「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

 コラム 
  公開日時 

 著者:ちゃんたく 

この記事はパズドラを初期から今までやり込んできた筆者が、パズドラ復活への想いを込めて、現状を批判的に述べています。

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若干過激な批判も含まれますがご容赦ください。パズドラをプレイしたことがあるゲームファンの皆様に是非読んでいただきたいと思います。

パズドラの「栄光」

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

パズドラといえば、シンプルながら奥深いパズル要素と、モンスターを育てるRPG要素を上手く融合させたゲーム性が話題を呼び、スマートフォンの普及と共に爆発的にヒット、一世を風靡しました。
スマホゲー黎明期においてのゲームシステムの基礎を築き、パズドラのシステムや用語は現在でも他のスマホゲーに大きな影響を与えています。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

その勢いは携帯ゲーム業界だけでなく、ゲーム業界全てに大きな影響を与えました。ゲームはスマホの時代、という最初の流れを作り出したと言っても過言ではないでしょう。
忙しい現代人が合間の時間で手軽に遊べる点なども上手く作用し、普段はあまりゲームをしない一般層をも取り込み、パズドラは一躍“国民的ゲーム”と呼べるまでに成長しました。
パズドラのダウンロード数は日々うなぎ登り、パズドラを運営するガンホーの株価も急上昇、ひとたび生放送をすれば視聴者数は100万人を超えるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

パズドラの「凋落」

しかし現在、パズドラを取り巻く現状は芳しくありません。新しい試みや生放送は低評価の嵐。かつての栄光はもはや影を潜め、挙句の果てには「オワドラ」とまで揶揄されてしまう始末。現在の凋落ぶりに肩を落としている方も多いでしょう。筆者もその一人です。
では、なぜ栄華を極めたパズドラがそんな状況に追い込まれてしまったのか。マンネリ、インフレ、度重なる運営の失態、プロデューサー山本大介氏についてなどなど、その問題点を考えていきたいと思います。

筆者が考えるパズドラの「問題点」

「同じことの繰り返し…」5年という期間におけるマンネリ化

まず最初に問題となるのは、やはり「マンネリ化」です。パズドラは2012年2月20日のサービス開始から、すでに2,000日以上の月日が経ちました。5年以上同ゲームを今なおアップデートし続けるというのは、並大抵のことではありません。
この点に関しては素直に称賛を送りたいところですが、ゲーム内でのイベントに関しては「マンネリ」が大問題となっています。

イベントが多いのは良いことですが、その内容が毎回同じでは新鮮味、面白味が薄れてしまうのは必然。ゴッドフェスを開催、既存のダンジョンをいくつか復活、経験値アップ、スキルレベルアップ…など、毎度毎度コピペしただけのイベント内容で、最近はイベントも流し読み…という方も多いでしょう。
最近は山本P(パズドラのプロデューサー)もこの問題に言及しており、新ダンジョンも投入し、何とか改善しようという気概は感じられます。
ただそれでも9割ぐらいは毎回同じようなイベントに留まっており、言及したわりにほとんど改善されることはなく、あの発言はなんだったんだと逆にユーザーから不信感を募らせる結果となっています。

インフレ問題

同じゲームをアップデートし続けるスマホゲー特有の問題に「インフレ問題」が上げられます。簡単に言ってしまえば、現環境で強いキャラを出す⇒それより強いキャラを出す⇒それより強いキャラを出す…ということが繰り返される問題です。

会社がゲームを運営していくには当然収益が必要です、スマホのソーシャルゲームの場合はそのほとんどが「ガチャ」に依存しています。

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新しいキャラクターが既存キャラクターより弱いと誰もそのガチャを回しませんから、多くのユーザーにガチャを引いてもらうために、誰もが欲しくなる最強クラスのキャラクターを定期的に実装せざるを得ません。

こればかりは仕方ないことですが、あまりにもぶっ飛んだインフレを起こしてしまうとゲーム性を崩壊させることに繋がり、ユーザー離れに直結してしまいます。ソーシャルゲームの運営はこのインフレ問題を上手く調整する能力が求められます。

パズドラも過去に重大なインフレ事件がありました。大きなニュースとなった「曲芸士事件」です。

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「曲芸士」と呼ばれるキャラクターが当時の環境ではありえないほどの火力をたたき出す異常なインフレを起こし、その騒動は大きく炎上し荒れに荒れ、yahooニュースのトップにまで取り上げられる事態に発展。

曲芸士事件以降、目まぐるしいスピードでガチャキャラクターの火力(攻撃力)が上昇し、「これ以上能力を強化するとゲームが崩壊してしまう」という、いわば飽和状態に陥っているように思われます。最近は敵キャラを異常に強くさせるという対策で延命措置を施しているようですが、パズドラファンから見ると本質的な解決にはなっていないように思えます。

