【レポート】台北ゲームショウ2018のB2Bエリアには各国のゲームデベロッパーが多数参加!
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
台北ゲームショウ2018のBtoBゾーンは1月25日と26日の2日間に渡って開催されました。
台北ゲームショウは海外デベロッパーの誘致に非常に力を入れており、本年も海外デベロッパーに対してはBtoB出展ブース代や宿泊費の補助などの手厚いサポートを実施。
その結果、台北ゲームショウ2018のBtoBゾーンにはインディゲームデベロッパーを中心に27か国から279のブースが出展、日本からも20以上のブースが出展されました。
BtoBゾーンではVRが健闘
26日から開催されたBtoCゾーンではVRは昨年と比べて明らかに縮小していましたが、BtoBゾーンではVRコンテンツが健闘。
昨年の東京ゲームショウにも出店したHAYATO Worksは新作「STARWAY VR」を携えて出展。
「STARWAY VR」幻想的な空間でパーツを探して宇宙船を組み立て、出口を目指す3DVRゲーム。
3D空間を表現できるVRと、ものを探すというゲームテーマは非常に相性が良く、冒険心をくすぐります。個人的にも非常に楽しみなタイトルです。
日本の京都から来たクラウドクリエイティブスタジオは、3m×3mのプレイブースが2つと大き目のブースを出展。
ブースにはロケーションVRのプラットフォーム「V-REVOLUTION」が2台並んでおり、ゾンビ系のシューティングゲームや脱出ゲームなどが展示されていました。
筆者はゾンビを撃つVRゲームを試遊してみましたが、360度から襲ってくるVRのゾンビは非常に生々しく、その恐怖はなかなかのもの。
家庭用のVRが苦戦する中、ロケーションVRはユーザーの支持を得つつあり、簡易に設置できる「V-REVOLUTION」は、ロケーションVR普及の促進剤になる可能性があります。
「VRはまだまだノウハウを溜めている段階」と語る代表取締役の秦泉寺氏。
海外展開も見据えての出展でしたが、コンテンツの熟成に日々邁進している様子。
「V-REVOLUTION」は京都の「THE 3RD PLANET (ザ・サードプラネット)BiVi京都二条店」に設置されており実際にプレイすることが可能。京都近郊にお住いの方は、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
ゲーム以外の関連サービスの出展も多数
BtoBゾーンにはゲーム以外のサービスのブースも多数出展されていました。
代表的なところでは、広告ネットワークやパブリッシングサービスなどですが、変わったところで目についたのがシリコンスタジオの「YOKOZUNA data」。
YOKOZUNA dataはユーザーの行動を数理的に分析、極めて高い角度でゲームの継続時間や課金時間を予測することができるシステム。ゲームの運営者はそれに応じたユーザー対応を実施することができるというわけです。
名刺に「数学者」との肩書がるスタッフもおり、高度な数学的根拠に基づいているのがYOKOZUNA dataの特徴。学会発表なども行っており、また海外のコンテストで優勝するなど高いパフォーマンスを有しています。
経験と勘に頼ってDAU(継続率改善)の施策を展開しているゲーム運営者も多い中、YOKOZUNA dataようなシステムによりユーザーからの支持率を大きく上げる、ということも十分に考えられます。近い将来このようなAI的な最適化システムをゲームに導入することが常識になるかもしれません。
初出展の日本インディーゲームデベロッパー「ナカユビ・コーポレーション」
日本のインディーゲームデベロッパーも多く出展する中、ひときわ目を引いたのは、アプリの脱出ゲームをリリースしている「ナカユビ・コーポレーション」。
ゲームイベントへの出展は初めてということで、記念すべき初出展が台北ゲームショウとなりました。
既に韓国語、中国語などに翻訳した脱出ゲームをリリースしているナカユビ・コーポレーションですが、中華圏での露出に加え、現地パブリッシャーやローカライズパートナーを探す目的での参加。
日本では固定的なファンを持つ脱出ゲーム。欧米では「escape game」という名でのジャンルが確立していますが、どちらかというとコアなRPGなどが好まれる中華圏で脱出ゲームがどのように受け入れられていくのかが楽しみです。
台北ゲームショウ2018には日本以外にも、香港、韓国、アメリカ、イギリス、フランス、ポーランド、パラグアイ、スペイン、オーストリアなど、多数の国からデベロッパーが出展。
こちらは韓国のデベロッパー、「Devespresso Games」。既に「THE COMA」というゲームをSteamやPS4でリリースしていますが、今回は新作を携えての参加。
筆者もプレイしたかったのですが、ブースは常に多くの人に囲まれるほどの人気で、残念ながらプレイできませんでした。
こちらは昨年も参加した、地元台湾のデベロッパー「Millo Games」。日本市場向けの新作パズルゲームが展示されており、プレイした感じはかなり良好!リリースが楽しみです。
BtoBゾーンには開催の2日間で1,000人を超えるゲーム業界関係者が世界から訪れました。
昨年と比べても明らかに盛況で、これは丁寧な誘致活動と継続的な情報発信の賜物でしょう。日本も是非この姿勢を見習いたいところです。