6年目を迎える人気パズルゲーム「キャンディークラッシュ」がユーザーに愛される秘密は?アートデザイナーのサンドラ氏インタビュー
公開日時:
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
昨年の11月14日に5周年を迎え、6年目の今も多くのゲームファンに愛されている「キャンディークラッシュ」。
元々はFacebookアプリゲームとして始まりましたが、2012年の11月にiOSアプリ版がリリースされて以降、カジュアルなアプリゲームとしては異例とも言える長寿タイトルになりました。
今年の3月には映画『絵文字の国のジーン』とのコラボイベントも実施され、今尚その勢いは健在です。
キャンディークラッシュの成功の秘密はどこにあるのか、SQOOLでは6年目を迎えたキャンディークラッシュのアートデザイナー、サンドラ氏にお話を伺いました。
キャンディークラッシュアートデザイナー、サンドラ氏インタビュー
遅くなりましたが、キャンディークラッシュ5周年、おめでとうございます!
日本のゲームメディアのSQOOLと申します。よろしくお願いします。
日本のゲームメディアのSQOOLと申します。よろしくお願いします。
早速ですが、サンドラさんはキャンディークラッシュのアートデザインを3年ほど担当されていると伺っています。
この3年を振り返っていかがでしたか?
この3年を振り返っていかがでしたか?
とってもエキサイティングな時期にキャンディークラッシュに参加できたと感じています。モバイルゲームとしては非常に大きなマイルストーンのレベル2,000のアートも担当できたのは良い経験でした!
レベル2,000のイベントはゲームチームにとって楽しいものだった事を鮮明に覚えています。
レベル2,000のイベントはゲームチームにとって楽しいものだった事を鮮明に覚えています。
その他にもキャンディークラッシュ5周年のアートを作った際もやりがいを感じましたね。モバイルゲームの5周年は、かなり大きなマイルストーンだと思うんですよね。
キャンディークラッシュ5周年動画
最近では新しく導入された「キャンディーペット』のデザインを担当したのですが、とっても可愛くて描くのが楽しかったですね!
ドラゴンの赤ちゃん(ディディ)がデフォルトなんですが、期間限定でコットンキャンディーの子羊、ラミーも登場しているんですよ。ラミーは私がデザインした子なんです!
ドラゴンの赤ちゃん(ディディ)がデフォルトなんですが、期間限定でコットンキャンディーの子羊、ラミーも登場しているんですよ。ラミーは私がデザインした子なんです!
キャンディークラッシュはキャンディーが一気に弾けるが気持ちいいですよね!この気持ち良さの演出で工夫している点はどんなところですか?
キャンディークラッシュの爽快感は万国共通ですよね!
ビジュアルエフェクトには非常にこだわっています。
パズルをクリアしていくゲーム性が何よりも大事なタイトルなので、ゲームプレイが輝くようにアートは最善のデザインを提供するべきだと考え日々描いています。
ビジュアルエフェクトには非常にこだわっています。
パズルをクリアしていくゲーム性が何よりも大事なタイトルなので、ゲームプレイが輝くようにアートは最善のデザインを提供するべきだと考え日々描いています。
例えばゲームボード上にどのキャンディーが配置されているのか一目で分かるように、デザインの識別にはとても気を遣っています。
全てはプレイヤーが簡単に、ストレス無くキャンディーをマッチして遊べるためにですね!
全てはプレイヤーが簡単に、ストレス無くキャンディーをマッチして遊べるためにですね!
自分のいるステージがすぐ分かるようにマップのデザインにも気を配っています。
例えば、去年の5月からマップのデザインが3Dになっているのですが、ボードゲームのような懐かしい雰囲気を残すために2Dっぽく見せているんですよ。
例えば、去年の5月からマップのデザインが3Dになっているのですが、ボードゲームのような懐かしい雰囲気を残すために2Dっぽく見せているんですよ。
あとはゲームプレイ中にマッチしたりアイテムを使用する度に達成感を感じてもらえるように魅惑的なビジュアルエフェクトを導入しています。
デザイナーチームが考え抜いて導入したゲームアートがキャンディークラッシュのゲーム性に相乗効果を付加し、世界中のプレイヤーに楽しんでいただけていたら嬉しいですね。
ありがとうございます。細部にもこだわってデザインしているんですね。
キャンディークラッシュはキャラクターや背景、音楽などがとてものんびりした雰囲気ですよね。日本のゲームにはあまりないような。
どうしてこのような雰囲気になったんでしょう?大人も子供も遊べるようにしたかったとか、あるいは何かモチーフになったものがあったのでしょうか。
キャンディークラッシュのメインテーマは「ノスタルジー」なんです。ゲームデザインも昔ながらのボードゲームを彷彿させ、プレイしながら少しでも懐かしい気持ちになってもらえるよう作られているんですよ。弊社のゲームは大人向けなのも、この一因にあるかもですね。
「アール・デコ」という原色による対比表現や図形をモチーフにした記号的表現が昔から西洋文化にはあるのですが、キャンディークラッシュにはこの要素も含まれているんですよ。
「アール・デコ」を意識したデザインで風変わりなキャラクターやカラフルな背景などをスタイリッシュに描くことが、懐かしいゆったりしているような印象を与えているのかもしれませんね。
のんびりした雰囲気と言っていただき嬉しいです!
