ゲームの開発における役割分担と相互補助、うまくいっているチームの空気感とかその辺について

 コラム 
  公開日時 

 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

それは私の仕事ではない、というのはゲーム開発に限らず、どんな仕事でも起きる問題です。おそらく人類はこの問題を完全に解決することはできないでしょう。

さて、ゲームの開発でよく出てくるこの問題ですが、一体どうやって解決すれば良いのでしょうか。

ゲームの開発における役割分担と相互補助、うまくいっているチームの空気感とかその辺について

「〜〜というポジションの人を置いてくれれば」
「これは〜〜さんの担当だからそっちに頼んでもらえれば」

という解決策が思いつきますが、社会人であれば
あ、これはダメ
とすぐに分かるでしょう。

念の為少しだけ解説しますと
「〜〜というポジションの人を置いてくれれば」
これに関しては、そもそもそういう人を置く予算がないから置けていない、現状でうまくやるしかないという状況がほとんどですし、
たとえ置いたとしても、また次のポジションがほぼ必ず出てきます。予算が潤沢な大手であればそれも叶うかもしれませんが、中小規模では難しいでしょう。またたとえ大手だとしてもこのように順次ポジションを追加していくのはお勧めしません。チームが肥大化して会議ばかり、根回しばかり、が必要になって動かないチームになりがちだからです。

「これは〜〜さんの担当だからそっちに頼んでもらえれば」
これについては大体分かると思いますが、〜〜さんはおそらく自分の担当だと思っていません。このように宙に浮くタスクは、担当と担当の間に落ちることが多く、そもそも〜〜さんに直接言えるのであれば言ってますよ、というケースも多いでしょう。こうやって最も立場の弱い人が担当間をたらい回しにされる、という現場になりがちですが、「分かる、、、」とお思いの方も多いのではいでしょうか。

さて、これは日本だけではなく世界中で起きている仕事上の問題点ですが、ゲーム開発においてはなんとなく正解があります。

先日ゲームプランナーの小川さんと行った対談の冒頭部分にヒントがありますので是非観ていただきたいのですが

成功するゲーム開発チームは、昼休みに何をやっているかを見れば大体分かる。
チームメンバーが食事後にゲームをテストプレイしたり、ゲームの改良点を話し合ったりしているチームはうまくいく。

小川氏によるとこれは重要なポイントとのことで、昼休みに労働を強制するわけではなく、各メンバーが良いゲームにするために前向きに取り組んでいる空気が大事、ということだそうです。

確かに、ゲームはチーム全体で作り上げる創作物で、システム開発などとは異なり、ユーザーに何かを他県してもらったり感じてもらったりするものですので、「仕様書通りに作っているから」ヨシ、というものではありません。
もっと面白く、という抽象的なものを追いかける中で、そもそも「それは自分の領域ではありません」というようなことを言っているメンバーがいること自体がもう失敗なのです。

これは非常にレベルの高い話で、というのは、そう言った前向きなやる気は必ずしも目に見える行動ではわからないことも多く、「これは〜〜さんに聞いて貰えば分かるよ」という発言自体が個々に問題ということでもないからです。

何か課題が見つかった時、人の手がどうしても足りない時、自分がチームに貢献できることは何かないか、その先に、ユーザーのためにより良いゲームにするために、今のこの条件でどうすれば良いのか、そういったことを考えるのが当たり前でなければ、良いゲームは生まれにくいのだと思います。

結局は、メンバーをどう前向きにさせるか、最初にそのようなチームをどう組むか、がゲーム開発の場合は重要ではないかと思います、
インディーであれAAAであれ、規模の代償を問わず、この問題は管理者の頭を悩ませる難しい問題でしょう。

私の論理も必ずしも正しいものではない場合があると思います。
皆様が遊んでいるゲーム1つ1つが、それが良いゲームであればあるほど、この問題を乗り越えて作り出されたもの、ということなのです。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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