脱出ゲームはどうやって作られているのか?人気脱出ゲームを多数手掛けるSEECの開発チームに話を聞いてみました! |Page4
著者:加藤賢治(SQOOL代表 兼 編集長)
イラストレーターさんがシナリオも担当する意外なメリット
筆者:イラストレーターさんがシナリオも担当するというのは意外な感じがするんですが、どういう経緯でそのような運用になったのでしょう?
野内さん:前はイラストと企画は別担当でした。
企画担当が「こういうストーリーでやりたいからこういうイラストお願い」みたいな感じですね。
で、イラスト描いて提出すると「なんか違う」みたいなことが起こる場合があります。駄目出しされて修正をするとそこで時間がかかるんですよね。描いた方も多少落ち込みますし。
であれば、イラストレーターさんがシナリオも書けばいい、ということになりました。
確かにそれは合理的な気がしますが、シナリオを書くのもかなりスキルを必要とする高度な作業です。
イラストが本業のイラストレーターさんにシナリオも任せてしまうのは問題は無かったのでしょうか。
野内さん:それがやってみてわかったんですが、イラストレーターさんって自分の描きたいイメージを作るために、例えばキャラクターの背景の話を考えていたりするんですね。
ストーリーを考えるのが得意な人が実は多かったんです。
なるほど!言われてみればそれはそうかも知れません。
SEECさんではイラストレーターさんがシナリオも担当するようになってからスムーズに開発が進むようになったそうです。
ちなみに脱出ゲーム内の謎もイラストレーターさんが作っているそう。
「脱出ゲームをたくさんやってもらったらみんな脱出ゲームファンになってしまって(笑)」
皆さん謎作りも楽しくやっていらっしゃるようです!
SEECさんではイラストレーターさん主導で企画が進行し、ストーリーやゲーム内の謎作成などもほぼ一任されているそうです。
野内さんの心配事は「こだわり過ぎて工数が増えてしまうこと」くらいだとか。
「超大作を企画してしまいがちなんですが、それって結局企画した本人の首を絞めちゃうんですよね(笑)」
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