のんびりした雰囲気と言っていただき嬉しいです!
キャンディークラッシュのすごいところは、誰でもどこでも好きな時にプレイしてもらえるという事だと思います。プレッシャーも無く自分のペースでパズルを進められるので、ゲームそのものがリラックスした内容に仕上がっているのかもしれませんね。アートの面からそれをサポートできていると思うと、目標達成ですね!
3月の、映画『絵文字の国のジーン』とのコラボも大きなニュースでした!
コラボで気を付けたこと、難しかったことなどありますか?
コラボで気を付けたこと、難しかったことなどありますか?
なるべく映画の内容に忠実なアートを心がけました。
イベントマップの隣に映画のキャラクターが立っていたのには気づきましたか?
これにはちゃんと意味があって、各ステージのゲームボードはキャラクターに付随したデザインになっていたんですよ。
これにはちゃんと意味があって、各ステージのゲームボードはキャラクターに付随したデザインになっていたんですよ。
例えばハイタッチが隣に立っているステージは手の形、ジェイル・ブレイクはがい骨、そしてうんちパパは・・・うんち、という具合にデザインされていたんです!
キャンディークラッシュと映画の雰囲気がうまく両立されていましたね!
キャンディークラッシュは日本でも成功したタイトルだと思います。御社はたくさんのゲームを展開していると思いますが、その中でキャンディークラッシュが日本でも成功した理由についてどう考えていますか?
アーティストの観点から言うと、2つのコンビネーションが理由かと思います。
1つは、ゲームデザインにアート性を含めたことです。
ゲーム内のビジュアルエフェクトには非常に力を入れたので、主軸となるゲーム性をしっかりサポートできていると思います。
ゲーム内のビジュアルエフェクトには非常に力を入れたので、主軸となるゲーム性をしっかりサポートできていると思います。
キャンディークラッシュのプレイヤー達は通常マップのステージを進めていくことは勿論、アイテムが沢山もらえるイベントも多くプレイする傾向があります。
そのどこを切り取ってもプレイヤーに負荷が掛からないようにゲーム内アートは完璧である必要があると思います。
そしてキャンディークラッシュはそれを成し遂げていると思うので、プレイヤーがストレスを感じることなく楽しんでいただき長年愛されているのかなと思います。
そのどこを切り取ってもプレイヤーに負荷が掛からないようにゲーム内アートは完璧である必要があると思います。
そしてキャンディークラッシュはそれを成し遂げていると思うので、プレイヤーがストレスを感じることなく楽しんでいただき長年愛されているのかなと思います。
2つ目は先ほどもお話ししたノスタルジックなアートに軸を置いている事で、全年代のプレイヤーにとってアットホームなゲームに仕上がっているからだと感じます。
これを念頭におきながら、紙人形のようなキャラクター、ボードゲームのようなマップ、そして輝くキャンディーをデザインし続けています。
キャンディークラッシュは女性のファンが多いように思いますが、いかがですか?
キャンディークラッシュのプレイヤーは約6割が女性で男性が約4割、意外と男性のプレイヤーもいるんですよ!
性別や年齢に関係なく多くの人に遊んでもらえるゲームとして作っているので、一定数の男性にもプレイしてもらえている事実は嬉しい限りですね。
性別や年齢に関係なく多くの人に遊んでもらえるゲームとして作っているので、一定数の男性にもプレイしてもらえている事実は嬉しい限りですね。
幅広いファンに愛されているということですね!素晴らしいですね。
今後キャンディークラッシュでやりたいことなどがあれば、可能な範囲で教えてください。
キャンディークラッシュは毎年成長を遂げているのですが、その中でゲームプレイのバランスやビジュアルデザインを一貫させることに努力しています。もちろん新しい機能も追加していますが、その傍らで既存デザインなどに磨きをかけるのも大切な仕事だと考えています。
なので個人的には、今後も既存デザインを更新しつつ新しいイベントや機能を追加し続けたいですね!
