ゲーム攻略サイトがゲームメーカーに提供できるメリットとは?攻略記事への出稿は選択しとしてあり得るのか

 コラム 
  公開日時 

 著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長) 

昨日のコラム、「ゲームメーカーと攻略サイトの上手な関係 攻略サイトのステマ問題!?」に対して、以下のような質問がありました。

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「攻略記事の販促効果が低いのであれば、そもそもゲームメーカーが攻略記事を発注する事自体が無いのではないか」(鋭い!)
これを受けて、攻略記事がゲームメーカーにもたらすメリットについて簡単にご説明します。

※この記事はどちらかというとゲーム業界関係者向けの内容ですので、ゲームユーザーの皆様にとってはあまり面白くないかもしれませんので注意。でも興味があったら読んで下さいね。

ゲーム攻略サイトがゲームメーカーに提供できるメリットとは?攻略記事への出稿は選択しとしてあり得るのか

攻略記事の5つのメリット

ゲームの攻略記事には、ゲームのダウンロードやゲーム自体の購入を促す販促効果はあまりありません。例えばモバイルゲームの場合、ダウンロード数を増やしたいのであればアドネットワークやレビュー記事への出稿などの方が効果が高いと思います。

では攻略記事はゲームメーカーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。筆者は大きく以下の5つのメリットが有ると考えています。

1.コア層へのリーチ

2.知名度の向上

3.稼働率の向上

4.ユーザーニーズの把握

5.SEO対策

それぞれ簡単にご説明します。

1.コア層へのリーチ

ゲーム攻略サイトにはゲームユーザーの中でも熱心にプレイするユーザーが集まる傾向にあります。
ゲーム攻略サイトへのアクセスは検索からの流入がメイン。つまり「ゲーム内の分からないことを検索して調べる」モチベーションを持っているユーザーが攻略サイトにたどり着きます。

攻略サイト内にコーナーができると、別のゲームのヘビーユーザーが攻略記事を見たついでに何かの拍子に他のタイトルのアイコンなりが目に入り、「何か面白そうなゲームあるな」と思ってダウンロードする、ということはありえます。パズドラやモンストのヘビーユーザーにタイトルを訴求することが出来たりします。

アドネットワークへの出稿やレビュー記事などに比べればダウンロードされる数は僅かですが、攻略サイト経由でダウンロードしたユーザーは稼働率が高く、結果収益性も高くなる可能性があります。

2.知名度の向上

攻略サイトの特徴は、検索流入からの膨大なPV。攻略サイトは「分からないことを調べる」というニーズに応えているため、検索エンジンとの相性が非常に良い傾向にあります。
うまく運営されている攻略サイトは月間PVが数百万?数億と大きく、そのようなサイトに攻略コーナーを持つことは、とりあえず多くのゲームユーザーの視界に入る、ということを意味します。

駅前大通の看板広告みたいなもので、それが直接的にはダウンロードに繋がらないとしても、「このゲームどっかで見たことあるな」的な効果はあると思います。

3.稼働率の向上

スマホゲームの多くは「基本無料」ですが、懸念の1つは「ダウンロード直後の離脱」。
ダウンロードしてみたけど何をやって良いのか良く分からない、というような理由で離脱してしまうユーザーは相当数いるものと思われます。
もちろんゲーム内のチュートリアルなどでフォローするのが基本ですが、独特の世界観を持つタイトルや、要素が多い大作などはチュートリアルでの十分な説明が困難なことがあります。

ゲーム自体の出来が良くて、「よくわからないことは多いけど継続はしてみたい」というモチベーションをユーザーが持つのであれば、検索結果に詳しい解説が出てくることは良い結果をもたらすでしょう。

具体的な例としてSQOOL.NET内の、「中年騎士ヤスヒロ攻略コーナー」があります。
このタイトルは放置系とクリッカー系を合わせたようなシステムですが、この系統のタイトルをプレイしたことが無い方にとっては、最初はとっつきにくいと感じる可能性があるタイトルです。
「少し遊んでもらえれば面白さに気づくはずなのに・・・!」というやつです。
このようなケースでは初動の攻略(How to)記事が極めて有用です。

ついにリリースされたオッサンRPG!開始10分でやったことを書いてみるよ!

