いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

 コラム 
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 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

東京ゲームショウ、台北ゲームショウ、そして中国の上海で開催されるChinaJoy。いずれもコロナ禍前は20万人〜30万人規模の参加者を集める、アジア最大規模のゲームの展示会です。
特に明日から開催されるChinaJoyはその広大な展示面積と、出展者数、来場者数で頭1つ抜けている、という感じでしたが、昨年まではコロナ禍により海外からの参加が激減していました。
今年になって中国政府がゼロコロナ政策を転換したということもあり、ようやく海外からも参加ができる状況になってきました。

注:写真はいずれもChinaJoy2019のもの

いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

日本からの参加にはビザが必要ですが、なんとか参加可能な状況になっていますので、今年のChinaJoyには日本ゲーム業界からの参加も多少見込まれるのではないでしょうか。
注:2023年7月27日現在、日本から中国への渡航はパスポートのみでは不可で、ビザの取得が必要です。

さて、この記事では2014年からChinaJoyに参加し、中国ゲーム市場を観測してきた筆者が、今年のChinaJoyでどのような点に注目しているかをお伝えします。

1.ゲーム市場の景況感

いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

中国はコロナ禍前から政府によるインターネット規制などでスマートフォンゲーム、PCゲームともに良くない状況が続いていました。
コロナ禍で世界的にゲームの需要が高まる中、中国のゲーム関係者からは「国内のゲーム市場は非常に厳しい」という声が聞こえてきていました。
中国ゲーム業界の提携先や取引際に聞く限りこの景況感は間違いではなかったとは思いますが、現在ではどのような状況かというのはあまり伝わってきません。
ChinaJoyでは中国全土から色々なゲーム事業者が集まりますので、現在の市場の景況感について確認したいと考えています。

2.プラットフォームの状況

いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

スマートフォン、プレイステーションやSwitchなどのコンソール、そしてPCゲームのSteamの中国での状況についても確認したいと考えております。
特にSteamは正式には中国ではファイアーウォールによってブロックされていますが、ユーザー数は膨大であり、日本のゲームパブリッシャーにとっても無視できないものがあります。おそらく中国ゲーム事業者にとってもSteamは重要なプラットフォームであるはずです。
ChinaJoyでSteamゲームの展示が見られるかは不明ですが、中国ゲーム業界がどの程度Steamに注目しているか、などは関係者に確認してみたいと考えています。

3.海外からの参加者

いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

かつてChinaJoyには海外から多くの参加がありました。日本はもちろん、アメリカ、ヨーロッパ、中東など、世界中のゲーム関係者が集まる展示会でもありました。
しかし上述の通り、中国で政府のインターネット規制等により、中国ゲーム市場でのビジネスは徐々に難しくなってきており、コロナ禍前から既に中国への積極展開を諦めるゲームパブリッシャーも出始めていました。

そのような状況の中久しぶりに開催されるChinaJoyにはどれくらいの海外からの参加があるのかは非常に注目しています。

4.GAFAMの出展状況

いよいよ参加できる!?アジア最大級のゲームの展示会、ChinaJoy

最後にGAGAMの出展について。ChinaJoyのBtoBエリアにはかつてはGoogle、Facebook、Amazon、Microsoftが大きなブースを構えていました。これらのアメリカ企業のサービスは、一般には中国ではブロックされていますが、一方でBtoBサービスについては少なくとも完全にはブロックされておらず、主にサーバーや広告などのサービスをPRする展示が多くみられました。

さて、コロナ禍を経て米国IT企業にレイオフの風が吹き荒れる中、以前と同じようにChinaJoyにはGAFAMの大規模ブースが出展されるのでしょうか。

中国という国は非常に広大で、独自の中華思想を持ち、そして経済的な状況も急速に変化しているため、その全体を捉えるのはなかなか大変です。
その中でゲーム業界関係者が集まるChinaJoyは包括的な視点を得るのに非常に有用です。

今年のChinaJoyに参加するにはビザの取得が必要などそのハードルは低くありませんでしたがが、久しぶりに状況を確認しに行く意義は大きいと考えています。

明日からのChinaJoyでは久しぶりに中国ゲーム市場の状況をじっくりと見てきたいと思います。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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