子供がゲームばかりやっていて心配?ゲームは子供の成長を阻害するのか?

 コラム 
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 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

子供がゲームばかりしていて心配です。というのは、昔からよくされる相談です。
どうして私に相談するんだろう?と不思議でしたが、どうも本当に悩んでいて、ゲームのことをよく知っている人に相談したい、できればゲーム業界に携わっている立場から子供を諭してほしい、という気持ちがあるようです。

子供がゲームばかりやっていて心配?ゲームは子供の成長を阻害するのか?

これは小学校低学年から高校生くらいまで、割と幅広い層のお子様をお持ちのお母様から相談されることが多い内容です。

この記事では、この相談に対する私の考えお伝えしたいと思います。

子供がゲームばかりしていて心配、というのは、状況によってかなり程度が異なりますが、成績が悪くなるのではないか

暴力的になったり、内向的になったりしないか、つまり人格形成に影響があるのではないか

ほぼこの2点です。

私は教育関係者でも研究者でもありませんので、あくまで私の経験に基づいた主観でお話させていただきますが、

まず、子供が、特に男の子がゲームが好きというのはごく当たり前のことで特にそれがおかしいとかいうことはない、というのが私の考えです。そういうものだからこそ、ゲームは産業として成り立っていて市場がある訳ですね。

子供は工夫して攻略したり、練習して上達していく過程、友達と成果を披露し合うなどが一般的に好きですので、ゲームはそこにハマりやすいのです。

であれば勉強でそれをやってくれよ…というのが親心だと思いますが、勉強に比べてゲームは新たな挑戦がしやすく、成果がすぐに手に入るように作ってありますので、ゲームのほうが楽しさや達成感が得やすいという。ですので、子供にとってはゲームの方が面白くて楽しいわけです。

私はゲームをやったからといって勉強ができなくなることはないと考えています。ゲームはむしろ、色々な思考を試すの場としても成立すると思います。ですので、ゲームをプレイすることで頭が悪くなることはないと感じています。
これについては色々な論文が出ていまして、概ね私の考えと同じ方向で実証されつつありますので、興味のある方は検索などで調べてみてください。

しかし、だからと言って子供がゲームばかりをすることを勧めるわけではありません。ゲームをやっても少なくとも学校の成績は上がりませんし、むしろ下がる傾向にあるのは事実です。

学校のテストの点数が下がることは良いことではありません。学校で教えられる勉強は、人生の基礎的な教養として重要だからです。疎かにしてはいけません。

ではなぜゲームをすると学校の成績が下がるのかというと、ゲームは子供たちを没頭させるように作られていて、それによってゲームばかりに時間を使って勉強をしなくなる傾向があるからです。そうなれば成績が下がるのは当たり前で、それはゲームが悪いというよりは単純に勉強時間が足りないからです。

この動画を見ている学生のみなさん、ちゃんと勉強しましょうね。

だいたい私はまずこれを相談者にお伝えした上で、もし今実際に成績が下がっているなら、勉強時間を確保した上でゲームをする時間を作るようにしてくださいね、とお伝えしています。高校生であれば自分次第だと思いますが、小学生中学生くらいは、ご家庭でうまくルールを作る必要があります。

この問題はゲームに限らず、SNS、スマホ、など中毒性の高いコンテンツ全般に当てはまります。1日に何時間もTikTokを見ている、などもゲームのやりすぎと同じ意味で問題です。

もう一つ、ゲームを遊ぶことが子供の人格形成に悪影響があるのではないか、という相談については、これもすでに色々な論文などが出ていますが、あまり関係がない、と私も考えています。

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子供がゲームばかりやっていて心配?ゲームは子供の成長を阻害するのか?

確かに最近のゲームは表現が非常にリアルで、残虐な表現があります。そのような状況で、例えば銃で人を撃つようなゲームはウチの子にはやって欲しくない、という気持ちは私もよくわかりますし、そのような方針はあり得ると思います。

しかし、ゲームをたくさんプレイする子供が、例えば暴力的になったり、冷たい人間になったり、もっと言えば犯罪を犯すような人間になるかというとそれは誤った考えで、学術的に何度も否定されてきています。

そこは是非安心していただきたいのですが、前述の通り、ゲームのやりすぎは学校の生成気が下がりますし、またゲームにあまりに時間を使い過ぎると、対面でのコミュニケーションが苦手になったり、運動不足により不健康になったり、ということが起きるでしょう。その結果、内向的になったり、ということは間接的に十分起き得ます。
ですので、ゲームが好きだからといって問題はないと思いますが、やはりゲームばかりをやり過ぎるのはよくないですね、ということをよくお伝えしています。

子供がゲームばかりをやっている、というのは親にとってはとても心配な状況だと思います。
ただ子供がゲームにはハマるのは自然なことで、あまり過度に否定してしまうのは親子関係に悪い影響が出る可能性があります。そうではなくて、他にもハマることを作るようにするとか、子供と親で納得できるルールを設定するとか、そういう取り組みが各家庭で大切ですね。
是非子供が好きな物を否定しないようにしながら、うまく対策していただければと思います。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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