「パズルがしたいのにストレスが溜まる」数々の嫌がらせギミックの登場

パズドラと言えば当然「パズルが楽しいこと」が大前提となるゲームであり、難しいパズルを頑張って組むことで敵を倒し、爽快感や達成感を得られるゲームのはずでした。
しかし、爽快感や達成感を異常なまでに阻害するような要素を運営は長期に渡り実装しています。

その中でも特に「根性」や「ダメージ吸収」というギミックは、多くのユーザーがストレスを感じたことでしょう。もはや単語を見るだけでイライラするユーザーも多いはずです。
難易度に応じて敵を強くすることは必要なことですが、これらのギミックの一番の問題は「頑張ってパズルをすると損な結果になる」ということです。

例えば「根性」ですが、これはこちらが敵を一発で倒すだけのダメージを与えても、HP1だけを残して敵が生き残るギミックです。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

パズドラは敵のHPが減ってくると十中八九こちらがゲームオーバーになるほどの一撃必殺の超強力な技を使用してくるため、頑張ってパズルを組んだ結果、相手は根性で生き残り、こちらが即死する技を使われて即ゲームオーバーという、なんともストレスの溜まるパターンが繰り返されます。

「ダメージ吸収」というギミックに至っては、一定のダメージ量を超えると「敵にダメージが通らなくなるどころか回復される」というギミック。パズルを頑張って組めばそれだけこちらの攻撃力が上がり敵に与えるダメージが一定量を超え、敵に吸収され回復されてしまう、という悪夢。(挑んだPTによってはそれだけで詰みもありえる酷い初見殺しです)
こちらもやはりパズルを組む楽しさがなくなるギミックです。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

「根性」や「ダメージ吸収」というギミックについて運営は、「コンボを上手く調整して攻略してほしい」という想いがあったようですが、しかしパズドラには、落ちてきたドロップが勝手にコンボしてしまう「落ちコンボ」が存在します。
パズドラはコンボが重なるとダメージ量が増える仕様です。従って「根性」や「ダメージ吸収」対策としてユーザーは『一定以上のダメージを与えないように慎重に過剰なコンボを抑制する』ようにパズルを組むのですが、落ちてくるドロップが勝手にコンボ⇒敵の根性やダメージ吸収が発動⇒こちらが即死という事態が発生します。
つまりこのようなギミックにより、勝つか負けるかは運次第で、例えうまくパズルを組んだとしても理不尽な負け方をしてしまう可能性があるということです。

根本的な楽しさであるはずの「パズルを頑張ってコンボを組む」という要素が無くなり、更にはユーザー側に何のミスがなくても一定の確率で勝手にゲームオーバーに追い込まれる理不尽さ
「山田10コンボ!」でお馴染みのCMでも分かる通り、「初心者でも運が良ければたくさんコンボが組める爽快なゲーム」として売り出していたはずなのに、いつしかそのコンボのせいで負けてしまうという、真逆の事をやってしまったのです。

最近ではやっと運営側がこれらにギミックを対策できる技などを用意してきましたが、すでに多くのユーザーが離れてしまった後で「時すでに遅し」という感じです。さらには、それすらも特定のモンスターを所持していないと対策できないというおまけつき。
※「根性」はガチャ限定キャラ以外では2017年9月に実装された降臨キャラ「ルシャナ」で対応可能なため課金が無くても一応対応自体は可能。「ダメージ吸収」は現状ではガチャ以外では対策出来ない為、課金が必須。課金が悪いわけでは無いのですが、課金しても出ないというのがなんとも・・・。

例に上がっていないだけでこの他にも数々の嫌がらせ的なギミックが存在し、今でも運営は「敵を強くすること」と「理不尽にすること」を混同してしまっている部分があるのではないかと思ってしまいます。

「単純にやることがなくなった…」やりこみ要素の過度な緩和、ダンジョンの追加ペース減少

パズドラといえば、「モンスターのレベル上げ」「モンスターのスキル上げ」「ステータスを底上げするプラス卵め」など、数々のやりこみ要素があります。
これらはパズドラのエンドコンテンツの一つであり、特定の時間にのみ開催されるゲリラダンジョンを周回したりと、かつては長時間パズドラをプレイすることも多々ありました。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

しかし最近ではこれらのやりこみ要素が異常なほどに緩和され、昔に比べて格段に簡単になってしまいました。これに関しては新規参入の初心者に優しいなどの良い面ももちろんありますが、その結果パズドラのやりこみ要素の一つであった周回をする必要がほとんどなくなり「新しいダンジョンが実装されても1回クリアして終わり」というのが当たり前の状況になってしまいました。
この辺りの調整はソーシャルゲームの運営の悩みどころで、それそのものが批判されるものではありませんが、古参プレイヤーが離れる一因になったのではないかと思います。

