東京ゲームショウ2016 注目ゲーム 心理解析システムとゲームのコラボが新しい!3Dアクションゲーム「LastStandard」

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 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

東京ゲームショウ2016では様々なゲームが展示されましたが、その中でも特に筆者の目を引いた「Last Standard」というゲームをご紹介します。

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50分待ちと書かれたホワイトボードを提示するお姉さん。
盛況な東京ゲームショウの各ブースの中でも、50分待ちは凄い!

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見た目は近未来間のあるカッコイイ3Dアクションゲーム!

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プレイ画面を見ると、ゲームはモンスターハンターを思わせる3Dアクションゲーム。

動きは非常になめらかで軽快!ゲームのそもそもの基礎である「操作して面白い」という点が十分にクリアされています。

 

プレイヤーは現代日本を舞台に、ツミビトと呼ばれる敵を倒して領土を占有していくのが目的。
ツミビトを倒しながら、同様に領土を占有するゲーム内のキャラクターとも対峙。プレイヤーはどのタイミングで領土を拡大するのか、戦力をどの程度分散させて領土を守るか、などを考えながらプレイする必要があります。

シミュレーション的な要素もあり、普通の3Dアクションゲームと少し違うぞ、と思わせますが、「LastStandard」のポイントはここではありません!

心理解析システムによって最適な武器が「自動的に」決定される!

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プレイヤーは様々な武器を装備して敵と対峙します。その武器の種類は剣、斧、棍棒、銃、火炎放射器など、およそゲームの武器として思いつくものはほぼそろっています。
豊富な武器のレパートリーはゲーマーにはうれしい限りです!

しかし、プレイヤーは武器を自由に選ぶことができません。

えっ!?どういうこと?と思いますよね。筆者も思いました。
LastStandardでは、武器は「サイコダイブ」という心理解析システムによって自動的に決定されます。

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プレイヤーはゲームが始まる前に簡単な心理診断のアンケートを受けます。それによってプレイヤーに適した武器がサイコシステムによって自動的に選択されます。
何とも斬新なシステムです。

「サイコシステムによってえらばれた武器って本当にプレイヤーに合っているんだろうか!?」

という単純な疑問が沸いてきますが、開発している「I From Japan」代表取締役の中道氏に聞いたところ、「多くのケースにおいてサイコシステムが選んだ武器はユーザーとマッチしている」とのこと!

現在はアンケート方式の心理診断を用いていますが、将来的には脳構造解析によってプレイヤーの心を解析し、最適な武器を選択するサイコシステムに改良予定だそうです。

いや、すごいですね!

サイコシステムによって自分の知られざる趣向が明らかになるかもしれません。
筆者は刀タイプの武器が断然好きですが、ひょっとすると杖とかが合っていたりして、なんて妄想します。

開発チームは現役大学生!

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「Last Standard」を開発している会社法人「I From Japan」は、なんとメンバー全員が現役の大学生!
なんでも東京ゲームショウの出展条件を満たすために急きょ法人化したとのこと。(注:東京ゲームショウに出展するには必ず法人でなければならないということではないようです。様々な条件があります。)

代表取締役の中道氏は京都大学の文学部で心理学を専攻していて、それを生かしてサイコシステムを構築しているそうです。

「文系なのにゲーム作成に進むって面白いですね」

と尋ねたところ、

「心理学は理系なんですよ~」

とのこと。
む、そうなのか・・・。深い。

Last Standardは進化途中!

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現時点で十分に面白そうなLast Standardですが、開発はまだまだ始まったばかり。

サイコシステムに脳構造解析の導入を予定しているように、様々な新規システムの導入が計画されています。

『自然言語処理を用いてプレイヤーと AIの区別がつかないようなチャットシステム』

『現実の身体を直接動かさなくても、ゲーム上のキャラクターを操作することが出来る特殊デバイス』

などなど、まるでアニメやSFの中の話のよう。

Last Standardに見るもの

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筆者はファミコンの時代からゲームで遊び、その進化を体験してきました。
グラフィックの拡張、オンライン化、など目覚ましい進化に胸を躍らせたものです。最近話題のVRももちろん楽しみです!

しかしLast Standardが提唱するものは、それらの進化とは異質なものです。

強い武器、強いキャラクターなど、使用すべき一定の「型」が存在し、プレイヤーのほとんどはその決められた型でゲームをプレイします。その結果、ゲーム内には同じ型のプレイヤーで溢れ返り、ゲーム攻略にも味気がなくなることがしばしばあります。
私達はそのようなゲームプレイヤー同士の類似性を出来るだけ少なくし、またプレイヤー1人1人に自分だけのプレイスタイルで楽しめるようにしたゲームを作りたいと思い、このプロジェクトを発足しました。

Last Standardは、ゲームの中をリアルに表現したりオープンワールド化するのとは違う角度のアプローチ、すなわち、プレイヤーの本質をゲームの中に反映させることで、或いは現実をゲーム内に取り込むことで、ゲームの世界を抽象的なところから引っ張り出そうとしているように見えます。

Last Standardがどのように成長していくのか、筆者は非常に楽しみにしています。
SQOOLではLast Standardの続報があり次第皆様にお届けして参ります。

プレイできる日を楽しみに待ちましょう!

関連URL

Last Standard

I From Japan

著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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