【東京ゲームショウ2019】インディーズゲームコーナーで存在感を増す台湾のインディーゲームディベロッパーたちをレポート(その3)
著者:篭谷千穂
東京ゲームショウインディーズゲームコーナーで存在感を増す台湾のディベロッパーおよびタイトルのレポートの続きです。
記憶力が頼りのテトリス的ジグソーパズル
ICAN Entertainmentは台湾国内外のゲームの配信を手掛けるパブリッシャーで、日本のタイトルの台湾向け配信の実績もある企業。今回同社は「Nindou Moba」「Dungeon of Despair」「Realm Chronicle: Next Generation」「Chester's Adventure」の4タイトルを出展。これらは「東京ゲームショウ2019」の来場者の投票および選考委員の審査にて選出される「日本ゲーム大賞2019 フューチャー部門」の選考タイトルにもなっていました。
これらの中でも特に雰囲気が良かったのがこちらのスマートフォン向けパズルRPG「Chester's Adventure」。同タイトルはジグソーパズルを解くことでステージをクリアしていくのですが、面白いのは、上の写真のように先に”答え”となるイラストが表示されること。まずはこのイラストを制限時間いっぱいまで眺めて記憶し…
その次に、バラバラに分解されたイラストを記憶を頼りに組み立てていきます。プレイのコツは、イラスト全体をまず見て、色の濃いところや明らかに周囲と色のバランスが異なるところに”アタリ”を付けておくこと。だいたい真ん中かたりから組み立て始めるとスムーズに完成まで漕ぎつけられます。
このパズルパートはジグソーパズルではありますが、ピースの一つ一つはまるでテトリスのブロックのように直線的で、それがむしろ元のイラストを分かりにくくしています。記憶を頼りにするプレイはトランプの神経衰弱にも似ているかもしれませんね。
本作はまるで絵本のようなイラストのパズルを組み立て、そのイラストに関連したストーリーを読み進めながら様々なテーマの浮島を渡り歩いて冒険するという世界観で、そのホーム画面は意外にもフル3D。空飛ぶ船に動物のキャラクターたちが乗船しているという、これまたファンタジーな設定で、冒険してアイテムを集め、船をデコレーションする着せ替え機能もあるとのこと。
日本版のリリース時期はまだ未定ですが、この作風や世界観は日本人プレイヤーにも十分受け入れられるのではないかと思いました。
ICAN Entertainment
二丁拳銃?いえいえ“二丁スキャナー”です
WOWWOW Labは2015年に設立されたゲームディベロッパーで、設立直後からARやVRといったxR系タイトルの開発を手掛けてきました。今回の東京ゲームショウには4対4のオンラインバトルが楽しめるVRシューティング「TAG WAR VR」を出展していました。
本作の舞台はロボットが闊歩する近未来のショッピングモール。なのになぜシューティングなのか?それはモーションコントローラーを二丁拳銃ならぬ「二丁バーコードスキャナー」に見立て、対戦チームのメンバーの代わりに商品のバーコードをスキャンするゲームだからです。
こんな世界観なら、たとえ子供でもバイオレンス描写の心配なく思う存分バーコードスキャンという名の「シューティング」を楽しめるというわけで、実に考え抜かれたコンセプトです。バーコードをスキャンするたびに支払いがチームのレシートに加算され、ゲーム終了時に高額になっていたチームが勝ちとなります。
手っ取り早くレシートを高額にする方法と言えば、やはり高額な商品を瞬時に見分け、対戦チームよりも早くスキャンすること。中にはゲームを有利に進められるお助けアイテムもあるので、とにかく早くスキャンすることが重要です。
これには動体視力や瞬発力、一瞬の判断力が必要で、ここら辺のコツは他のシューティングゲームと変わりません。POPでかわいいグラフィックではありますが、実際にプレイしてみると緊張感溢れるプレイについつい本気になってしまいます。
本作はValve Index/HTC Vive/Oculus Rift/Windows Mixed Reality対応タイトルとして2019年8月にSteamにてリリースされたばかりで、VRヘッドマウントディスプレイを持っていないプレイヤー向けに非VRバージョンも用意されています。海外製VRタイトルとしては珍しくリリース時より日本語もサポートしているので、パーティゲーム的なVRシューティングを楽しみたい方は是非チェックしてみて下さい。
TAG WAR VR Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1050560/TAG_WAR_VR/