また昔は2週間に1度は新しい降臨ダンジョン、週替わりのダンジョンなどを実装していましたが、最近は過去のダンジョンを使いまわし、降臨にいたっては4ヶ月間、新規ダンジョンなしという状況。

その割にはガチャキャラの追加ペースは異常なほど早くなり、「ガチャキャラを実装されても挑むダンジョンがない」とまで言われる始末。収益が下がりその対策が必要なのは分かりますが、そもそもユーザーは何のためにガチャを引いてるのかを考え直してほしいところです。

過度なユーザーへの煽り、無責任な発言、山本Pのプロデューサーとしての立ち振る舞い

パズドラを作ったプロデューサーである山本大介氏。“山本P”という愛称で親しまれ、偉大な方であることは間違いありません。しかし「プロデューサーとしての立ち振る舞い」が問われるような問題がいくつかあると言わざるを得ません。
パズドラが衰退するにつれ、本来のゲーム要素以外の部分であるこのようなところまで目に付いてしまうのは残念なことです。

山本氏の振る舞いは、或いは個人的なものではなくパズドラ運営チームや会社の意向を汲んだものかもしれません。巨大タイトルのプロデューサーという立場は外部からは見えない様々な事情があることも予想できます。しかしここでは敢えてパズドラファンから見える表面的な姿について言及します。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

山本PはTwitterで度々ユーザーからの意見に返信しますが、その多くが煽りと思われる返信。いかに個人的なアカウントであるとはいえパズドラのプロデューサーとして大々的に動いていますし、プロデューサーがSNSで煽りをしている姿はパズドラファンとしては見ていて気持ちのいいものではありません。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

わざわざユーザー側に問題があるようなものを選んで煽っていますが、そんなものはそもそも反応しなければ良いだけの話です。パズドラファンとしては有意義な質問にこそ回答をしてほしい、と思ってしまいます。

その他にも、山本Pがガチャで引いたコラボキャラだけを強化する謎のイベントを突然開催。しかし蓋を開けてみれば「選ばれたキャラクターを強化する」というより「選ばれなかったキャラクターが強化されない」といった方が正しい、非常に適当と感じられるようなイベントでした。
しかも「進撃の巨人コラボ」では、なんと主人公組の3キャラが全員外れるどころか、その他キャラがほとんど当たるという事態に。コラボ復刻で盛り上がるはずが主要キャラクターが強化されないというなんとも後味の悪い結果に。このイベントは当初から批判され、このような事態がいつか起こると想定されていたにも関わらず、耳を貸さずに続けた結果、ファンの落胆が現実のものとなってしまいました。

また、パズドラのプロデューサーであるにも関わらずパズドラをあまり理解していないと捉えられてしまうような、ユーザーに誤解を与える見当違いの発言や無責任な発言も目立つように思われます。

「パズドラ」が「オワドラ」と呼ばれるようになってしまった原因について考える~マンネリから消費者庁問題まで~

生放送当初から若干見当違いな傾向は見られましたが、最近ではそれが大きな問題にもなりました。おそらくパズドラ史上最も大きな事件である「フェス限ヒロインガチャ炎上騒動」です。


山本Pの不用意な発言がユーザーに大きな不信感を与え、結果として世間を騒がす大きな騒動となり、消費者庁から措置命令を受ける事態にまで発展。ニュースでも取り上げられ、ただでさえ落ち目になってきたところで悪いイメージを決定付けてしまった苦い事件となってしまいました。その結果としてパズドラの生放送は現在に渡り長期自粛中。
これに関しては山本Pだけの責任ということではありません。運営は過去に問題が起きる度に「二重チェック体制の強化に務めていく」と宣言してきましたが、あまり有効にチェック体制が機能しているとは言い難いように思われます。

ただ、このような大きな問題があったとしても、パズドラというゲームを作った山本Pが偉大な人物であることは変わりありませんし、パズドラは素晴らしいゲームであることにも変わりはありません。山本Pも運営も反省すべき点は反省し、今後はユーザーの意見を煽りで返すのではなく真摯に受け止めてより良いパズドラの運営に邁進してほしいところです。

最後に

以上が筆者が思う現在のパズドラの問題点です。厳しい事も申し上げましたが、全ては何とかパズドラに復活してほしいという想いからです。
筆者がこれほどハマっているゲームはありませんし、これだけ長続きしているゲームもありません。
パズドラに出会ったことを筆者は感謝しています。

今パズドラには様々な逆風が吹いていますが、これらの問題点に運営がしっかり対応していけば、十分改善していくことはできると思っています。再びパズドラが王者に返り咲いてくれることを祈っています。

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著者:ちゃんたく
eスポーツシーンを追い続けるゲームライターで、今は「ストリートファイター」界隈に夢中。生粋のラブライバーで、推しは星空凛、津島善子。
著者のTwitter著者のPIXIV