転生をうまく使おう!効果と使うタイミング解説

中年騎士ヤスヒロの攻略のツボを解説するよ!ポイントは「クリスタル」!

この辺の記事は、まだウェブ上に中年騎士ヤスヒロの攻略情報が少ない環境下でのユーザーの離脱をある程度防いだと思います。

その他、攻略記事には「強くなったらどんな感じになるのか」をユーザーに知らせる効果もあります。
ゲームの楽しさの1つはゲーム内のキャラやパーティーが強くなったり、コレクションが増えたり、街が大きくなったりする、「価値の増大」が継続することにありますが、その価値の増大が具体的にどう実現するのかを知ることは、ユーザーのモチベーションを引き上げます。これもまたユーザーの稼働率を上げるでしょう。

4.ユーザーニーズの把握

ゲームメーカーと直接タッグを組んで攻略コーナーを展開する場合、ゲーム攻略サイトからメーカーへ、個々の記事へのアクセス状況等を共有することが出来ます。

どの記事にアクセスが集まっているかを知ることで、ゲームメーカーはユーザーが現在どのような不明点を持っているのか、を知ることが出来ます。
攻略サイトによってはユーザーからのコメントを受け付けていたり、ユーザーが攻略情報を投稿できるシステムを有しており、その場合はより直接的にユーザーのニーズを知ることができるでしょう。

このような情報はゲームの改良を行う際の貴重な情報になり得るでしょう。適切な改良がなされることはユーザーにとっても良いことです。

5.SEO対策

ゲームタイトルに使われるワードは、神話系のワードだったり、ドラゴン、勇者、冒険、などの昔からゲームでよく使われているワードだったり、或いは日常的なワードだったりします。
全くのオリジナのキャラ名などをタイトルに使わない限りは、既に検索エンジンには関連ワードで大量の記事が存在していて、せっかくリリースしたゲームタイトルが検索結果に出てこない、ということは往々にしてあり得ます。

ゲーム攻略サイトはコンテンツの特性上SEO対策に注力しているところが多く、従ってSEOに強いゲーム攻略サイトにコーナーを持つと、その攻略記事が狙ったワードで検索結果上位に出てくる、ということが期待できます。
アプリストア内のASOとあわせて、検索結果のSEOも対策したいという場合、SEOに強い攻略サイトを利用するのはあり得る選択肢の1つと言えるでしょう。

ただし、とにかく検索上位に出さえすれば良いというような方針で記事を量産してしまうと、検索からたどり着いたユーザーの期待を裏切ってしまい、「公式の運営が噛んでいる攻略サイトなのにしょぼい」という理由でゲーム自体から離脱されてしまうかもしれません。攻略サイトに訪れるユーザーは既にそのタイトルをプレイしているユーザーがメインですから、SEO目的の攻略記事であってもバッチリ仕上げるのがおすすめです。

尚、当サイトへの攻略コーナー設置に関するお問合わせは

SQOOL.NETへのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。 ※注意事項 ※運営者情報 ※フォームがうまく作動しない場合は info@sqool.net

こちらから。
何となく効果が地味な攻略記事ですが、ゲームメーカー様からのお問い合わせ、ご依頼、大歓迎!

少し真面目に書きますと、即効果が出るタイプの施策ではありませんので、じっくりと育てたい、というタイトルに向いていると思います。

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著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
いつの間にかメディアの人みたくなったことにいまだに慣れない中年ゲーマー。夜行性。
好きなゲームは「桃鉄」「FF5」「中年騎士ヤスヒロ」「スバラシティ」「モンハン2G」「レジオナルパワー3」「スタークルーザー2」「鈴木爆発」「ロマサガ2」「アナザーエデン」などなど。
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