キャンディークラッシュチームは毎日色んなデザインを作っているので、引き続き斬新な事にチャレンジしてみたいです!
ありがとうございます。
キャンディークラッシュのこれからのチャレンジが楽しみですね!
キャンディークラッシュのこれからのチャレンジが楽しみですね!
日本について少し質問させてください。
日本のゲームで好きなゲームはありますか?
日本のゲームで好きなゲームはありますか?
好きな日本のゲームは数え切れないほどありますよ!
ポケモンシリーズも好きですし、「みんなのリズム天国」や「ダンスダンスレボリューション」などのリズムゲームも大好きです。
ポケモンシリーズも好きですし、「みんなのリズム天国」や「ダンスダンスレボリューション」などのリズムゲームも大好きです。
でも一番好きなのは「牧場物語」という牧場で作物づくりや動物をお世話したりするシミュレーション
ゲームですね!
8歳の時に初めてゲームボーイでプレイしたんですが、それからずっと今でも遊んでます。
自分だけの牧場を作ったり管理したりするのが楽しいんですよね!あとは恋愛が出来たりもするんですよ。
ゲームですね!
8歳の時に初めてゲームボーイでプレイしたんですが、それからずっと今でも遊んでます。
自分だけの牧場を作ったり管理したりするのが楽しいんですよね!あとは恋愛が出来たりもするんですよ。
小さい頃からずっと遊んでいるタイトルなので、結構制覇していて、その中でも好きなのは「牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち」、「牧場物語ふたごの村」、「牧場物語はじまりの大地」です。
日本のゲームをたくさん遊んでいるんですね!
日本のゲームファンにどんなイメージを持っていますか?
ゲームが日本人の生活に強く根付いている事はとても好きですね!ゲームセンターやネットカフェなど家以外でゲームが出来る場所が多く存在するのもすごく独特ですよね。
日本でネットゲームを繋げるとすぐ仲間が見付かるように、ヨーロッパでも沢山の仲間が出来たら嬉しいです。
確かに、日本は世界でも有数のゲームが好きな国だと思います!
サンドラさんは日本に来たことはありますか?
21歳の時に1ヶ月間、日本に滞在したことがあります。もう7年前のことです、時が経つのは早い・・・!
その時は福岡に泊まっていたのですが、京都、東京、大阪、神戸にも遊びに行きました。
8月に行ったのですが、花火を見たり、一般家庭にホームステイをして日本の日常生活を味わう事ができました。
8月に行ったのですが、花火を見たり、一般家庭にホームステイをして日本の日常生活を味わう事ができました。
美しい神社やセミの鳴き声、温泉、高層ビル、美味しいご飯、秋葉原でのお買い物、本当に人生初の経験で溢れていました。
長崎のハウステンボスにも行ったのですが、私の母国であるオランダがモチーフになっているそうで帰省したのかなと思うほどでした!
日本への旅は人生で一番楽しかった旅行だと思います。富士山に登ったり、温泉に浸かったニホンザルを見たり、ジブリ美術館へ行ったり、牛久大仏を拝めたり、旅館に泊まったり、新幹線に乗ったりなど、まだまだ沢山やりたい事は残っているので、いつか日本に戻る予定です!
日本は最新テクノロジーを保持しつつも文化、歴史、自然において非常に豊かな国だと思うので、また遊びに行けるのを楽しみにしています。
ありがとうございます。日本でお待ちしています!
最後に日本のキャンディークラッシュファンに一言メッセージをお願いします。
最後に日本のキャンディークラッシュファンに一言メッセージをお願いします。
皆さんの日常に少しでも楽しみをお届けできていると思うと、本当に嬉しく言葉で表現することが難しいほどです!皆さんのようなファンが居てくださるおかげでゲームは成り立っています。アーティストとして今後もゲームの改善と皆さんに気持ちよくプレイしてもらえるよう務めていきます。
キャンディークラッシュは5歳を迎えた今もなお成長を遂げている、モバイルゲームでは稀に見るタイトルだと思います。今後も新たな成長を続けつつ、当初からのプレイヤーおよび新しく始めたプレイヤーに対して素敵なパズル体験を提供できるよう努めていきます新しいイベントやステージを待っていてくださいね。!
日本のファンの皆さんが居てくださったから成し遂げた事も多々あります!本当にありがとうございます。そしてこれからもキャンディーをクラッシュし続けてね!
スウェーデンオフィスの様子