手掛ける新作「Jelly Troops」。
対戦型のピクミンが出ないので、自分で作った、という通り、ピクミンぽいキャラを操って旗を取り合う、可愛い感じの対戦ゲームでした。
Waken氏曰く、もうちょっとテンポを良くしていきたい、とのことですが、現時点でもすでにかなりの面白さ。
完成を楽しみに待ちましょう。
もう一つ、GYAAR Studioでご紹介したいのはこちらも天才型のゲーム開発者、トモぞヴP氏が開発する「スゴイツヨイトウフ」。豆腐になれるゲーム、とのことでXでもプチバズりしていましたが、現場でも人気で多くの人が豆腐になるゲームを楽しんでいました。
続いては、ポノスと同じく京都といえば、という風格が出てきた、Room6と、そこから派生したブランド「ヨカゼ」のブース。
作家性の高いインディーゲームの開発会社、としての認知を確たるものにしたRoom6が今後どのようなチャレンジを行なっていくのか、気になるゲームファンも多いのではないでしょうか。
続いて、インディー、とはちょっと違う感はありますが、出版社としてのゲームビジネスに挑戦している集英社のブース。
都市伝説解体センターの黄色い看板が特徴的でした。
続いては台湾から来たインディーブースのコーナー。
こちらは台北ゲームショウとはまた違った団体である、nstitute for Information Industryという財団法人が支援しています。
「炎姫」「九日」という2つのタイトルを展示していましたが、どちらもかなり高い品質でした。
「炎姫」は日本の人気パブリッシャー、PLAYISMからパブリッシングされる予定のアクションゲーム。
日本のアニメに影響を受けたということで、そのグラフィックは日本ゲーマー好みに仕上がっていました。
「九日」は、話題のタイトルをリリースし続けるゲームスタジオ「RED CANDLE GAMES」の新作で、人気ローグライクアクションゲームDead Cellsにパリィシステムを融合させたような味付けで、やりごたえのあるアクションゲームでした。
続いてご紹介するのは、英単語の語源を学ぶ「Wild Wordopia -英語誕生-」というスマホアプリゲーム。
単純に英単語を覚えるのではなく、英単語の語源を学ぶというコンセプトで、ゲームとして面白いのはもちろん、言葉を学ぶステップの楽しさに気づかせてくれるタイトルです。非常におすすめ!
http://arsedutainment.com/wordopia/
こちらは、猫を探す僕せるのゲーム「Eye on the world」。
ジオラマの中に隠れている猫を探すゲームですが、開発者さんがジオラマが好きということで、その作りもなかなかのもの。ジオラマを眺めるだけで楽しい感じになっています。
続いてご紹介するのはBitSummit2024の大賞を受賞した「CASSETTE BOY」。高品質なゲームを手がける
Wonderland Kazakiriの新作は、RPG風のパズルゲーム。マップを回転させたり、という独自のギミックで、見えていないければ存在しない、という概念を駆使して進める新しい体験ができます。
こちらはスマートフォンからの移植ゲーム、「ねずみバスターズ」。基本的な作りはスマホ版と同じですが、Steam版はよりゲーム性を高めた要素も追加されているとか。
スマホ版が面白かっただけにこちらも楽しみです。
出版社の講談社が支援するインディーゲームタイトル、「Wabisabi : Sushi Derby」。可愛いお寿司がレースをするゲームで、とにかくコミカルで可愛い。どのようなゲーム性になるかが楽しみです。
こちらは今年1月に大ヒットしたパルワールドのブース。
ポケモンに似ているということで物議をかもしましたが、Steamのレビューは「非常に好評」を維持していすし、こうやって活動を継続しているのは素晴らしいと思います。
こちらは「バックパック整理系」のゲームとして人気の「バックパック・バトル」。筆者も何百時間も費やしてしまった良作で、ぜひみなさまにも触れていただきたいと思います。
最後にご紹介するのは「バックパック・バトル」と同じブースで見つけた「RP7」。こちらは今年の台北ゲームショウのインディブースで見かけてすごく面白いゲームとしてマークしていましたが、ビットサミットにも出展してくれていました。
可愛いキャラがマスを往復しながら冒険するローグライクゲーム。体験版も出ているのでぜひ見てみてください。
というわけで、ビットサミットに展示されていて気になったゲームを一気にご紹介いたしました。
冒頭で述べた通り、ビットサミットはすでにインディーゲームの域を超えたゲームイベントになっていますが、いろいろなゲームが集まる良質な展示会としての価値を発揮していました。
問題は暑い夏の京都で開催されるということですが、ゲーム界隈の夏の風物詩として今後も成長してほしいですね。