2017年のゲームの振り返りと2018年への期待 スマホは!?VRは!?eスポーツは!?
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
2018年になりました。今年はどんなゲームがリリースされるのでしょうか。
さてこの記事では年始ということで、私なりの昨年の日本のゲーム界隈の振り返りと今年への期待を簡単に書いてみたいと思います。
停滞感のある日本のスマホゲーム 存在感を増す韓国&中国勢
2017年は日本のスマホゲームに関しては、停滞感が継続した1年ではなかったかと思います。停滞感は2016年からのものですが、パズドラが徐々に衰退感を隠せなくなり、モンストに続く大型のスマホゲームタイトルもついに日本のメーカーからは出てこなかった、というのが2017年の日本のスマホゲームの概況ではないでしょうか。
少し違うところに目を向けると、2017年は海外のスマホゲームが日本で目立った年でもありました。韓国の「リネージュ2レボリューション」や、中国の「アズールレーン」が大きな話題となり、日本のゲームファンからも支持を得て人気となりました。
日本のスマホゲームもただ停滞していたわけではなく、色々なチャレンジも見られました。
2017年5月にリリースされた、スマホアプリの本格RPG「アナザーエデン」。
ソーシャル要素を廃し、キャラとストーリーを練りこんだ純日本風RPGともいうべき造りになっており、「スマホゲームはゲーム性が薄い」という風潮に一石を投じました。
収益構造は「キャラガチャ」によるものですが、同時に「動画リワード広告」という広告による収益構造も取り入れられている点なども非常に目新しいものでした。
任天堂からは2月に「ファイアーエンブレム ヒーローズ」、11月には「どうぶつの森 ポケットキャンプ」がリリースされました。共に多くのファンを持つシリーズものだけにリリース直後には多くの話題を集めましたが、古参のファンも多いだけに内容に関しては賛否両論、といったところです。
スマホアプリゲームにも本格的に切り込んできた任天堂が、今後どのようにタイトルを展開していくかは2018年も注目したいところです。
Switchの成功!コンシューマの復権なるか?
日本のゲーム市場は極端にスマホアプリに寄っているという状況がここ数年続いていました。昨年もそこから脱却したというわけではありませんが、任天堂から3月にリリースされた据え置き型ゲーム機「Switch」が大成功。長期にわたり品薄になるなど、社会現象にもなりました。
販売台数は2017年12月までに国内で約300万台、世界では約1000万台となり、今後も数字は伸びていくと予想されます。
スマホゲームよりもリッチな表現が可能なコンシューマゲーム機復権の兆しは、スマホ以外の選択肢を持てるという意味でゲーム開発者にとっても明るい話題。
今後はスマホアプリゲームを開発しながらSwitchでのリリースも視野に入れる、というゲーム開発者も増えてくるかもしれません。
VRは?eスポーツは?期待され続けた新しいエンターテインメントはどうなる!?
元年、とはもはや言われなくなったVRとeスポーツ。しかし、2017年は共に変化のあった年だと思います。
VRに関しては家庭用市場の開拓は一旦とん挫した感がありますが、代わりにテーマパークなどでのいわゆる「ロケーションVR」が躍進。
7月にオープンした「VR ZONE SHINJUKU」は連日の大入りで、「クールジャパン・マッチングアワード2017」のグランプリを受賞。12月にはコーエーテクモから体感型VR筐体「VR センス」がリリースされるなど良いニュースが相次ぎました。
VR×エンターテインメントは今後「ロケーションVR」という方向で進んでいきそうです。
eスポーツは9月の東京ゲームショウからじわっと認知度を上げてきた感じがあります。東京ゲームショウではその他の話題が乏しかったということもありますが、2ステージに増やされたeスポーツのコーナーが特に存在感を放ちました。
ゲーミングPC、ゲーミングチェアなどのeスポーツ関連事業や、ゲーム動画の配信を行うTwitchやOPENREC.tvなどについても2017年後半は話題が多かったのではないかと思います。
eスポーツは関連団体の統合など表面以外のところでも大きな動きがありますが、2018年には躍進を期待したいところです。
2018年はどうなる!?ゲーム業界模索の時期は終わるのか
海外勢の活発な動きを見ながらじわっと動いてきた、という感じの2017年の日本のゲーム業界。
スマホのソーシャルゲームの爆発的な伸びというボーナスステージが終了し、日本のゲーム業界は新たな成長の軸を模索する時期が続いてきました。2017年はその動きに一定の答えが出始めた年だったのではないかと思います。
2018年は再び躍進の年になるのか、今年の日本ゲームの活躍に大いに期待しましょう。