「デジタルライフスタイルの現状」日本調査結果を発表、セキュリティ意識が高まる結果に
ライムライト・ネットワークス・ジャパンは8月6日、2019年7月にグローバルが発表した報告書「デジタルライフスタイルの現状(State of Digital Lifestyle)」の日本調査結果を発表しました。
主な調査結果
・「デジタル技術によって生活が向上した」と回答した日本人の割合は9ヶ国中最も低く、約63%にとどまる
・日本人のスマートフォンへの依存度は高いが、タブレット、デジタルアシスタントへの依存度は世界で最も低い
・オンラインデジタルコンテンツの中で、ダウンロードやアクセス頻度が最も高いのは「音楽」
・日本人は9ヶ国中最もオンラインショッピングよりも店舗での買い物を好む
・日本人の約1/3が「昨年よりオンライン接続による個人情報漏洩の懸念が高まった」と回答。セキュリティへの意識が高まる
・日本人の29.6%が「5Gについてよくわからない」と回答するも、今後は理解が進むと予測
今回の調査で、日本人は世界と比べてデジタル技術に対して懐疑的であることが分かった。世界で導入が進むAmazon EchoおよびGoogle Homeなどのデジタルアシスタントに関しても依存度が低く、約半数が使用を辞めてもかまわないと回答している。
また、本格的なサービス開始が予定される5Gに関しては、約6割が期待していると回答したものの、約3割が「5Gについてよくわからない」と回答した。今後、5Gネットワークが本格的に始まり、超低遅延のライブ動画や、e-sports、遠隔診療などの様々なサービスが身近になることで、人々の理解が進むと予測している。
「デジタル技術によって生活が向上した」と回答した日本人の割合は9ヶ国中最も低く、約63%にとどまる
「テクノロジーが普段の生活に与える影響」について、「-2(悪影響を及ぼす)」から「+2(良い影響をもたらす)」の評価を尋ねたところ、世界の平均値は「+1.09」だったのに対し、日本の平均値は9カ国中最も低い「+0.66」という結果になった。
日本で「+2(良い影響をもたらす)」と回答した人の割合は、昨年(11.4%)より微増したものの、世界で最も低い12.6%だった。最も平均値が高かったのは、昨年と同様にインドで「+1.60」だった。今後、日本においては5Gの本格的なサービス開始により、「デジタル技術によって生活が向上した」と回答する人の増加が期待される。
日本人のスマートフォンへの依存度は高いが、タブレット、デジタルアシスタントへの依存度は世界で最も低い
「スマートフォンの使用をやめられるか」を尋ねたところ、世界の47.6%が「やめられない」と回答し、日本人は49.8%が「やめられない」と回答した。また、「スマートフォン」「パソコン」「タブレット」「デジタルアシスタント」「ウェアラブルデバイス」の使用ついて、「1(永久にやめられる)」「2(1ヵ月やめられる)」「3(1週間やめられる)」「4(1日やめられる)」「5(やめられない)」の5段階評価で尋ねた。
「スマートフォン」の使用については、世界の平均値「4.02」に対して日本の平均値は「4.19」で、世界の平均値を上回り9カ国中インド、韓国についで3位に位置づけた。一方で、「タブレット」、Amazon EchoおよびGoogle Homeなどの「デジタルアシスタント」や、「ウェアラブルデバイス」の使用については、9カ国中最も値が低く、依存度が低いことが明らかとなった。
オンラインデジタルコンテンツの中で、ダウンロードやアクセス頻度が最も高いのは「音楽」
映画やテレビ番組、音楽、電子書籍やアプリなどのデジタルコンテンツを、どのくらいの頻度でダウンロードやアクセスするかを尋ねた。(「0(アクセスしない)」、「1(1年に2-3回)」、「2(1ヵ月に1回)」、「3(1週間に1回)」、「4(1日に1回)」)最も頻度が高かったのは「音楽」で、世界では「2.93」、日本では「2.53」という結果が得られた。
全体のオンラインデジタル頻度へのアクセス頻度を比較すると、日本は最も値が低い(1.87)という結果となり、「映画やテレビ番組」「音楽」「ビデオゲーム」「新聞や雑誌」の4項目において9カ国中でダウンロードやアクセス頻度が最も低いという結果となった。また、「新聞や雑誌」については、58.8%が「紙で読むことを好む」と回答しており、世界平均28.4%の2倍近い結果となった。
日本人は9ヶ国中最もオンラインショッピングよりも店舗での買い物を好む
「オンラインショッピングと店舗での買い物のどちらを好むか」と尋ねたところ、世界平均では半数以上(51.4%)がオンラインショッピングを好むと回答した。一方で、日本では、オンラインショッピングを好む割合が39.2%に留まり、60.8%が店舗での買い物を好むと回答した。これは世界で最も高い割合で、ポイントカード等の店舗運営における顧客獲得施策の緻密さ、実物を見て購入物を吟味したい日本人の慎重さを伺い知れる結果となった。
日本人の約1/3が「昨年よりオンライン接続による個人情報漏洩の懸念が高まった」と回答。セキュリティへの意識が高まる
オンライン接続による個人情報漏洩への懸念について尋ねたところ、日本人の34.6%が「昨年より懸念が高まった」と回答した。昨年はSNS会社による個人情報流出に対しての懸念が話題となり、45.6%が「昨年より懸念が高まった」と回答しており、世界的にセキュリティへの意識が年々高まっていることが伺える結果となった。
日本人の29.6%が「5Gについてよくわからない」と回答
5Gへの期待について尋ねたところ、日本人回答者の58.4%が「ダウンロード速度の向上」に期待をしていると回答したが、世界平均の72.1%と比較すると低い結果となった。また、日本人の28.6%が「5Gについてよくわからない」と回答し、世界平均(9.0%)の3倍以上の値となり、日本における5Gへの理解および期待が未だ低いことが伺える。
今後の5Gネットワークの商用化が本格的に開始し、ライブ動画や、e-sportsなどのコンテンツや遠隔診療などのサービスが提供されることで、5Gに対し理解および期待が向上することが予測される。
上記の調査結果を受けて、ライムライト・ネットワークス・ジャパンの田所 隆幸代表は、以下のように述べている。
「世界のコンシューマは映画やテレビ番組をダウンロードしたりレンタルしたりするのではなく、ストリーミングすることを好んでおり、日本でも安全で高品質なオンラインデジタル体験への期待は高まり続けています。しかし本調査結果では日本では、コンシューマのうち84%はデジタルコンテンツの利用にあたって何らかの不満を抱いていることが分かりました。
企業は、ロイヤリティの高い顧客を維持し、市場シェアを拡大し、最終的には収益機会を最大化するために、エンドユーザーがコンテンツを迅速かつ安全にダウンロードおよびストリーミングできる環境を常設することが求められるでしょう。特に5Gの普及により、高速なダウンロードおよびストリーミングへの期待は高まり、理解が低いとの調査結果も変わっていくと考えられます。ライムライト・ネットワークスは2020年に向けて更に配信拠点を拡大し、強固なネットワークを構築することで弊社のお客様のサービスの充実化に向けて取り組んでまいります。」