日本インディゲームデベロッパーの活路、加速する中国展開
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
「私の会社からは100人位来ているんじゃないでしょうか」
先月末に開催された東京ゲームショウ。過去最高の入場者数を記録した幕張の会場には、中国から多くのゲーム関係者が訪れていました。
冒頭の発言は中国の大手ゲーム関連会社社員の一言。彼らが東京ゲームショウを訪れた目的の1つは、日本の優れたインディーゲーム開発者とのコネクションづくりだといいます。
「日本のインディゲームの品質は高いですね、是非我々のサービスで中国展開して欲しいです」
中国市場は問題が多く日本から進出するのは容易ではない、というのは今や過去の話になりつつあります。
「ライセンス取得もサポートします。費用ですか?弊社が出しますよ。やり取りは日本語でも大丈夫です」
直接やり取りができる中国の現地企業も増えてきたことで、小規模なインディゲーム開発者にとっても中国にゲームを展開できる可能性がぐっと広がったと言えます。
「このゲームは良いですね、中国でも受け入れられると思います。でもUIは少し変えたほうが良いですね。課金も入れましょう」
長い間日本のゲームを見ながら学んできた中国ゲーム業界は、今や日本から目指す市場に変貌しました。政治的な問題があるとはいえ、それを差し引いても中国ゲーム市場は魅力的な市場なのです。
「我々の会社も数年前に立ち上がりました。日本のインディゲーム開発者にも大きなビジネスチャンスが有りますよ」
彼らのその言葉に偽りは無いでしょう。
もちろん成功者の裏にはその何十倍もの敗北者がいます。行けば必ず成功するということではありません。政治的なリスクもあります。国際取引の難しさもあるでしょう。しかし、日本から中国へのゲームビジネスの展開は加速していくでしょう。
「良い開発者さんを紹介してくれてありがとうございました。成功するようにしっかりとサポートします。Win−Winで行きましょう」
深々と頭を下げる彼らからは、謙虚さと自信が伺えました。
日本のインディゲーム開発者にとって中国展開は良い選択だったのか、答えはすぐに出るでしょう。