春節終了に伴いダウンロード数は減少、SNSトレンドを掴んだハイパーカジュアルは勢いを継続

 ohayoo 
  公開日時 
 SQOOLNET編集部 

※本記事はOhayooの許可のもと、Ohayooの月次ニュース記事を日本語に訳したものです。本記事は2021年4月25日掲載分の日本語訳です。

スポンサーリンク

中国市場アップデート

春節連休期間の終了に伴いユーザーのゲームプレイ時間が減少したため、多くのゲームでダウンロード数に明らかな減少が見られました。先月のダウンロード数ピーク時と比較すると、中国のゲーム市場は通常状態に戻りつつあり、カジュアルゲーム業界は比較的落ち着いた期間に入っています。

ここで特筆すべきはパルクールのハイパーカジュアルゲーム『High Heels』の勢いが連休が終わって以降も続いていることです。このゲームはDouyin(抖音)のヒット曲による影響もあり、連休終了後の1ヶ月間で100万ダウンロード以上を記録しました。

春節終了に伴いダウンロード数は減少、SNSトレンドを掴んだハイパーカジュアルは勢いを継続

ハイライト

女性向けパルクールゲーム

ニッチなハイパーカジュアルゲームジャンル:女性向けパルクールゲームの市場が拡大中

女性をターゲットにしたハイパーカジュアルゲーム『High Heels』は1月30日の配信開始以降、世界の無料アプリのチャートで上位を占めています。ゲーム内容は女性プレイヤーをターゲットに作られたユニークなもので、素晴らしいプロポーションを持つキャラクターがハイヒールを集めて障害物を乗り越えながらランウェイを歩くという、誰もが簡単に楽しめるゲームとなっています。

『High Heels』が流行るきっかけとなったDouyinのヒット曲

Douyinのヒット曲『I'm the Queen』が『High Heels』と完璧にマッチし、プレイヤーに強い印象を与えました。女性向けゲームと人気曲が非常に面白い形でマッチしたことで、このゲームを遊んでみたいという人々をますます多く引きつけ、チャートの上位に入るという結果を残したのです。

幾多のハイパーカジュアルゲームの中で突出するための3つの心得

・幾多のパルクールゲームがある中で、重要なテーマとなるのは競争の激しい市場の中で一定の地位を確保すること。

・汎娯楽(pan-entertainment)が高い人気を誇り女性プレイヤーが増加している昨今、ディベロッパーは以前のようにやみくもにゲームにアクション要素や興奮要素を追求するばかりでなく、ユーザーの実需要にもっと注目すること。

・短編動画共有ネットワークを活用したコンテンツマーケティングやユーザーの獲得は今後、ディベロッパーが少ないコストでトラフィックを獲得するための方向性を示すことになり得ると理解すること。

ヒット作『Shortcut Run』の分析によるハイパーカジュアルゲーム制作ガイドライン

『Shortcut Run』はCPI:$0.09、D1:46%という驚異的なパフォーマンスでヒットを記録

OHM studioが開発した『Shortcut Run』は垂直に積み重ねたブロックを抱えるキャラクターを水平で操作する仕組みで“リスク&リターン”の要素を取り入れた初めてのゲームです。テスト期間中から成績は良好であり、長期間ナンバー1の座に君臨していた『Among Us』を上回りアメリカのチャートで1位を獲得することとなりました。報酬と難易度のバランスの良さと各レベルの独創的なエンディングがこのゲームの成功の鍵となっています。

Voodooのハイパーカジュアルゲーム制作方針

ハイパーカジュアルゲームの潜在ユーザー層が一般的なゲーマー層と異なることを念頭に置くことで、以下の提案がゲーム制作に役立つでしょう。

・コアとなるゲーム性を分かりやすくする

・SNS広告でゲームに対する直感的フィーリングを視聴者へと届ける

・不要なデザイン要素を削除し、デザインをシンプルかつクリアに保つ

・より多くのレベル設定でゲームを細分化しユーザー満足度を高める

・新しい技術を使い、新しいゲームメカニズムとゲーム体験をデザインする

・プレイヤーにより多くの報酬が保証されるよう難易度のバランスを調整

・プレイヤーに異なる難易度を選択できるようにシステムに深みを持たせ、プレイするリスクとリターンを考える機会をプレイヤーに与えられるようにする

ゲームトレンド

ソーシャルメディアのトレンドを利用したゲームはヒットする可能性が大きい

『High Heels』が中国で成功したのは、中国の短編動画プラットフォームDouyinで有名になった曲『I'm the Queen』とゲームが完璧にマッチしたことが大きいです。似たようなケースとして、流行トピックとなった「吃瓜」(中国のネットスラングで「見物人」や「やじ馬」の意味)を取り入れた『Watermelon Merge』は今年初めに人気を獲得しました。この2タイトルがヒットしたのはユーザー間での紹介によるものが大きく、このことが有料広告を通じてよりもはるかに多くのダウンロードを獲得できたことは、ゲームのプロモーションにソーシャルメディアが重要な役割を果たしていることを示しています。したがってディベロッパーが新しいゲームをデザインする際にDouyin、Weibo、Wechatなどの主流ソーシャルメディアプラットフォームから流行のトピックを参照し、ユーザー間による紹介を十分に活用することがより良い手段となるでしょう。

既存IPとコラボしたマッチ3ゲームの人気が上昇中

マッチ3ゲームは『Project Makeover』によりアメリカ、日本、韓国で市場のポテンシャルが示されたことから、日本のカジュアルゲーム市場ではこのジャンルのゲームが増加しています。LINEのマッチ3ゲームである『Disney Tsum Tsum』と『BT21 POP STAR』の2タイトルは、日本のカジュアルゲームのダウンロードランキングで上位に入っています。両タイトルのうち一方はディズニーの要素が詰め込まれており、もう一方は男性トップアーティストグループのBTSとのコラボレーションとなっていて、これらのIPファンの多くがゲームをプレイしています。マージ系ゲームは、ゲーム内のオリジナル要素をIPによるイメージ画像と置き換えることが可能であるため、IPコラボレーションのキャンペーンにより効果的に利益を生み出すことができます。